2月の聖句

聖隷三方原病院　　　池谷明高
小説や、映画、ドラマを見て、登場人物の思いに共感するということがあると思います。人間の感情や行動は、環境に左右されます。天気が良い日は気持ちも晴れますが、雨の日、また嵐の日などは憂鬱な気持ちになることもあるでしょう。それ以上にどのような環境で成長し生きてきたか、何を学び、経験してきたかも大きく影響します。相手の立場に立つ、相手の置かれている状況に自分を置くことで、その人を理解し、また共感を覚えることができるのです。
相手の抱えているものを一緒に担おうとすることで、何より私達は互いに支え合い、補い合い、助け合うことができます。対立も、争いも、差別もなくなります。他者の思いや考えを受け入れ、間違いや失敗も赦すことができます。相手の思い、考え、経験を自分のものとする、それは自分自身の豊かさにつながります。こどもたちが、どれだけ多くの人間の思いや考えを自分のものにすることができるか。寄り添うことができるか。その成長の助けを、私達、大人の姿を通してできるのではないでしょうか。