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子どもの目線になって

園長 加藤可織
 暑かった夏が終わり、朝夕の吹く風に秋を感じるようになってきました。日中はまだまだ暑さを感じますが、子どもたちは園庭で体をたくさん動かして遊んでいます。わかばの園庭には、たくさんの木々があり、木陰はとても涼しいです。これから、イチョウの葉が色づき、同時に他の木々も緑色からオレンジや赤、茶色と色づいていきます。季節の移り変わりを目で見て感じたり、暑さや涼しさ等気候の移り変わりを肌で感じたりとわかばの園庭にある自然と共に全身で感じて行きたいと思います。送迎時や保育参加等にいらした時には、保護者の皆様も是非感じていただけたらと思います。
先日、園庭に行くために2階から1階に降りてきたりす組の子どもたち。階段からホールに来た時、1歳児のAくんが「あっ!!」と目を丸くして床を指さし、立ち止まりました。私はその瞬間をちょうど事務所から見ており、“何を見つけたのかな?虫かな?”と思いながら、しばらくその様子を見ていました。Aくんはその場から離れず、「あっ!あっ!」と指差しを続けます。Aくんは何を見つけたのか、その場から離れようとしない理由が知りたくなり、ホールに行き、指先が指し示すところを見てみました。指差しをする先を見てみると床の一部分がオレンジ色になっていました。“なるほど!そこに気づいたんだ!”とAくんの発見に納得しながらも、声をかけずに更に様子を見ることにしました。すると、指をさしながら、「あっちい!あっちい!」と発し、熱い物に触れた時のように目を細め、足踏みを始めたのです。何度か繰り返していたので本当に熱いのかなと思いながら、私も床に手を触れてみましたが、熱さは感じず…Aくんは更に指差しを繰り返し、私の「あついの?」という言葉に「あっちい!」と連呼し、言葉でのやり取りを繰り返し楽しんでいるように感じました。そのやりとりを見ていたBくん、Cくんも一緒になって「あっちい!」と真似をして発し、オレンジ色の床の上でしばらく3人での楽しいやり取りが繰り返されました。
園舎天井部分にあるステンドグラスが太陽の光を受けて床に反射し、オレンジ色になることを発見し、色を見て“あつい”と見立てたAくん。実際は何をイメージしていたのかは、Aくんにしか分かりませんが、Aくんが今まで経験したこととオレンジ色の床が一致し、「あっちい!」という言葉が出たのだと思います。子どもたちの仕草をよく見たり、発する言葉を聞いたりすると“そんな風にイメージするんだ!なるほど!”と驚くことが多々あります。子どもたちは、日々の中で様々な経験をします。自分の近くにいる人の行動や仕草、言葉等をよく見て、よく聞いて、それを真似をして繰り返し行ないながら習得をしていきます。自分自身の子どもの頃を思い出すと、母の真似をしてままごとや家族ごっこをしたり、友だちの姿を見て鉄棒に挑戦したりと誰かを見て、繰り返し失敗しながらも色々なことを習得していったように思います。子どもたちにとって、遊びの中でそして行動一つ一つが学びとなっています。自らの気づき=自分で考えたことになり、それはその子自身の力となっていくと思います。
今、子どもたちの目線になって見てみると大人の目線で見えているものと子どもの目線で見えるものの違いに気づくことが多いです。ふとした時に子どもと一緒の目線になってみると、今まで気づかなかった景色や見え方の違いに気づくかもしれないですね。