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自ら考える

園長 加藤 可織
 園庭のイチョウの葉が黄色く色づき始め、朝夕の冷え込みから秋の深まりを感じます。朝夕と日中の寒暖差があり、体調を崩しやすい時期ですので大人も子どもも栄養と休息をしっかりとりながら元気に過ごしていきたいですね。
 先月は『たのしいひろば』を開催することができました。今年は子どもたちの年齢や成長発達を考えて1クラスもしくは2クラスずつ、時間差での開催となり、ご不便をおかけした部分もありましたが、ご理解とご協力の程ありがとうございました。当日は親子で一緒に体を動かしたり、友だちと一緒に日頃から楽しんでいる遊びを行う中でたくさんの笑顔を見ることができました。園庭では、走りっこやリレーごっこ、ダンス等を今でも楽しんでいます。大きい子たちの姿を見て真似をして遊ぶ小さい子の姿もあり、生活や遊びの中で得る経験をこれからも大切にしていきたいと思います。
さて、先日の夕方、園庭に用事があり、もも組保育室に入ると3歳児のAくんが着替えをしようとしていました。私は“洋服が汚れてしまったのかな”と思いながら、洋服を脱ごうとしているAくんの横を通り過ぎ、園庭に行きました。用事を済ませ、再び保育室に入るとAくんの周りには一度履いたであろうズボンが複数枚ありました。“どうしたのかな?”と思い、困った表情をしていたAくんに声をかけました。すると、「長いズボンがいい!」と一言。夕方の園庭は少し肌寒く、半ズボンを履いていたため、寒くなり、ズボンを着替えようとしていたのです。Aくんはロッカーのカゴの中の着替え用ズボンを一着ずつ履いてみましたが、足首が隠れるくらいの長ズボンはなく、数枚のズボンの長さの差異が分からなくなっていました。その時、私が「一番長いズボンはこれだよ。」と渡すことは簡単ですが、Aくんなりに色々試している姿があったため、長さが目で見て分かるように一番長いズボンを下に置き、その上に次に長いズボンを置き…と長さ比べができるように置いてみました。すると、Aくんは「あっ!!」=“わかった!”という表情をし、一番下に置いたズボンを手に取り、履き、納得した表情で園庭に再び戻って行きました。子ども自身が自ら気付いた瞬間の表情は、晴々していました。このように子どもたちが生活をしていく中で “なんでだろう”“どうしてだろう”と疑問に思うことはたくさんあります。子どもなりに考えて、色々な方法で試し、時に繰り返し、大人の私たちにとっては“どうしてそんなことするの!?”と止めたくなることもあると思います。しかし、その行動をよく見ると子どもたちなりに考えて行なっていることがたくさんあります。その瞬間を見逃しそうになることが多々ありますが、子どもの行動を少し立ち止まって見てみることを私自身大切にしていきたいと思います。
9月から年長クラスの保護者を対象に『卒園面談』を行っています。就学を控え、一人ひとりの今までの育ちを振り返りながら成長を喜び合い、これからも自信を持って歩んでいくことができるように思いを共有する時間となっています。保護者の方々のお話を聴きながら、本当に一人ひとりが大切にされている存在であることを改めて実感しています。子どもたち一人ひとりが様々なことに挑戦し、ありのままの自分を受け止めながら、自信を持って歩んでいけるように関わっていきたいと思います。