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育ち合い

園長 加藤可織

一年で最も寒い日が続くと言われる2月となりましたが、今年の冬は暖冬と言われています。風の冷たさを感じることもありますが、園庭の梅の木にはピンク色のかわいらしい花が咲き始めました。風が吹くと花が落ち、地面はピンク色に…まるで絨毯のようです。わかばの園庭には、たくさんの木々があり、季節によって園庭の景色が変わっていきます。少しずつ桜の蕾が膨らみ始め、春へと移り変わっていく様子を子どもたちと一緒に感じ、春の訪れを楽しみに待ちたいと思います。
子どもたちは、生活や遊びの中で様々なことに興味を持ち、自らやってみようと試みる姿があります。時には友だちの姿に影響され、真似をすることから始まり、少しずつ習得していくこともたくさんあります。様々な年齢の子どもたちが一緒に過ごすわかばの中でもそのような姿がいたる所で見られます。先日、みどり組の子どもたちが毛糸で帽子を作っている様子を見て、き組やもも組も「やりたい!」「やってみたい!」と興味を持ち、挑戦する子どもたちの姿がありました。挑戦してみたものの、みどり組のように進まず、悪戦苦闘。それでも根気よくやり続け、困ったときには「できない」と近くにいた大人やみどり組に助けを求め、教えてもらいながら繰り返し行なっていくことでやり方を覚えていました。今週に入り、みどり組では新たに牛乳パックの編み機を使って編み物が始まりました。私は他のクラスの子どもたちにはどのように広まっていくのかなと子どもたちの様子を見てみることにしました。すると、き組の女の子数名が夕方、みどり組から「あみもの、やるの!」と毛糸と編み機を嬉しそうに持ち、保育室に戻って来たのです。その時の表情は、憧れの物を手に入れた喜びと共にスキップするかのように弾みながら保育室の中に入り、挑戦する時のワクワク感も伝わってきました。“やってみたい”という気持ちの表れ、心が躍るということはこういう感情なのではと思いました。
誰かが夢中になって取り組んでいる姿を見た時、その取り組んでいることが気になり、そして魅力を感じ、同時に自分もやってみたいという感情も生まれます。子ども自身が自ら心が動く瞬間を大切にし、私たちはその瞬間を見逃さないようにしていきたいと思います。園での生活や遊びの中では、異年齢で過ごすこともあります。お互いが刺激となり、育ち合って行く姿もたくさん見られます。子どもたちが安心して様々なことを経験していけるよう、環境を整え、一人ひとりとの関わりを大切にしていきたいと思います。
今月はたのしいつどいが行なわれます。1年間楽しんできたことを通して子どもたちの成長を感じ、共に喜び合い、親子での楽しいひと時となるように願っています。