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園長コラム

『 一年間ありがとうございました 』

石川 綾乃
3月は旧暦で「弥生」。弥(いや)は「いよいよ、ますます」、生(おい)は「生い茂る」を意味し、元々は草木が芽吹くことを弥生(いやおい)と言っていたものが転じたそうです。今年は暖冬でしたので水仙も木蓮も早咲きで庭を彩っています。温かい春が来ることは嬉しいですが花粉症の方々にとっては辛い時期でもありますね。幼い子どもたちの中にもそのような症状が見受けられます。
さて、この一年間を振り返ってみますと、乳児期の子どもたちの成長は本当に著しく、毎日が新しい喜びと感動に溢れていました。いつも子どもたちを真ん中において共に過ごせましたこと、そして一緒に成長を見守ることができましたこと、感謝いたします。
残すところ1ヵ月となった今、特に3月末に新しい道へと進む2歳児の子どもたちへの思いはひとしおです。入園したての小さかった頃が鮮やかに蘇ります。保護者の方にとってはなおさらに、様々なことが思い起こされることでしょう。先日、園だよりに載せる写真を選んでいた時のことです。2歳児のAさんが写真を見て「私はどんな赤ちゃんだった?」と聞きました。「甘えん坊さんで抱っこが大好きだったよ。」と話すと「そうか、今でも甘えん坊だよ。」と嬉しそうに笑います。「まだまだ甘えん坊でいいのよ。」と続けると、「そうか、いっぱい甘える。」とギュッとしてきました。思いがけずギュッとされて私の方が甘えさせてもらっているような気持ちになりました。自分の思いを伝え、人をこんなにも温かい幸せな思いにさせてくれる子です。これからも沢山の人に愛されて育っていくことでしょう。ただ保護者の方にとっては、ここまで子どもを育ててきた中では喜びばかりではなく沢山の悩みも経験されたことと思います。一つひとつの成長が嬉しくて可愛いらしく思う反面、自我が出てきて甘えなのかわがままなのかわからず、対応に苦戦していることが連絡ノートから伺えました。送迎の際や面談等でお話しを聴かせていただきましたが聴くことぐらいしかできずすみませんでした。しかし、この時間は私にとって保護者の方との貴重な時間であり学びの時でした。これからもお子さんの成長の過程で様々なことが起こり様々な思いを経験することになるでしょう。そんな時は、この言葉を思い出していただけたらと思います。
「私たちは、いつも神さまの愛の中にいます。ですから、まだ起こっていない未来を先走って心配しすぎないことです。
今、与えられている現在(現状)を感謝して受けとめるように努めましょう。
日々を大切に生きていれば、未来は思いがけないところへと開かれていくはずです。」
これは、今でも自分に時々言い聞かせている言葉です。心が弱くなっている時、疲れてしまった時、今やっていることがわからなくなってしまった時等々…。私はこの言葉に何度も救われてきました。聖隷の保育園に入職して私は初めて神さまの存在を知りました。「私は愛されている。そのままの私でいいのだ。」と思うことができました。そして、その時々で導かれた沢山の出会いの中で育ててもらってきました。同じように聖隷の理念のもとで神さまと出会い沢山の人に愛されて育った子どもたちが、これから生きていく中で「私は愛されている。そのままの私でいいのだ。」と自分らしく伸び伸びと育っていくことを願っています。
今年もそれぞれの道へ進んでいく子どもたち、一つ大きいクラスに進級する子どもたち、保護者の皆様、職員の皆に感謝の思いでいっぱいです。一年間、いたらないことも多かったと思いますが、温かいご理解ご協力をありがとうございました。