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園長コラム

『安心の中で育つこどもたち』

園長髙木智美
新年度が始まり一か月が過ぎ、園内にも少しずつ穏やかな時間が流れるようになってきました。4 月当初は、初めての環境や保護者の方と離れる不安から涙を見せていた子どもたちも、保育者に抱かれたり、やさしく声をかけられたりする中で、「ここは安心できる場所なんだ」と感じ始めているようです。
朝の受け入れの時間、以前は涙でいっぱいだったお友だちが、保育者の顔を見ると自分から手を伸ばしてくれる姿が見られるようになりました。その小さな仕草の中には、「大丈夫」「ここで過ごしてみよう」という気持ちの芽生えが感じられ、私たちも胸が温かくなります。
室内ではハイハイを始めたお友だちは、自分の行きたい場所へと少しずつ体を動かし、興味のあるものに手を伸ばしています。ある日、少し離れた場所にあったボールに気づいたお友だちが、何度も立ち止まりながらも、ゆっくりゆっくりと前に進み、ついに手に取ることができました。その時の誇らしげな表情は、とても印象的でした。「やってみたい」という気持ちと、「できた」という経験が、次の意欲へとつながっていく大切な瞬間です。また、つかまり立ちや伝い歩きを楽しむ姿も増えてきました。保育室の中でお気に入りの場所を見つけ、何度も行き来することで、体の使い方を自然と学んでいます。転びそうになりながらも、自分でバランスを取り直そうとする姿には、日々の成長の積み重ねが感じられます。人への関心も少しずつ広がっています。お友だちの存在に気づき、顔を見合わせて微笑み合ったり、同じおもちゃに手を伸ばしたりする姿が見られるようになってきました。まだ言葉でのやり取りは難しい時期ですが、表情やしぐさを通して心を通わせている様子に、子どもたち同士の豊かな関係の芽生えを感じます。
保育者との関わりの中では、「いないいないばあ」や手遊びを楽しみ、声をあげて笑う姿も増えてきました。繰り返しの遊びの中で、「次はこうなる」という見通しが持てるようになり、安心感とともに喜びを感じているようです。こうした関わりの積み重ねが、人への信頼感や情緒の安定につながっていきます。戸外に出ると、やわらかな風やあたたかな日差しの中で、子どもたちは五感をたっぷりと使って過ごしています。葉っぱの揺れをじっと見つめたり、風に吹かれて気持ちよさそうに目を細めたりする姿からは、自然の中で感じる心地よさが伝わってきます。散歩車に揺られながら周囲を見渡し、さまざまな景色に触れることも、子どもたちにとって大切な経験となっています。この時期の子どもたちの成長は、一つひとつは小さく見えても、とても大きな意味を持っています。「できるようになったこと」だけでなく、「やってみようとする気持ち」や「安心して過ごせること」を大切にしながら、これからも丁寧に関わっていきたいと思います。
さわやかな季節となりましたが、朝晩と日中の気温差もありますので、体調の変化に気をつけながら、戸外遊びも取り入れ、心も体ものびのびと育っていくよう見守っていきたいと思います。