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多様な感情体験を通して

近隣の木立の色づきが美しく進み、朝晩の冷え込みと共に秋の深まりを感じます。
厚生労働省の調査によると、日本ではおよそ7人に1人の子どもが貧困状態にあります。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大は、日本経済にも大きなダメージを与え、より貧困家庭を苦しめています。新聞紙上では、単身親家庭の18%が食事回数を減らし、14%が食事量を減らしているという調査結果が出ています。幼い頃から厳しい環境を生きてきた子どもたちの問題は学齢期になるとより顕在化し、学ぶ意欲や生きる意欲を持てないまま成長する子どももいます。その理由として、自尊感情が低い、他者への信頼感が薄い、将来の夢や目標が持てないこと等が挙げられます。このような力を育むためには、社会情動的スキル(非認知能力=認知能力の対極にある力で数値化されるものではない)が必要です。結果に注目するのではなく、その過程(プロセス)が重要になるのです。
自己肯定感や主体性や共感力等の非認知能力を育むためには、乳幼児期から安全で安心できる環境の中で、信頼できる大人たちに見守られながら生活することを通して、少しずつ習慣化していくものだと言われています。こども園とかるみあの子どもたちは、相手の喜びを自分の喜びと重ね合わせようとします。それぞれの感性で多様な感情体験を重ねていく姿に驚かされることも多く、心動かされる毎日です。
聖隷こうのとり富丘 園長 永島弘美

“どの一日もかけがえのない日”
10月3日に開催しました「わくわくひろば」へのご参加、誠にありがとうございました。ご参加いただいた皆さまからは、様々なご感想が寄せられました。子ども達が過ごす環境の中に身を置くことで、園で過ごす姿、遊びや活動への取り組みの様子について十分にイメージしていただけたことを大変嬉しく感じます。寄せられたご意見は、職員一同大切に受け止め、今後も、豊かな経験と自己発揮が適う施設づくりにつなげていきます。また、11月7日には、「おひさまひろば」を予定しております。子ども達はもとより保護者の皆さまにとっても、身体も心もあたたまる「おひさま」のような一日となりますように。
さて、私が大切にしているものの一つに、『一日生きることは、一歩進むことでありたい』ということばがあります。富丘の子ども達を見ていると、目には見えなくても、数えたり測ったりはできなくても、培われていくもの、築かれていくものがあると改めて感じます。こども園の子どもたちは、かるみあの子どもたちや職員に色々な質問をしますが、聞きたいことや知りたいことが本当に溢れるように出てくるようです。最近では、「今日は誰がいる?」から「そら組さんは今日何したの?」と聞かれることが多くなりました。交流が深まりふれあう機会が増えたことで、生活や遊びの様子もイメージしやすくなったのでしょう。つながりが嬉しく感じるひと時です。
私たち大人にとっても「一歩」が意味するもの、「進む」が意味するものはそれぞれですが、「一歩進む」という思いを心において一日を生きてみることで、毎日訪れる「今日」という日が、どの一日とも異なるかけがえのないものとなり、そして次の一日につながっていくのだと感じます。「いい日」も「そうでない日」も歩みを進める大切な一日です。そんな思いをもちながら、日々を過ごしていくことが大切なのかもしれません。
< 聖隷こども発達支援事業所かるみあ富丘 所長 大塚美美 >