- 2025年7月18日
- 遊びを通して楽しく体を動かす経験
- 蒸し暑い日が続いていますが、子どもたちは汗をいっぱいかきながらも夢中になって様々な遊びを楽しんでいます。こども園では5月末に夏のあそび開きをしました。泥んこや水遊び、色水、フィンガーペインティング、プール遊びなど…全身を使ってダイナミックに遊んだり、氷や小麦粉粘土など感触を楽しみながら不思議さや心地よさを感じたりと、年齢発達に合わせて様々な遊びを経験しています。これから更に暑くなることも予想されていますが、引き続き夏ならではの遊びや体験が十分できるよう、日々の天候や暑さ指数を見ながら、子どもたちと一緒に考え過ごしていきたいと思います。
さて、先日『第18回 聖隷保育学会』が開催され、こども園の職員も参加し学びの時をもつことができました。土曜保育の家庭保育協力をありがとうございました。聖隷こども園こうのとり富丘では、「保育の中での運動遊び」をテーマに研究を行い、その中で1歳児クラスのネット遊具あそびでの気づきから、保育の中で取り組んできたことを例に挙げて発表をしました。一部をご紹介します。
『歩行が安定し、走る、跳ぶ、のぼる、おりる等ができるようになり、体を活発に動かす遊びを好むようになってくる1歳児クラスの子どもたちですが、たんぽぽ組でもソファや棚など、高いところに登りたい姿が見られます。その姿から、ネット遊具あそびで子どものたちの『登りたい』意欲を満たしながら、運動発達を促していきたいと考え意識的に保育の中に取り入れてみました。実際に子どもたちがネット遊具を登っている様子をみると、足の指を上手にひっかけながら登っている子や、腕の力だけで登ろうとする子など、一人ひとり体の使い方が違うことに気がつきました。肋木を登る様子では、高いところまで登ることで達成感を感じてほしいと思っていた職員の思いに反し、友達と一緒に1段登って“にっこり”嬉しそうな姿。職員の「できたね!」「すごいね!」の声掛けに、周りで見ていた子が『私も~』と挑戦して登り始める姿もみられました。この姿から、1歳児では、様々な遊びをする中で味わう達成感や楽しい気持ち、うまくいかないもどかしさも大人が共感していくことで運動への意欲や運動発達に繋がっていくことを改めて感じました。』
乳幼児期の“運動”は遊びを通して体を動かす体験が中心となってきます。今回、1歳児クラスでは、一人一人の「できた!」に共感してくれる友達や大人がいたことで、子どもたちの『もっとやってみたい!』につながっていきました。遊びの中で、それぞれの発達段階に必要な動きを繰り返すことで、子どもたちは体の動かし方やバランスのとり方を習得していきます。ハイハイから伝い歩き、そして歩行、走る…。と私たちが当たり前にしている動作は、遊びの中で繰り返すことで安定していきます。
これから暑さで外へ出られない日も増えてくることが予想されますが、施設内のネット遊具やホール、活動室など体を動かせる環境を活かして年齢発達に合わせた環境を整えることで、引き続き体を動かす楽しさを感じる経験を大切にしていきたいと思います。
園長 二村 郁枝
- 2025年6月4日
- 育ちあう(意見のぶつかり合いから)
- 2025年5月14日
- 人と人とのつながりの中で
- 新緑の若葉にすがすがしさを感じる季節になりました。新年度がスタートして1ヶ月が経ち、子どもたちの表情も和らいで笑顔と元気な声が保育室に溢れています。
4月19日(土)には、こども園とかるみあでそれぞれ保護者懇談会が行われました。お忙しい中ご参加くださりありがとうございました。それぞれのクラスで「今の子どもたちの様子」や、「今年度の保育・療育について」をお伝えし、保護者の皆様と一緒に1年間の保育・療育について共有させていだくことができました。また、保護者同士がお話しできる場としてディスカッションの時間を設けました。今年度は、年間予定の中でも「懇談会でのディスカッション」や「よりみちサークル(茶話会)」、「パパの会(仮)」等、保護者の方同士のつながりがもてるような取り組みを企画しております。ご興味のある方はぜひご参加いただけますと幸いです。4月は、子どもたちも、大人も、誰もが新しい出会いの中で新しい生活がスタートしています。日々過ごす中で、共有したい子どもの姿や成長、また不安や疑問等があった方もいらっしゃると思います。保育・療育では、子どもたちと話をしたり、遊んだり、生活をしたりする中で、できるだけ丁寧にたくさん関わり、一緒の時間を過ごしていくことでまずはお互いを知るよう努めています。子どもたちにとって安心して自己発揮できる場所となるように、また保護者の皆様にとって安心して預けていただけるように、関心を向け、対話を大切にしながら、共にお子様の成長にかかわらせていただきたいと思います。
さて、こども園のディスカッションでは、それぞれのクラスで「どんな子(人)に育ってほしいですか?」をテーマの1つとして話をしていただきました。少し悩まれた方もいらっしゃったかと思います。「あまり考えたことがなかったです…」とのお声もありました。それでも、「笑顔で、明るく健康に育ってほしい」や「夢中になれることを見つけてほしい」「思いやりのある子に育ってほしい」・・・等、お子さんの姿を思い浮かべながら、嬉しそうにお話ししてくださる姿が印象的でした。お子さんがやりたいことや目指すことがあれば、親として全力で応援したいとご夫婦で確認する姿もあり、お子さんの幸せや豊かな人生を願うのは、保護者の皆様も、そして私たち職員も同じだなと改めて感じました。
こども園では、「愛されて、愛する心を知り、お互いが大切な存在であることを知る」「一人ひとりの違いに気付き、お互いを認め合いながら共に主体的に生活する」「自己発揮できる環境の中で創造性を育てる」の保育・教育目標のもと、どの子も愛されている存在として、ありのままの姿で受け入れられる安心感の中で、その子らしく育ってほしいという思いで、日々保育にあたっています。たくさんの人とつながりながら、愛されている“自分”と同じように、大切な“相手(友達)”が近くにいることで、たくさんの人とつながりながら豊かな人生を歩んでいけるよう、目に見えない心の育ちにも寄り添い、支えてけるよう今後も職員一同努めてまいります。
園長 二村 郁枝
- 2025年5月2日
- 人と人とのつながりの中で
- 2025年4月2日
- ご入園ご進級おめでとうございます
- 2025年3月11日
- 見えないものに目を注ぐ保育
- 2025年2月6日
- 共に味わう ~“おいしい”の共有~
- 2025年1月17日
- 子どもたちと共につくる保育
- 2024年12月5日
- 「かみさまからのおくりもの」
- 2024年11月5日
- 「目に見えない育ちに心を向ける」
- 2024年10月5日
- 家庭教育講座より ~つながる~
- 2024年9月9日
- 安心できる場所
- 2024年8月2日
- 「ありがとう」から広がる温かい気持ち
- 2024年7月4日
- 地域と共に
- 2024年6月4日
- 見て学ぶ環境(見よう見まねで育つ力)
- 天気や自然の移り変わりに、季節の変化を感じている子どもたち。室内や戸外に関係なく、汗ばみながらも日々いろいろな遊びを楽しんでいます。園庭ではダンゴムシやちょうちょ、トカゲ等々…、小さな生き物探しに夢中で、保育室には日々新しい仲間(小さな生き物たち)が増えていきます。毎日子どもたちと一緒にお世話をしている中で、身近な“命”について考える機会を与えられています。
5月17日はこども園(4.5歳児)、18日にはかるみあでそれぞれ親子遠足に出かけることができました。どちらも天候に恵まれ、笑顔あふれる素敵な時間を過ごすことができました。こども園では、子どもたちと一緒に“どんなことをして過ごしたいか”を話し合い、計画し、グループごとに『かくれんぼ』や『だるまさんがころんだ』、『オセロゲーム』など、保護者の方と一緒に体を動かして遊ぶことができました。また、ウォークラリーでは、グループごとにオリジナルのカードで親子で楽しんでいただきました。かるみあでは「いちご狩り」に出かけ、味覚だけでなく鮮やかないちごの色(視覚)や甘酸っぱい香り(嗅覚)柔らかな感触など経験しました。終了後は広場でパラバルーンを行い暖かな日差しとさわやかな風を感じ楽しむことができました。今回は初めてきょうだい児も参加し一緒に楽しい時間を過ごすことができました。
こども園も、かるみあも、たくさんの方にご参加いただき、共に楽しい時間を過ごせましたことに感謝いたします。ご参加ありがとうございました。
さて、玄関のあおむしがサナギになり3匹羽化して飛び立っていきました。生き物を飼う上では毎日のお世話が必要ですが、園では飼育ケースの掃除や餌(レモンの葉)の補充もできるだけ子どもたちが見えるところで…と思い、幼児クラスが園庭や室内で遊んでいる時間に1階のテラスで行っています。掃除を始めようとテラスへ出ると、興味ある子どもたちが集まってきます。ケースを開けて間近で見るあおむしに興味津々で近づいて、観察したり手を伸ばしたり…。少し離れた場所から、「ちょっとこわい…」と言いながらもジーと目が離せない子もいます。
先日、あおむしの飼育ケースを掃除しようとしたときのことです。保育室にいたA君が「一緒にやりたい!」と声をかけてくれたのをきっかけに、4歳児(いちょう組)の男の子3人が一緒に掃除を手伝ってくれることになりました。まずは、B君とC君が飼育ケースを二人で運び、テラスに置いて蓋を開けます。蓋にくっついていた2匹のサナギがピクピク動いている様子をみて、「そーっと!」と言いながら踏まれない位置に置いてくれました。ケースが開くと、「新しい葉っぱあげるね!」とC君が古い葉っぱを取り出します。すると、すぐにB君が「うんち洗ってくるね!」と飼育ケースをもって、あおむしの糞を捨て、ケースを洗ってくれました。その間、あおむしはA君とC君でしっかりと見守ってくれています。ケースがきれいなると新しい葉っぱとあおむしを戻し、サナギに気を付けながら蓋を閉めて、あおむしの飼育ケース掃除を終えました。あまりの手際の良さと、3人のチームワークに思わず感嘆の声がもれてしまうほどでした。実は、A君とB君は日頃からあおむしの掃除をしていると、「(あおむしの糞を指さして)これなに?」「なんでやってるの?」といろいろと質問しながら、よく観察している2人です。いつも大人が掃除している様子をよく見ていて、その手順通りに進めていたことに驚くと同時に、日常生活の中で子どもたちが“見て学ぶ”力の大きさを実感した出来事でした。
掃除や洗濯、畑仕事、買い物等々、日常生活の中で子どもたちが私たち大人の姿を見て興味をもち、やってみたい!真似してみたい!と学びへつながる機会はたくさんあります。私たち大人がやってしまえば簡単なこと、すぐに終わることであっても、子どもたちが目にできるよう環境を整え、子どもたちの「なんだろう!」「やってみたい!」という意欲や興味関心へとつなげていけるように、日常の生活や日々の保育ひとつひとつを子どもたちと共に考えながら過ごしていきたいと思います。
園長 二村 郁枝
- 2024年5月9日
- 子どもたちとともにつくっていく保育
- 2024年4月2日
- ご入園ご進級おめでとうございます
- 2024年3月5日
- 神さまの愛、安心の中で
- 2024年2月5日
- “成長を共に喜ぶ”
- 2024年1月9日
- 直接的な経験・体験から主体的な学びへ
- 2023年12月4日
- 待つ喜び
- 2023年11月6日
- 「おひさまひろばを通してみえた子どもたちの成長」
- 2023年10月5日
- 保護者講演会より ~子どもの心と身体を守るために~
- 2023年9月6日
- 日々の保育・療育とつながる行事
- 2023年8月3日
- 自然にあたりまえにある生活の価値
- 2023年7月6日
- 地域と共に
- 2023年6月9日
- 豊かな自然体験を通して
- 2023年5月8日
- ともにつむぎだす
- 2023年4月6日
- ご入園ご進級おめでとうございます
- 2023年3月2日
- 与えられている賜物を信じて
- 2023年2月10日
- “心の理論”
- 2023年1月10日
- 新しい年を迎え気持ち新たに
- 2022年12月5日
- 保育の中での食事
- 2022年11月11日
- 大切なともだち
- 2022年10月8日
- 年長児と共に
- 2022年9月7日
- 神山潤氏の講演を前に ~自分にとっての「快」を知る~
- 2022年8月1日
- 夏本番
- 2022年7月1日
- 子どもたちの手作りカード
- 2022年6月2日
- 幼い頃の心に残るあそび体験
- 2022年5月9日
- 自然と共に
- 2022年4月7日
- 出会いの恵み
- 2022年3月14日
- こうのとり富丘の2021年度のあゆみ
- 2022年2月8日
- コロナ禍の中にあっても
- 2022年1月7日
- 新しい年を迎え気持ちも新たに
- 2021年12月3日
- クリスマスに向けて
- 2021年11月15日
- 家庭と園がつながり合って
- 2021年10月6日
- 秋の夜空
- 2021年9月10日
- 『おもちゃにも心がある』~子どものことばから~
- 2021年8月6日
- 尊厳に立ち返る
- 2021年7月2日
- “いのち”とふれ合って
- 2021年6月4日
- コロナ禍の中での保育への思い
- 2021年5月7日
- 新しい時代を生きる
- 2021年4月5日
- 保育の土台をつくる
- 2021年3月4日
- こうのとり富丘の第一回の卒園式
- 2021年2月8日
- 職員同士が「語り合う」ときを ~ひとりひとりを大切にする保育~
- 2021年1月8日
- 新しい年に 想いを新たに
- 2020年12月11日
- 感謝の思いをクリスマスに
- 2020年11月6日
- 多様な感情体験を通して
- 2020年10月17日
- 深まる秋を感じながら
- 2020年9月2日
- コロナ禍の中で“はじまりを創る”
- 2020年8月6日
- 複合施設だからできること
- 2020年7月3日
- 変わるものと変わらないもの
- 2020年6月12日
- つながりの中で
- 2020年5月11日
- みんなともだち
- 2020年4月20日
- 新しい出会いの中で