グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > 待つ喜び

待つ喜び

日に日に空気が冷たく感じられ、冬の訪れを感じられるようになりました。こども園では、アドベント期間に入り、クリスマスツリーにはリンゴや雪の結晶が少しずつ飾られ始めました。先日持ち帰っていただいた献金箱には、ご家庭でおうちの方と相談しながら、「お手伝いしてお金入れたよ!」と、この期間に自分たちにできることを考えながら、優しい温かい気持ちをためてくれている様子が聞かれ、ご家族皆様でご協力いただけていることに感謝いたします。
さて、クリスマスまでの約4週間は“アドベント(待降節)”といい、クリスマスを待つ準備期間として過ごします。『待つ』というと、皆さんはどのような気持ちを思い浮かべますか?待ち遠しくてソワソワしたり、楽しみでワクワクしたり、時には待ちきれなくてイライラしたりすることもあるかもしれません。
先日、さくら組(年長児)と一緒に給食を食べたときのことです。その日は食育のお弁当作りの日だったこともあり、2階のホールでシートを敷いてお弁当(給食をお弁当箱に自分たちで詰めました!)をいただきました。ごちそうさまをし周囲が片付けを始めた頃、フラフラっと立ち上がり行ったり来たりするA君に「お椀も片付けてね」と声をかけると、「今、やろうと思ってたの!」と怒られてしまいました。私自身、あまり待つことが得意ではないためついつい声をかけてしまったり、手を出したりしてしまいたくなることもあるのですが、この時の A君に対してもシートに置いてあった食器に気がいってしまい、A君のタイミングを待てずに声をかけてしまったことを反省しました。そして、先日、職員研修会(職員のクリスマスアドベント礼拝)で牧師先生がお話をしてくださった中で、「待つ」ことについて、子どもたちは待てば待った分だけ成長していく。そして、私たち大人はそんな子どもたちから、成長させてもらっている。というお言葉が思い浮かびました。
私たちの日常の中にも、「待つ」場面はたくさんあり、保育の中でも子どもたちが私たち保育者を待っていてくれること、そして私たち保育者が子どもたちのことを待つことも一日の中に何度もあります。‘誰か’や‘何か’を待つときに、本当に来るかどうかわからない、できるかどうかわからないことを「待つ」のは、不安だけが大きくなってしまいますが、必ず来てくれる、必ずできる、という信頼がある相手を「待つ」ときにはワクワクしたり、ドキドキしたり…。期待を持って楽しみに待てるのではないでしょうか。子どもたちが大好きなおうちの方のお迎えを園で安心して楽しみに「待って」いられるのも、保護者の方との信頼関係が築かれているからこそですね。私たち大人も子どもの育ちを楽しみに待てるよう、子どもの力・成長を信じることを大切にしていきたいものです。
アドベント期間に入り、今年度も保育室からはクリスマスの歌や、ページェント(降誕劇)ごっこを楽しむ子どもたちの声が聞こえ始めました。こうのとり富丘のページェントは天地創造から始まります。救い主の誕生を待ち望んだ苦しい時代。その中で、神さまが私たちにしてくださった「救い主をおくってくださる」という約束が未来への希望となり、その約束を信じて期待して長い間待ち続けていました。そして、長い間、待って待って与えられた喜びだからこそ、本当の喜びとしてイエス様のお誕生をお祝いする日となりました。私たちもこのアドベント期間を、子どもたちと、そして保護者の皆様と共に『待つ』ことを大切にしながらワクワクした気持ちで過ごし、クリスマスを迎える喜びを分かち合いたいと思います。
園長 二村郁枝