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日々の保育・療育とつながる行事

時折吹く風や虫の声に、ふと秋の気配が感じられる今日この頃ですが、日中は日差しも強くまだまだ暑い日が続いています。夏季特別保育期間・夏季休業におきましては、家庭保育のご協力をありがとうございました。プールや花火、川遊びなど…、お休み明けにはたくさんのおみやげ話を聞かせてくれた子どもたち。今年の夏は久しぶりに規制なく、思い切り夏の醍醐味を味わうことができたのではないでしょうか。
8月5日(土)には、こうのとり富丘の夕涼み会が行われました。その翌週、もみじ組(3歳児)へ行った時のことです。いつもはおままごとコーナーのベッドに寝かせている赤ちゃんの人形2体が床に寝かされていました。不思議に思い、その場にいたA君に「赤ちゃんのベッドはどこにいったの?」と尋ねると、「ここにあるよ!」と教えてくれた先に『ままごと用ベッドに牛乳パックで作った台が乗せてある“何か”』が置いてありました。(赤ちゃんのベッドなのに…)と思いましたが、A君のあまりにも嬉しそうな、生き生きとした表情に言葉を飲み込み、その場にいた担任に確認してみると、「夕涼み会の時の太鼓なんです。自分たちで作って、おまつりごっこを楽しんでいるんです。」と子どもたちの遊びを教えてくれました。
今年の夕涼み会は、これまでのような感染対策に対する制限がなくなってから初めて行われる施設全体の大きな行事でしたので、開催にあたり、改めて行事をどのように行っていくか、感染対策をどうするか等、職員間だけではなく、子どもたちや保護者会役員の方とも検討を重ねました。こども園幼児クラスでは、子どもたちと「どんなお店があるといいかな?どんな雰囲気の夕涼み会がいいかな?」と話し合いをし、一緒にわくわくする夕涼み会を考えて準備を進めてきましたが、その中で、今年度は『丸くなって踊りたい!』というみんなの強い思いから、開園後初めてやぐらを立てて、和太鼓に合わせて納涼踊りを行うことができました。当日は、2階北側の円形テラスで、こども園とかるみあの子どもたちが一緒に納涼踊りを楽しむことができ、全身に響く太鼓の音に大人も子どもも一体となって楽しむ姿が印象的で、子どもたちも、また、保護者の方からも『やぐらと太鼓が素敵でした!』と多くの声をいただき、心に残る体験となったことを嬉しく思います。
園での行事では、どの行事でも『子どもたち一人一人がそれぞれの年齢発達に合わせて心から楽しめる経験となってほしい』という願いをもって計画します。そして、行事に向けての準備や日々の保育・療育を通してわくわくする気持ちを膨らませていくことで、当日の楽しさが何倍にもなり、より豊かな経験となります。また当日だけで終わってしまうのではなく、楽しかった気持ちをその後にもつなげていってあげることで、興味の幅が広がり、また次の遊びへの意欲へとつながってほしいと考えます。夕涼み会についても、それぞれのクラスに応じて、改めて子どもたちの興味や年齢発達に合った内容(お店の種類や時間、踊り、場所等)で計画することや、夕涼み会当日だけではなく日常の保育・療育とのつながりを意識することを大切に、準備を進めてきました。0.1歳児の夕涼み会では、遊び慣れているこども園の2階を会場とし、安心できる人(職員)や場所を大切に計画し、準備を進めました。当日は、最初いつもと違う様子に戸惑いを見せる子もいましたが、日ごろ関わっている担任や知っている場所に気づいて遊び始める姿があり、アンケートからも『最初は緊張していた様子でしたが、先生たちの笑顔に安心して楽しめたようです。』と、いつも過ごしている場所で、保護者の方と一緒に安心して楽しめた様子がうかがえ嬉しく思います。
また、全体の保護者アンケートから、『すべてのものが楽しくて、「あれやりたい!これも!」と出てくる言葉もわくわくいっぱいの言葉でした。そんな姿を一緒に体験できて私(母)もとても幸せな時間でした』『子どもたちが楽しんでいる様子を見られることは親にとって幸せですね。』と保護者の方も子どもたちと一緒に夕涼み会を楽しんでくださったことがうかがえました。大好きな保護者の方と一緒に楽しい時間を共有できたことで、より特別な時間となったのではないでしょうか。
最後に、夕涼み会当日は保護者会役員の方も浴衣でお手伝いしてくださり、職員と一緒に夕涼み会の雰囲気を一層盛り上げてくださいました。準備から片付けまでご協力いただきましたことに、感謝申し上げます。今後も、日々の保育・療育とのつながりを大切にしながら、ひとつひとつの行事が子どもたちにとって豊かな経験となるように、子どもたちと保護者の皆様と園とで『聖隷こうのとり富丘らしい行事』を作り上げていきたいと思います。
園長 二村郁枝