蒸し暑い日が続いていますが、子どもたちは汗をいっぱいかきながらも夢中になって様々な遊びを楽しんでいます。こども園では5月末に夏のあそび開きをしました。泥んこや水遊び、色水、フィンガーペインティング、プール遊びなど…全身を使ってダイナミックに遊んだり、氷や小麦粉粘土など感触を楽しみながら不思議さや心地よさを感じたりと、年齢発達に合わせて様々な遊びを経験しています。これから更に暑くなることも予想されていますが、引き続き夏ならではの遊びや体験が十分できるよう、日々の天候や暑さ指数を見ながら、子どもたちと一緒に考え過ごしていきたいと思います。
さて、先日『第18回 聖隷保育学会』が開催され、こども園の職員も参加し学びの時をもつことができました。土曜保育の家庭保育協力をありがとうございました。聖隷こども園こうのとり富丘では、「保育の中での運動遊び」をテーマに研究を行い、その中で1歳児クラスのネット遊具あそびでの気づきから、保育の中で取り組んできたことを例に挙げて発表をしました。一部をご紹介します。
『歩行が安定し、走る、跳ぶ、のぼる、おりる等ができるようになり、体を活発に動かす遊びを好むようになってくる1歳児クラスの子どもたちですが、たんぽぽ組でもソファや棚など、高いところに登りたい姿が見られます。その姿から、ネット遊具あそびで子どものたちの『登りたい』意欲を満たしながら、運動発達を促していきたいと考え意識的に保育の中に取り入れてみました。実際に子どもたちがネット遊具を登っている様子をみると、足の指を上手にひっかけながら登っている子や、腕の力だけで登ろうとする子など、一人ひとり体の使い方が違うことに気がつきました。肋木を登る様子では、高いところまで登ることで達成感を感じてほしいと思っていた職員の思いに反し、友達と一緒に1段登って“にっこり”嬉しそうな姿。職員の「できたね!」「すごいね!」の声掛けに、周りで見ていた子が『私も~』と挑戦して登り始める姿もみられました。この姿から、1歳児では、様々な遊びをする中で味わう達成感や楽しい気持ち、うまくいかないもどかしさも大人が共感していくことで運動への意欲や運動発達に繋がっていくことを改めて感じました。』
乳幼児期の“運動”は遊びを通して体を動かす体験が中心となってきます。今回、1歳児クラスでは、一人一人の「できた!」に共感してくれる友達や大人がいたことで、子どもたちの『もっとやってみたい!』につながっていきました。遊びの中で、それぞれの発達段階に必要な動きを繰り返すことで、子どもたちは体の動かし方やバランスのとり方を習得していきます。ハイハイから伝い歩き、そして歩行、走る…。と私たちが当たり前にしている動作は、遊びの中で繰り返すことで安定していきます。
これから暑さで外へ出られない日も増えてくることが予想されますが、施設内のネット遊具やホール、活動室など体を動かせる環境を活かして年齢発達に合わせた環境を整えることで、引き続き体を動かす楽しさを感じる経験を大切にしていきたいと思います。
園長 二村 郁枝