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「おひさまひろばを通してみえた子どもたちの成長」

秋が深まり、どんぐりや綺麗な落ち葉など「自然の贈り物」が子どもたちを楽しませてくれています。たんぽぽ組(1歳児)、れんげ組(2歳児)の子どもたちはひとりひとり自分のお散歩バックをもって出かけるのがうれしくて仕方ないようで、肩にかけたお散歩バックの紐を握りしめながら、「いってきます!」と笑顔で手を振る姿が見られます。4月の頃は職員に抱っこされたりお散歩カーに乗ったりしながらのお散歩も多かったですが、友達と手をつないで歩く姿に成長を感じます。
 さて、10月28日(土)には、もみじ組(年少)、いちょう組・さくら組(年中・年長)対象のおひさまひろばが開催されました。当日はどの子もとてもいい表情をしていて、自分の持てる力を発揮して楽しめたことが伺えました。保護者の皆様、当日のご参加及び家庭保育へのご協力をありがとうございました。
4.5歳児サーキットでは、体操教室でも取り組んでいる鉄棒や跳び箱を組み込みました。当日飛ぶ段数は、日頃の取り組みから子どもたちが自分で何段に挑戦するかを決めて、目標をもって練習しました。「4段にする」と決めた5歳児Aちゃん。練習では何度挑戦してもお尻がついてしまってなかなか飛ぶことができませんでしたが、それでも「絶対4段を跳びたい!」と自分で決めた目標に向かって一生懸命取り組む姿に、身体の成長だけではなく、心の成長が感じられました。また、さくら組(年長)リレーではチームのメンバーと作戦会議をしながら、どうしたら速く走れるのかを何度も話し合い、走る順番を何度も入れ替えて練習を行ってきました。「バトンを渡すとき・もらうときは、もらう人が“ここ!”って教えればいいんじゃない?」「どっちの手(でもらうの)がいいかな?」等、実際に走って練習する時間の何倍も作戦会議に時間を費やし、試行錯誤しながら勝つための話し合いを行ってきました。
おひさまひろばが近づいてくるとどのチームもさらに気合が入ります。aチームのAちゃんは、何度も走ってみる中で「私は走るのは早くないけど、バトンを渡すのが上手だから2番目か3番目に走りたい。」と作戦会議の中で話しをしました。その提案を受け入れたaチームメンバー。アンカーはチームで一番速いとみんなに認められているB君に託すことにしました。また、bチームはどのチームよりも勝ちたい気持ちが前面に出ていて、一度最下位になった際には全員が声をあげて泣き、その悔しさをきっかけに、当日までの意気込みが更に増したように感じます。Cチームはどの子も自分の役割をしっかりと果たし、着実にバトンをつなぎます。リレーで負けそうになった時に、Cちゃんが途中で投げ出してしまったバトンを次の走者のD君が拾いに行き、涙をこらえてゴールまでつないだ姿はとても印象的でした。内に秘めた闘志はどのチームよりも熱く燃えていることを感じました。どのチームも本気で取り組んだからこそ、当日勝ったチームの喜び、負けたチームの悔しさにも表れ、様々な感情体験につながったのだと思います。
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」のひとつに『協同性』があります。保育の中で育みたい『協同性』とは、「友達と関わる中で、お互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。(幼保連携型認定こども園 教育・保育要領より)」と記されています。さくら組の子どもたちは、まさにチームが勝つために、どうしたらよいかを考えあい、お互いの意見を受け入れ、試行錯誤し、チーム一丸となって協力して取り組んでいる姿が感じられました。時には思い通りにいかなくてぶつかり合ったり、勝てなくて悔しかったり、途中でバトンを投げて全身で悔しさを表す姿も...。それでもチームメンバーと一緒に取り組む中で、作戦を立てているときの楽しさや、意見を受け入れてもらえた嬉しさ、そして勝てた時の喜びは何事にもかえられない貴重な体験となったことと思います。“チームが勝つため”に一生懸命取り組んできた子どもたちですので、その分、負けたときの悔しい気持ちは人一倍大きいことと思います。全員を勝たせてあげたい気持ちはありますが、勝敗がつくからこそ頑張ってきた子どもたちです。共通の目的をもって、一人一人の良さを生かしながら、当日ゴールまでバトンをつなげたさくら組の子どもたち。私たち大人は一緒に喜び、労い、結果だけではなく取り組んできた過程に目を向けてあげることで、より子どもたちの感じた充実感や達成感を意味のあるものにしてあげられることと思います。今後も保育の中で継続してリレーやダンスを楽しんでいきますが、子どもたち一人一人が自分の良さを発揮し、友達と一緒に取り組む楽しさを引き続き感じてほしいと思います。
園長 二村郁枝