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保育の中での食事

12月に入りました。クランツやリースを準備し、クリスマスツリーにはリンゴや雪の結晶等が少しずつ飾られていきます。そして、子どもたちは日ごとに飾られていくアドベントカレンダーを見ながらクリスマスが近づいてくるのを楽しみに待っています。年長児のA子さんは散歩に行った時に拾った落ち葉とどんぐりで、小さな小さなマリアさんとヨセフさんとイエス様を作り、玄関に飾りました。ミニブロックでツリーやろうそくの灯を作って置いてくれた子もいます。正面の靴箱の上の羊がいるところに飾られています。
イエス様のお生まれを楽しみに待ち、このアドベントの期間に子どもたちと一緒に、私たちもイエス様を迎える心の準備をしたいと思います。持ち帰った献金箱には、この期間に子どもたちにできることを家族も一緒に考えながら、温かい気持ちを入れていただけたら幸いです。ご家族皆様でご協力をよろしくお願い致します。

さて、年長組は田植えから始まり、稲刈り、牛乳パックを使っての脱穀、すり鉢とソフトボールでもみすり、
そして先日、ガラス鍋でお米を炊きました。以下は小倉管理栄養士の食育実践記録です。
鍋を火にかけてからは、順番に鍋の傍に来て観察してもらった。火をつける前、火をつけてしばらくして泡
でいっぱいになる様子、蓋から噴きこぼれる様子など、普段は見えないものが見られることで、とても興味があるようだった。噴きこぼれるところでは、一番盛り上がって「爆発した」「鍋が割れちゃう?」「オーバーフ
ローした」などと話していた。水が無くなってお米が増えたように見えると、「お米が吸った」「お米の下に入った」という子もいた。いい匂いに早い時間から「お腹すいた~」の声があがった。                                                       「炊きあがりはご飯が教えてくれるんだよ」と話して、鍋へ耳を傾け聞く姿をすると、不思議そうな顔をする子、「うそ~」という子、「やってみたい」と話す子、いろいろな反応をみせてくれた。
火を止めてから、やりたい子だけお話しタイムを設けた。(子どもがお鍋やお米と会話した一部です)
「おなべさん おなべさん、あつくない?」「あついって・・・」、
「おなべさん おなべさん、おもくない?」「おこめがおもいって・・・」
「おこめさん おこめさん、おなかすいてない?」「おみずをすっておなかいっぱいだって・・・」
           そして、ご飯が炊けたところで、それぞれの思いでお弁当作りを楽しみました。
炊き立てのご飯の美味しいにおいが私の所にも届きました。「美味しさを感じることが体と心の健康につながる」この言葉は、食育について詳しく研究を重ねている野口孝則博士の言葉です。食べることが大好きな私にとって興味深い研究です。さらに“「食事への向き合い方」は人間の生き方の一つであり、生まれた日から最後の日まで命ある限り毎日欠かさず継続されるものだからこそ、人間形成に大きく関与する”と言われます。食育の「様々な経験」の代表例は、まさに毎日の食事なのです。コロナ渦であっても感染対策を施し、これからも子どもたちの成長をうながす食育の「様々な経験」となる「毎日の食事」を大切にしていきたいと考えています。

園長 永島弘美