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ともにつむぎだす

新年度がスタートして早くも1ヶ月が経ち、新緑の若葉にすがすがしさを感じる季節となりました。
 新しいクラスでの生活にも少しずつ慣れ始め、日中は思い思いの場所で、じっくりと好きな遊びに取り組む姿が見られます。0歳児クラスに立ち寄ったときのことです。4月に入園したAちゃん。新しい環境にも慣れはじめて保育室を探索中、おもちゃを見つけて手に取りました。そこでふっと目が合い、にこっと笑いかけてくれたので声をかけて近づこうとしたところ、くるっと向きを変えて担任(担当)の先生の方へハイハイで戻っていきました。入園して1ヶ月、初めは泣けてしまう時間もあったAちゃんですが、しっかりと職員との信頼関係が築かれ始めていることを感じ嬉しく思います。「知らない大人」から、「傍にいてくれて安心できる存在」に。こうした身近な大人との信頼関係「安心基地」が築かれることで、この安心基地を拠点に活動の範囲が広がり、いろいろなことに挑戦したり、探索を心から楽しんだりすることができるようになります。お子様一人ひとりのこれからの成長を楽しみに、保護者の皆さまともこうした日々の姿を共有していけたらと思います。
さて、令和5年度の保育が始まり1ヶ月経ったところで、職員間で改めて「子ども」「保護者の方」「職員」にとってどのような園にしていきたいかを話し合う時間をもちました。『一人一人の思いが受け止められ、自分を見てくれている、話を聞いてくれる安心感が得られるように。また、そういう存在がいる園でありたい。』『人と人とのつながりができているあったかい園でありたい』『まずは挨拶を大事にしたい』『ホッとできる場所でありたい。おたよりだけでなく、直接子どもの姿を共有しながらありのままの姿を受け入れられる場所でありたい』等の思いを共有することができました。
4月は、子どもも、大人も、誰もが新しい出会いの中で新しい生活がスタートしています。日々過ごす中で、共有したい子どもの姿や成長、また不安や疑問等があった方もいらっしゃると思います。保育では、子どもたちと話をしたり、遊んだり、生活をしたりする中で、できるだけ丁寧にたくさん関わり、一緒の時間を過ごしていくことでまずはお互いを知るよう努めています。子どもたちにとって安心して自己発揮できる場所となるように、また保護者の皆さまにとっても安心して預けていただけるように、関心を向け、対話を大切にしながら、これからも共にお子様の成長に関わらせていただきたいと思います。

さて、聖隷こうのとり富丘では、今年度も職員の“ワーキンググループ”での取り組みが始まりました。このワーキンググループは「こども園・かるみあ・訪問看護ステーション」の職員同士のつながりから、子どもたち・利用者様へと関わり(つながり)を広げていきたいという思いから発足した、3事業の職員(他職種)混合グループでの取り組みです。
昨年度(2022年度)5月の園だよりにて、子どもたち(こども園・かるみあ)で製作したものをカードにし、訪問看護の利用者様へ誕生カードとして届けてもらう取り組みの紹介をしました。昨年度は年間通して60名ほどの誕生カードづくりに関わることができ、利用者様の嬉しそうな笑顔と共に届けた時の様子を訪問看護職員から聞く機会も設けることができました。また、夏の時期には、ある訪問看護利用者様より、セミの抜け殻をたくさんいただき、大興奮の様子(写真)と共に、喜び・感謝のメッセージを子どもたちから送ったところ、入院先の病院にまでもっていって最後まで枕元に飾るくらい喜んでくださったとのお話を伺うことができました。実際に会うことは叶わず職員を介しての関わりでしたが、お互いにつながり合うことができた貴重な体験となりました。
今年度は『地域交流』『行事』『園内交流』『カードづくり』『まなぼう会』『お仕事探検』の6グループが
それぞれの事業所、また職員一人一人の特性を生かしながら年間の計画を立て、昨年度に引き続いて、施設の職員が心を合わせ、力を合わせて、子どもたち・利用者様の保育・療育・看護につなげられるよう努めます。
2023年度のキリスト教保育年主題は『ともにつむぎだす~希望の中で~』です。『「ともにつむぎだすこと」つまり「組み合わされて成長」が目指されています。(キリスト教保育2023年4月号より)』とありますように、神さまと人との縦の関係とあわせて、人と人の横の関係(子ども・利用者・保護者・職員)をしっかりとつないでいくことで、聖隷こうのとり富丘としての保育・療育・看護をつむいでいきたいと思います。
園長 二村郁枝