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ホーム  > 園長コラム  > 保護者講演会より ~子どもの心と身体を守るために~

保護者講演会より ~子どもの心と身体を守るために~

晴れやかな秋空が広がる季節となりました。厳しい夏の暑さが和らぎ、子どもたちは園庭で虫探しをしたり、遊歩道へお散歩に出かけてドングリや松ぼっくりを袋いっぱい拾ってきたりと秋ならではの発見を楽しんでいます。さて、今年も敬老の日に、園から祖父母の方へお手紙(ハガキ)を送らせていただきました。ハガキは子どもたち一人一人がそれぞれ大好きなおじいちゃんおばあちゃんに届くように思いを込めてポストに投函しました。後日、ハガキを受け取られた祖父母の方々より園にお礼のお葉書をいただき、実際にお会いすることが難しい遠方の方ともこうしてつながっていられること、また、改めてご家族に愛されている大切なお子様をお預かりし、共に育ちに関わらせていただいていることを感じ嬉しく思います。
 さて、9月2日(土)にはフリー保健師、性教育トレーナーの佐々木睦美先生をお招きし、『親が知っておきたい子どもの身体と性』のテーマで保護者講演会を実施することができました。令和2年度6月に策定された「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を踏まえ、文部科学省でも子どもたちを 性犯罪・性暴力の「被害者にしないこと」「加害者にしないこと」「傍観者にしないこと」を目標に、「生命(いのち)の安全教育」が推奨されています。また、保護者の方からもご要望をいただいており、ご家庭と施設とで共に学び、考える機会とできるようお話しいただける機会を設けました。講演会でお話しいただいた内容の一部をご報告いたします。
 講演会では、最初に佐々木先生より「体は誰のものだと思いますか?」という問いかけがありました。そして次に、「では、“赤ちゃん”の体は誰のもの?」と質問されました。お世話をするお母さんでしょうか?それとも…?佐々木先生は小学校や中学校でも講演をされているそうですが、この問いかけには小学生・中学生は少し考える姿があるようです。“私”も“赤ちゃん”も、『私の体は私のもの。僕の体は僕のとっても大切なもの』です。その、自分自身の大切な体と心を守るために性教育が必要であり、生まれた時から始まっています。佐々木先生は、性教育を行う目的を①自分の体と心を守るため ②自分を大切・好きと思う気持ちを育てるため(自尊感情や自己肯定感を育む) ③幸せに生きるため(自分の生き方を選択する)とお話しくださいました。自分の身体を守るために「大切な自分の体に誰かが嫌なことをしてきたら、「イヤ」と感じていい「イヤ」と言っていいんだよ」ということを子どもたちに伝えていくことが大切になってきます。私たちの大切な体の中で『特別に大切な自分だけの場所』として、プライベートゾーンのお話もしてくださいました。
講演会後、こども園では懇談会の中でディスカッションを行い、日ごろなかなか人に聞けない疑問や悩みを共有したり、講師の佐々木先生に直接質問をしてお答えいただく時間を設けることができました。アンケートでもたくさんの感想や質問をいただき、保護者の方と共に考える時間をもてたことに感謝いたします。アンケートでいただいた感想や質問、講師の先生からのご返答は、改めて保護者の皆様にお返しいたします。たくさんのご参加ありがとうございました。
さて、こども園には保育・教育目標の一つに「愛されて、愛する心を知り、お互いが大切な存在であることを知る」があります。今回の講演会でお話しいただいた子どもたちへ伝えていきたいことや、こども園、かるみあとして日々の保育・療育の中で大切にしていることは、まさしく『生命(いのち)の安全教育』につながっていることを改めて実感いたしました。実際に日々の保育・療育の中でも、おむつ替えや着替えの際の配慮等、取り組んでいることがたくさんあります。また、こども園では今年度から身体測定を年4回の実施にし、保育活動の中で子どもたちと一緒に身体の育ちを実感できる時間となるよう大切にしています。身体測定を行う安静室には動物の身長の目安をイラストで掲示してあり、身長を計った後にその横に並びながら「おうさまぺんぎんになった(90㎝)!もうすぐぶた(100㎝)とおなじくらいだぁ!」(3歳児)と嬉しそうに自分の体の成長を友達と共有している姿も見られます。
今後も、子どもたち一人一人が大切な存在であること、また、同じように周りの人たちも神様に愛されている大切な存在であることを実感できるよう、ご家庭と園とで子どもたち一人一人の“心と身体を守るため”に大切にしていきたいことを共に考えて、取り組んでいきたいと思います。
園長 二村 郁枝