晴れたり雨が降ったり、天気の移り変わりが多いこの時期ですが、雨上がりには園庭に出て虫探しに熱中している子どもたちです。大人にとっては少し憂鬱な雨でも、子どもたちにとっては雨の日ならではの発見がたくさんあり、わくわくがあふれています。5月にはこども園の親子遠足や、かるみあの親子遊び、パパの会(仮)やよりみちサークル等、保育へ参加していただいたり、保護者の方同士でお話ししていただいたりする機会がたくさんありました。お忙しい中ご参加くださり、ありがとうございました。
さて、新しいクラスになり2ヶ月が経ち、どのクラスからも元気な声が聞こえてくるようになりました。お友達や保育者にも慣れてきて自分の思いを出せるようになり、時には意見のぶつかり合いが見られることもあります。
先日、さくら組(年長児)の保育室前を通った時に、部屋の入り口でA君とB君がにらみ合っていました。何やら揉めているようでしたので、近づいて「困っていることある?」と声をかけると、A君が「うん、大丈夫。B君と話しするから。」と頼もしい応え。B君にも確認すると、「話できる。」としっかりとした返事が返ってきたためA君B君を信じてその場を離れました。(担任に伝え、こっそり様子を見守ってもらいました。)少ししてから保育室に様子を見に行くと、何事もなかったように一緒に遊ぶA君とB君の姿。「お話しできた?」とB君に聞くと「うん!」とすっきりした顔で返事が返ってきました。トラブルになりそうだなと間に入ろうかとも思いましたが、自分たちでしっかりと関係を築いていける子どもたちの力を改めて感じた出来事でした。
周囲とのつながりが生まれると、お互いに興味を持って関わり始め、一緒に遊んだり、生活したりと一人で遊んでいたころよりも世界が広がり、楽しいことやうれしいことを共感する喜びを感じます。ですが、同時に自分と違う相手の思いに気づき、意見のぶつかり合いが起こることもあります。この意見のぶつかり合いが子どもたち同士(友達)のかかわりの中で起こり、「トラブル」となってしまうと大人はどうしても避けたくなりますね。まだ言葉で自分の思いを上手に伝えられない子は泣いて訴えたり、時には噛んだり、ひっかいたりするなど体全体を使って、何とか自分の思いを相手に伝えようとすることもあります。「お友達と仲良く遊んでほしい」「お友達に優しくしてほしい」という大人の願いもあるかと思いますが、子どもたちはこうしたぶつかり合いを経て、自分の気持ちや相手の気持ちに触れることができます。園では、大人の見守りの中でこのような経験を積み重ねることで、お互いを認め合い、尊重しあえる“仲間”の関係が築かれていく機会を大切にしていきたいと思います。これから、より一層子どもたち同士の関りが増えてきます。子どもたち同士の育ち合う力を信じ支えていけるよう見守っていきたいと思います。
園長 二村 郁恵