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直接的な経験・体験から主体的な学びへ

新年 明けましておめでとうございます
新しい年が皆様にとって実りある豊かな一年となりますようにお祈り申し上げます

 年末年始のお休みが明け、子どもたちが元気な笑顔で登園してきてくれました。新しい年を迎えた喜びと同時に、元旦には石川県能登半島にて震度7を観測した大きな地震が発生し、家族で過ごす温かいお正月が一変したことと思います。地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。そして、今も続く余震の中で、懸命に救助に当たられている方、大きな不安の中で避難をされている方々が一日でも早く安心して過ごせるようお祈りし、希望のもてる年になることを願うばかりです。
 さて、聖隷こうのとり富丘では、今年も職員一同、一人ひとりと丁寧に関わりながら、子どもたちの未来につながる“今”を大切に考え、年齢発達にあった経験や体験ができるよう日々の保育・療育・教育の充実を目指していきたいと思います。
子どもたちの直接的な体験の大切さについて、先日参加した施設長研修内の「実践から見る園小接続~持続可能な社会の作り手を育む~(講師:田宮 縁氏)」という講演の中でもお話がありましたので、一部をご紹介します。『幼児期は自分が経験したことと結び付けて考えていくため、言葉で聞くだけではなく、子ども自身が感じたことが大きな意味をもつ。学びに向けて一歩踏み出すきっかけは、幼児期の楽しかった経験を通して「それ知ってる!」「楽しかった!」という情緒的なもの〔共感〕から始まる。』このように、幼児期の楽しかった体験から学校教育での学び(知識)へとつながり、主体的・対話的で深い学びへ向かう姿勢へとつながっていくというお話でした。1月に予定しているもちつきでは、さくら組・そら組・にじ組の年長児がお餅つきを体験します。そして、小さいクラスの子どもたちもテラスや園庭に集って杵と臼でお餅をつく様子を間近で見ながら、力強くお餅をつくダイナミックな動きや音、蒸したお米の匂い、立ち上る湯気、みんなで「よいしょ!」と応援する掛け声や一体感等、全身でお餅つきの迫力を感じます。「お米」が「おもち」へと姿をかえる瞬間を間近で見ながら、幼児クラスでは、つく前の「蒸したもち米」を試食したり、つきたてのおもちの温かさや柔らかさを袋の上から触ってみたりすることで、味覚・嗅覚・触覚でもお餅つきを楽しみます。安全面、衛生面からおもちを給食で提供することはできませんが、家庭や地域でおもちつきを体験する機会が少なくなっている今、伝統文化の経験として、また、五感を使った体験として子どもたちの豊かな経験へとつなげていきたいと考えています。このおもちつきの経験が、どのようにクラスごとの日常の保育・療育とつながっていくか、とても楽しみです。そして、今年は園での経験をご家庭にもつなげていけるよう検討をしています。園だからこそできる経験を、友達と、職員と、そして保護者の皆様と共に楽しみ、様々な経験・体験を通して、子どもたちの「それ知ってる!」「見たことある!」という共感から、「おもしろそう!」「やってみたい!」という意欲へとつないでいけるよう、子どもたちの育ちを共に支え、喜び合っていきたいと思います。本年も、どうぞ、よろしくお願いいたします。
園長 二村 郁枝