グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 園長コラム  > コロナ禍の中での保育への思い

コロナ禍の中での保育への思い

梅雨の時期を迎えました。
3歳児(もみじ組)の子どもたちが園庭のじゃがいも掘りに挑戦。グランド・ペチカという名前のじゃがいもで、赤身をおびた皮と黄色の粘り気のある肉質で、栄養価も高いようです。こふき芋にして美味しそうに、ほうばっていた子どもたちでした。6月は水遊びも始まります。大切な水の資源を使わせていただくことを神様に感謝しつつ、子どもたちの健やかな成長を祈り、豊かな教育・保育そして療育につなげていきたいと思います。

コロナ禍の中で2021年度が始まり、落ち着きを見せてくれるかとの期待は裏切られ、磐田市でも5月に入り、感染者数が倍増した週もありました。保護者の皆様にも、感染症の予防の徹底や対策のために仕事の調整をしていただく日々が続いています。先日、保護者の方とお話させていただいたところ、発熱後も風邪症状で登園することができず、続けて仕事をお休みされたと話されました。頼れるところも少ない方にとっては、保護者の方が、板挟みになっていることを改めて痛感しました。病児保育を行っている病院もいっぱいで申し込みができなかったこともお聞きしています。そんな状況下にあることを私たちは知り得ても力になれないことを歯痒くも感じています。
新型コロナウィルス感染症が爆発的な流行となり、私たちは、子どもたちの命を守らなければいけない、感染者がでたとしても、広げてはならないことを常に念頭に置き、定期的に感染委員会を開いています。加えて、緊急感染委員会も立ち上げ、産業医や嘱託医とも連携して地域の感染状況を視野に入れ、園内の感染対策を続けています。例えば、換気ひとつとっても、窓を開ければ有効というわけではなく、二酸化炭素濃度を測り、換気状況を一部屋ずつチェックしていただき、最も効果的な換気方法を取り入れています。
『日本は最低限の社会活動以外を一時的に止めた多くの国と異なり、市民の自主的な「自粛」に任せました。保育施設は、昨年春からずっとほぼ開所。「開所する価値」が「正体不明なウィルスのリスク」を上回ると判断したわけです。』これは、厚生労働省の教育・保育施設等の事故防止のためのガイドライン委員でもある心理学博士からのメッセージの一節です。私たちは、開所している中で、感染させませんと言い切ることはできません。専門家の方々の力を借り、看護師や保育士の専門性を活かし、コロナ禍の中を乗り切っていきたいと考えています。
一方で、私たちが大切にしている保育は、意識的に異年齢で関わりを持てる機会を増やし、障がいのあるないに関わらず、互いの違いを認め合いながら、生活することです。園は、友だちと関わり合って、生活する場なので感染リスクをゼロにすることは不可能なのです。
感染予防や感染対策には保護者の皆様の協力が不可欠です。園と家庭が連携し、一体となり、引き続き、感染予防に努めていきましょう。コロナ禍の中にあっても、私たちは、神様の愛の御手の中で、災いがもたらされている時も、神様の守りの中にあることを信じて、歩みをすすめたいと思います。

聖隷こうのとり富丘 園長 永島 弘美