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こどものつぶやきを聴く

園長 岡田絵里子
 
 日に日に日差しが強くなり、初夏の訪れとともに今年も梅雨の季節が近づいてきました。今年は例年になく、日常の生活でもマスクをすることが多くなりそうですので、いつも以上に熱中症には気をつけなくてはいけませんね。今まで経験したことがないようなことがとても多いのですが、情報だけに惑わされることなく、大切なことを見極めて子どもたちのことを中心に置きながら様々なことを考えていきたいと思います。
 5月下旬、ようやく全国で緊急事態宣言が解除となりましたが、だからといってすべてが今まで通りになるわけではありません。「三密」を避けることはこども園では難しい部分もありますが、できる範囲での配慮はしていかなくてはいけないと思っています。行事については特に持ち方自体を考えて、子どもに経験させてあげたいこと、大事にしたいこと、縮小すべきことなど整理して考えています。例年通りにいかないことばかりだと思いますが、その都度一生懸命考えたいと思っています。そしてその時々で子どもが楽しめる経験ができるようにしていきたいと思いますので、今後ともご理解・ご協力をお願いいたします。またこの2か月は登園自粛の通知に対して多くのご家庭にご協力いただきましたこと感謝申し上げます。
さて、ようやく子どもたちがみんなそろい今まで以上に元気な声が聞こえてくるようになり、とても嬉しく思います。このような中で、子どもたち一人ひとりが何を思っているのかな?と意識しながら様子を見ていると発見がいっぱいでつい時間を忘れてしまいます。先日、2階のプレイホールでひよこ組とりす組の子が数人ずつ一緒に遊んでいた時のことです。入園したばかりのひよこ組のAちゃんが滑り台の下からハイハイで上手に登り、上で向きを変えて滑ることを繰り返していました。りす組のBちゃんはその滑り台を階段から登ろうと足をかけるのですが、Aちゃんが登ってくるので、階段を上がらず待っていてくれます。Aちゃんが向きを変えて滑っていくとBちゃんは階段を登ろうとしますが、Aちゃんは素早く登ってくるのでまたBちゃんは待っています。2~3回その繰り返し。でもBちゃんは強引に滑っていかずにAちゃんの動きに合わせて待っています。見ていた私は「Bちゃん待っていてくれてありがとう」と声をかけました。「うん」と頷くBちゃんはまた登ってきたAちゃんを見て、表情を変えることなく「また来ちゃった…」と一言つぶやきました。最終的には、滑り台ではなくほかの友だちが楽しそうに遊んでいたマットでの遊びにうつっていきました。私は、この時のBちゃんの表情から、気持ちを考えてみました。Bちゃんもまだりす組になったばかりです。今までだったらもしかしたら待ったり、我慢したりする必要はなかったかもしれません。でも、自分より小さいAちゃんの存在にしっかり気づいているのです。本当は滑りたいけれど「また来ちゃった…」と足を止める姿から、Bちゃんなりの思いが感じられます。日常の生活の中にはこのようなつぶやきが溢れていると思うのです。それをどれだけ逃さずに聴く(見る)ことができるでしょうか。子どもは小さくても本当によく考えて行動していることが分かる瞬間でした。そして、Bちゃんはお話が上手でしたが言葉で発することだけがつぶやきではないのです。その子の表情や行動から思いが伝わってくるものです。それと同じように、大人の表情や醸し出す雰囲気は子どもにとても伝わるものです。プラスの感情が伝わるだけでなくマイナスの感情も伝わってしまいます。子どもが全身で自分の気持ちを表現していることを十分に受け止め、私たちも豊かな表情でその思いに応えたいと思います。
これからは今まで自粛、縮小されていたことも少しずつ通常のように戻っていくことも多いかと思いますが、こども園は小さい子どもたちが集まる場所ですので、検温等の体調管理、消毒のご協力は引き続きお願いいたします。