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安心できる場所、存在

園長 加藤可織

 今年も正面玄関の防犯カメラの上にツバメが巣を作り、かわいい雛が顔をのぞかせてくれるようになりました。親鳥は周りの様子を見ながら、巣から飛び立ち、そしてしばらくすると戻ってきて雛に餌を運びます。登降園時にその様子を見ている親子の姿をよく見かけることがあります。「静かにね」「きたきた!(小さな声で)」等親子で会話をしている姿にほっこりとし、温かい気持ちになります。ツバメが巣を作ることは縁起がいいと言われています。毎年、同じ場所に巣を作るツバメ…わかばが居心地が良い、安心できる場所となっているのではと感じます。子どもたち、そして保護者の皆様にとっても安心できる場所でいつもありたいと思います。
先日は、雨のため、幼児クラスの親子遠足が中止となり、楽しみにしていた子どもたち、そして保護者の皆様にとっては残念な結果となってしまいました。数日前から、天気予報とにらめっこ…。当日朝の状況で中止と決めさせていただきましたが、保護者の皆様にはご理解をいただき、ありがとうございました。
さて、先日、「大人にこそ必要な“子ども力”&“遊び力”」という演題で富山イタズラ村・子ども遊ばせ隊早川隆志氏の講演会を聞く機会がありました。講演会の中では、講演だけではなく、実際に様々な遊びを楽しみながら行なわれ、気づくと私自身が夢中になって遊んでいました。実際に遊ぶことで楽しさ、夢中になる気持ちが分かり、子どもの遊ぶ仕草や言葉に共感することができます。そこで行なった遊びの一つに皿回しがありました。どうしたら皿を回せるか、上手くできない悔しさ、回したい、できるようになりたいという気持ち、そして、皿を回せた時の喜びは大人になっても嬉しいものでした。また、できるようになったことを誰かに見てもらいたく、「見て見て!」と周りの人に伝える自分はまるで子どものようでした。“子どもってこんな気持ちなんだろうな”と思う瞬間でもありました。子どもたちは遊びを通して様々なことを学びます。子どもたちが行なう遊びは大人にとっては意味のないものに見えたり、なんでそんなことするのかなと思うこともあるかもしれませんが、その遊びから子どもたちは体の動きを学んだり、心の動き(気持ちの変化)を知ることにもつながっているのだと思います。講演会の中では、「大人が遊ぶことで子どもは安心する」というお話もありました。子どもは大人の姿をよく見ており、ドロシー・ロー・ノルト博士の詩『子どもは大人の鏡』でも身近にいる大人を見て学習をすると言われています。大人が遊ぶ姿に「遊んでいいんだ」と思うとそれが安心感につながり、そしてやってみたいという興味関心にもつながるのだと考えます。
ふとした瞬間、子どもの目線になってみたり、子どもたちと一緒に夢中になって遊ぶことで見える景色の違いに気づくことがあるかもしれないですね。