有資格者インタビュー【小児】

INDEX

小児薬物療法認定薬剤師ってなに？

小児科領域において、医薬品に関わる専門的立場から医療チームの一員として、小児薬物療法に参画するための能力と適性を備え、さらに患児とその保護者等に対しても適切な指導および助言ができる薬剤師の養成を目的として、日本小児臨床薬理学会と日本薬剤師研修センターが平成24年度から創設した認定制度です。
小児の薬物治療は、小児の特性や病態に配慮した用量・剤形・投与経路を選択する必要があるため、認定薬剤師として医療チームの中で必要な情報や知識を共有し、他の医療スタッフに対して助言や提案を行う必要があります。
また、小児に用いる医薬品には使用方法に注意を要するものも多く、小児や保護者に対する服薬指導を通じて、医薬品の適正使用を啓蒙していくことも求められています。

他医療従事者へ情報共有

現場では、小児適応を持たない医薬品を投与しなければならない状況があります。
そのような時、海外で使用される薬用量などを参考に、他医療従事者へ医薬品の情報共有を行ったり、適した剤形がない場合は粉砕などの加工により内服が可能となるよう支援を行っています。

TDM

主に抗MRSA薬に関して、初回投与量の設定、継続中にはTDMを実施し安全かつ有効な薬物治療を提供出来るよう支援しています。

患児・その保護者への説明

患児の年齢に応じて、治療薬の説明（薬効、内服時間、副作用とその対処方法のアドバイス）を行い、患児も可能であれば治療に参画していただきます。
また保護者へは、薬物治療における注意点、薬剤の保管方法などもお伝えしています。
特に新生児のご家族に対しては、ご自宅での不安を軽減出来るように薬を飲ませるコツ、困ったときの対応なども指導しています。

院外調剤薬局との連携

入院中、流通の少ない薬剤を導入となった患児が退院する際、かかりつけの院外薬局へ次回外来までに薬剤の在庫確保を依頼をしています。
また、退院後フォローアップが必要な場合（例：喘息でステロイド吸入薬が導入となった時）には、院外薬局へ依頼しています。

知識向上、研究や学術活動

新しい医療情報収集や学会等へ積極的に参加し、知見を向上させるよう努力していきます。
また今後の小児医療の向上のため、治験・臨床研究に参加していきたいと考えています。

薬剤師教育

当院の小児領域に関わる認定資格を有していない薬剤師に対して、積極的に情報発信をおこなっています。

インタビュー

今の仕事内容は？
F4病棟（形成外科・耳鼻咽喉科・小児科）の病棟薬剤管理指導業務
院内の麻薬管理
なぜ資格を取ろうと？
担当病棟で小児の薬剤管理指導に携わっていたことや、自分も育児中であるため、小児の薬物療法に対する関心が大きくなったことがきっかけとなりました。
小児は、新生児から小児（15歳未満）まで、臓器の成熟・発達、体重など成長に伴い薬物動態も変化します。
また精神や知能も発達していきます。
小児の発達の段階で、適切な薬物治療が行なわれるよう支援することが出来たらと思い、資格取得を目指しました。
この仕事の魅力は？
かわいい子供達の笑顔がみられるようになる事。
仕事をしていて良かったと思うことはありますか？
同上
資格取得までにはどんな活動を？
外部で小児薬物療法について講義を行っていたことも資格取得を目指すきっかけになりました。
働いていて印象深い体験はありますか？
コートリル粉砕の処方が出た生後11日目の患児に、少量の水で溶解し飲ませた時、すごくまずそうな顔をしながら飲んでくれました。実際に、自分が粉砕したものを水に溶解し内服してみたところ、恐ろしく苦いことにビックリ！
水で溶解する方法を改め、単シロップに混ぜて飲ませる方法へ変更。苦味が緩和され、それほど嫌な顔をせず内服することが出来た
薬剤師として、薬の特性を理解せず飲ませてしまったことに反省した事例でした。
後輩へのメッセージはありますか？
自分の携わっている業務に興味を持てたなら、専門性を深めてみてはどうでしょう。