有資格者インタビュー【感染】
感染制御認定薬剤師ってなに?

病院内の感染対策チーム(ICT:Infection Control Team)および抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team) の一員として、院内感染防止対策と薬剤耐性(AMR: AntiMicrobial Resistance)に取り組みます。両チームは、院内で発生する様々な感染症から患者さまや職員の安全を守るために活動を行う組織です。薬剤師以外にも、医師や看護師、臨床検査技師などの職種が集まり、病院全体の感染対策と抗菌薬使用に従事します。
具体的には、抗菌薬や消毒薬などの適正使用の推進をはかるため、薬剤の管理や他職種に対する助言を行います。特にASTでは薬剤師が中心となって不適切な抗菌薬使用によるAMRの増加を防ぐため、特定抗菌薬の監視や細菌検査の実施状況に目を光らせています。また、抗菌薬の選択や用量についての相談を薬剤師のみならず診療科より受けて対応しています。
AST/ICT活動
届出対象薬投与患者や血液培養陽性患者の監視などから適切な抗菌薬の選択や用量調整が実施されているかを確認しています。不適切な使用例を把握した場合はチームのメンバーと共有し、問題点と適切な治療について検討し主治医へフィードバックを行っています。週1回はチームで各部署のラウンドと症例ラウンドを実施しています。
他施設との相互鑑査の実施
地域連携加算の一環としてチームに同行して加算1,2,3を取得している施設を訪問、あるいは来訪いただき相互チェックを実施しています。
知識のアップデートと共有
昔からある抗菌薬でも新たなエビデンスが創出されています。講習会や講演会などへの参加などで知識のアップデート行っています。TDMガイドラインなど薬剤師全体に影響がでる内容については全体で共有しボトムアップに努めています。
新しいメンバーの育成
若いメンバーをチームに加えOJTによる後輩の育成を行っています。
私の一日
| 8:10 | 出勤 |
|---|---|
| 8:30 | 朝礼 体調確認と当日業務内容、医薬品情報の共有をします。 |
| 8:45 | DI業務 医薬品情報の収集 問い合わせ対応 新薬のヒアリング |
| 12:30 | 昼食 |
| 13:30 | AST/ICT業務 届け対象薬使用患者の抽出 血液培養陽性例のチェック ICTラウンド症例のチェック ASTラウンド症例のピックアップ |
| 16:00 | AST/ICTラウンド 感染症専門医、ICN、検査技師と4職種で職場ラウンドとピックアップした症例についてディスカッション |
| 17:00 | ラウンド終了 ディスカッションした内容を主治医へフィードバック |
| 18:00 | 帰宅 |
インタビュー

今の仕事内容は?

日常業務の中では主に医薬品情報室、循環器・救急病棟を担当しています。これにプラスしてAST/ICTメンバーの一員として院内感染対策および抗菌薬適正使用支援についての活動を行っています。

なぜ資格を取ろうと?

学生時代の研究テーマが薬物動態に関することだったことから薬物動態に興味がありTDM対象薬で薬剤師が関わることが多い抗菌薬について関心を持ちました。また、職場に面倒見の良い認定薬剤師資格をもった先輩がいて指導してくれたことで資格取得を目指しました。

この仕事の魅力は?

医師は各診療科の専門領域は得意ですが意外と感染症のことは苦手な医師も多いです。そんな中で認定薬剤師として抗菌薬の選択や投与スケジュールあるいは検査の提案など治療に直接的に影響を与えるような介入を行うなどして、頼りにされること。

仕事をしていて良かったと思うことはありますか?

診療部から抗菌薬の選択について相談を受けたとき
後輩だけでなく先輩から抗菌薬について相談されるようになったとき
チームとして多職種でディスカッションができること
後輩だけでなく先輩から抗菌薬について相談されるようになったとき
チームとして多職種でディスカッションができること

資格取得までにはどんな活動を?

ST/ICTに所属し先輩やICDとともに症例を経験し知識の研鑽を行いました。資格要件として学会や講習会に参加して単位の取得や発表などをコツコツとこなしてきました。

働いていて印象深い体験はありますか?

初めてシミュレーションソフトを用いてVCMのTDMを実施した症例。自分の考えた提案に自信が持てず先輩に何度も相談して、ようやく医師へ提案できました。
この時の気持ちを忘れず後輩には指導するようにしています。
この時の気持ちを忘れず後輩には指導するようにしています。

後輩へのメッセージはありますか?

どんな領域でもいいので自分の好きなこと得意なことができると色々なものの見方が変わってきますよ。
同じ領域を担当している身近な先輩をどんどん頼ってください!
同じ領域を担当している身近な先輩をどんどん頼ってください!
