有資格者インタビュー【栄養】
NST専門療法士ってなに?

NST(栄養サポートチーム)は疾患のために栄養障害の状態にある入院患者さん、また、治療によって栄養障害が起こるおそれのある入院患者さんに対して、栄養状態を評価し適切に介入することで、治療を促進し、感染症などの合併症を予防することを目的とした、多職種によるチームです。
NST専門療法士は日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する資格で、薬剤師以外にも、管理栄養士、看護師、臨床検査技師ほかのメディカルスタッフが持っています。
NST専門療法士は日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)が認定する資格で、薬剤師以外にも、管理栄養士、看護師、臨床検査技師ほかのメディカルスタッフが持っています。
私の一日
| 前日に翌日のNST準備 対象患者の情報をカルテで取得 |
|
| 8:30 | 朝礼 体調確認と前日の申し送り、当日業務内容の共有をします。 |
| 8:45 | 病棟業務 医薬品の適正使用確認、副作用モニタリング、使用薬剤の患者さんへの説明を行います。 |
| 11:30 | 昼食 |
| 13:00 | 嚥下カンファレンス 摂食嚥下障害のある患者さんの情報を多職種で共有します。 |
| 15:00 | NSTカンファレンス・回診 情報共有の後患者さんを訪問して要望をお聞きしむくみや口腔内の観察をします。 |
| 16:00 | 業務記録 摂食嚥下困難患者・NST対象患者の情報を病棟担当薬剤師に申し送り NSTカンファレンス内容を他のNST担当薬剤師と共有 |
| 17:00 | 終業 |
| 18:00 | 帰宅 |
NSTカンファレンス・回診
- 食事が十分に摂れていない
- 高カロリー輸液や経腸栄養(経鼻管や胃瘻から栄養を入れる)のメニューの相談を受けた
- 経腸栄養による下痢への対処法の相談を受けた
- これから手術や化学療法、放射線治療を予定していて栄養障害が予測される
特に上記の患者さんを重点的に、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、歯科衛生士とともに、一週間に1回カンファレンスと回診をおこないます。
1回に5~7人の患者さんを対象とし、現在2チームにて活動しています。
1回に5~7人の患者さんを対象とし、現在2チームにて活動しています。
栄養委員会
病院で提供する食事の質・安全を保ちます。
- 検食で普通食~嚥下食の硬さや味をチェック
- 栄養剤や付加食の採用管理
NSTの運営
- NST加算算定に関わる手続き
- 院内外スタッフ教育
*当病院はNST専門療法士になるための認定教育施設でもあります
NST研修会(年10回1回1時間)
院内の医師・メディカルスタッフが講師となり、NST専門療法士になるために必要な講義を行います。
薬剤師も、静脈栄養や薬の副作用、簡易懸濁法などについての講義を担当します。
薬剤師も、静脈栄養や薬の副作用、簡易懸濁法などについての講義を担当します。
褥瘡対策チーム
自分で体位変換できない褥瘡ハイリスク患者さんの情報を、カンファレンスにて、皮膚排泄ケア専任看護士、医師、管理栄養士とともに共有します。
摂食・嚥下チーム
摂食嚥下障害のある患者さんの情報を、カンファレンスにて、リハビリテーション科医師、言語聴覚士、摂食嚥下認定看護師、病棟看護師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士とともに共有します。
カンファレンス後には、病棟担当薬剤師と情報共有します。
カンファレンス後には、病棟担当薬剤師と情報共有します。
インタビュー

なぜ資格を取ろうと?

前任者が異動になり、担当することになったときに、資格を取得するよう要請されました。
当時勤務していた病院では、NST運営委員会を発足させ、一部の科でしか活動していなかったNSTを全科に拡大しようとしていたときで、自分もすぐ運営委員として働くことになりました。
当時勤務していた病院では、NST運営委員会を発足させ、一部の科でしか活動していなかったNSTを全科に拡大しようとしていたときで、自分もすぐ運営委員として働くことになりました。

この仕事の魅力は?

患者さんにつらいことをさせるのではなく、おいしく食べて元気になってもらえるところ。
それぞれの職種が能力を発揮しやすいチーム医療であるところ。
本人、ご家族、主治医を含めた医療スタッフと、同じゴールをめざしていける「サポート」チームであるところ。
それぞれの職種が能力を発揮しやすいチーム医療であるところ。
本人、ご家族、主治医を含めた医療スタッフと、同じゴールをめざしていける「サポート」チームであるところ。

仕事をしていて良かったと思うことはありますか?

患者さんの栄養状態が良くなること。数値だけではなく、顔色がよくなり元気になったのが目にみえること。
薬剤師の業務だけでは知らなかった栄養の基礎を学ぶことができること。自分や家族の健康維持にも役立てられます。
薬剤師の業務だけでは知らなかった栄養の基礎を学ぶことができること。自分や家族の健康維持にも役立てられます。

資格取得までにはどんな活動を?

NSTを担当することになったと同時に資格を取得したので、その前の活動は特にありません。(当時はNST専門療法士がまだ少なく、現場のニーズが逼迫していたため、現在とは認定要件が異なっていました)

働いていて印象深い体験はありますか?

一時は命の危険もあると言われていたくらい状態が良くなかった方が、病気が良くなって経腸栄養を経て経口から食べられるようになり、リハビリに励んでおられました。
しかし検査値は数ヶ月の間、まったく改善しませんでした。摂った栄養分はどこに行ってしまっているのか、何か見落としがあるのではないか、とチームで何度も評価を繰り返しましたが、やはり適切と考えられる栄養療法とリハビリを続けることにしました。
改善がみられ、患者さんが元気に退院されていかれたときは、本当にほっとしました。結果がすぐに出ないときにも焦ることなく、きちんと評価し継続することが大切だと実感した体験でした。
しかし検査値は数ヶ月の間、まったく改善しませんでした。摂った栄養分はどこに行ってしまっているのか、何か見落としがあるのではないか、とチームで何度も評価を繰り返しましたが、やはり適切と考えられる栄養療法とリハビリを続けることにしました。
改善がみられ、患者さんが元気に退院されていかれたときは、本当にほっとしました。結果がすぐに出ないときにも焦ることなく、きちんと評価し継続することが大切だと実感した体験でした。

後輩へのメッセージはありますか?

薬剤師にも、いろいろな専門分野の認定がありますが、仕事をしていくうちに自然と興味の持てる分野が出てきますので、それまではいろいろな分野を、広い視野を持って見ていってください。
そして、資格を取得して活動することには、チーム医療や、研究・発表について知ることができ、自分の業務を新たな視点で見直すことができる利点があります。
栄養分野はすべての基礎なので、初めに勉強するのに向いているのではないかと思います。
日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)では、さらに各疾患に特化した、臨床栄養代謝専門療法士の認定もしています。
そして、資格を取得して活動することには、チーム医療や、研究・発表について知ることができ、自分の業務を新たな視点で見直すことができる利点があります。
栄養分野はすべての基礎なので、初めに勉強するのに向いているのではないかと思います。
日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)では、さらに各疾患に特化した、臨床栄養代謝専門療法士の認定もしています。
