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ホーム > Ⅴ全身症状  >  C.倦怠感・食思不振

C.倦怠感・食思不振

ページの目次


Overview

倦怠感、食思不振の原因となっている病態を除外してください。
・貧血
・感染症
・高カルシウム血症
・低ナトリウム血症
・黄疸・肝障害
・口腔内カンジダ症・口内炎(口腔チームに依頼してください)
・脳転移など
が見逃されやすいが治療しうる病態です。

味覚障害があれば、ビタミンB群、亜鉛補給(エレメンミック、ブイクレス、プロマック)も行ってください。

化学療法のdelayed emasisが疑われる場合は、標準的な制吐対策をしてください。
対症療法としては以下のものがあります。

薬物療法

ステロイド

予測される予後が1~2か月と限られていて、長期使用による副作用を許容できるときはステロイドが選択肢となります。


処方例
リンデロン2~4mg朝1回で開始し、有効なら効果を維持できる投与量まで減量する。無効なら4mgまで増量し、それでも無効なら中止する。
またはリンデロン0.5~1mgで開始し、有効な投与量まで4mgまで増量する。

60%以上の患者で有意な食欲増加作用がありますが、効果は短期効果で2~6週間しか持続しません。

1カ月以上の投与になる場合、消化性潰瘍、血糖異常、ムーンフェイス、精神症状(不眠、せん妄、抑うつ)、カンジダ性口内炎、結核などのステロイドによる合併症を生じるリスクは上がるので、利益が不利益を上回ると評価される場合、選択できる方法と考えられます。

2013年に、倦怠感を主要評価項目としたステロイドの比較試験の結果が発表されました。
進行がん患者84名に対して、デキサメタゾン8mgとプラセボを14日間内服する比較試験が行われ、デキサメタゾン群では15日目の倦怠感の尺度が有意に改善しました。

Yennurajalingam S, Reduction of cancer-related fatigue with dexamethasone: a double-blind, randomized, placebo-controlled trial in patients with advanced cancer.J Clin Oncol. 2013;31:3076-82.

ヒスロンH

副腎ステロイドは選択できないが、蛋白同化ステロイドは選択できるとき、理論上はヒスロンという選択肢があります。日本では、ヒスロンHは保険適応が乳がん・子宮がんなど特殊なことと、致命的な血栓症の副作用がありますので、実際は一般的ではありません。


処方例
ヒスロン600~1,200mg

ヒスロン600~1,200mgで悪液質患者における有意な食欲増進がある(QOL、予後への効果はない)ことが示されており、海外では使われます。国内では保険適応(乳癌)の問題があり、一般的ではありません。また、致命的な血栓症を生じる可能性があります

ベタナミン

ステロイドが選択できない、精神症状のリスクが少ないときに選択されます。

★倦怠感や眠気が強い時(処方できる医師は限定されています。緩和ケアチームに依頼してください。)

リタリンが処方できない状態にあり、ベタナミンはその代替薬です。

リタリンは、倦怠感と、オピオイド投与中の患者の眠気を改善するある程度の根拠がありますが、「食欲亢進作用」はしめされていません。全身倦怠感がより優勢な病像の時には選択になりうる程度です。10%前後で過覚醒症状(不安、不眠、不穏)を生じます。若年者で全身状態が良ければ問題はないですが、高齢者、肝不全などではではリスク高くなります。動悸・不整脈リスクがあります。経験的には、「相性の良い人には良い、まずくすると不穏になる」薬剤です。

ベタナミンについて詳細なデータはありません。



ケア

NSTや栄養カウンセリング

患者さんの希望があれば、安静時消費量の測定(現在必要としているカロリー数が呼気から実測できます。)などをして栄養指導を行いますので、栄養士に相談してください。