骨粗鬆症予防のコツは?
今年度改定された『日本人の食事摂取基準(2025年版)』で、高齢社会における骨粗鬆症予防の重要性を考慮し、骨粗鬆症が追加されたことをご存じでしょうか。
骨粗鬆症の患者数は年々増加傾向にあり、40歳以上の推計患者数は1590万人※で総人口に換算すると10人に1人が骨粗鬆症と報告されています。※Yoshimura N, et al, J Bone Miner Metab 40(5): 829-838, 2022
骨粗鬆症の患者数は年々増加傾向にあり、40歳以上の推計患者数は1590万人※で総人口に換算すると10人に1人が骨粗鬆症と報告されています。※Yoshimura N, et al, J Bone Miner Metab 40(5): 829-838, 2022
年齢と閉経に伴う骨量の変化(概念図)
骨密度は20歳ごろにピークを迎えて最大となり、以降徐々に低下するため、予防のためにはピーク時にいかに骨密度を高くしていくか、さらに低下をいかに防いでいくかが重要です。
今回は、骨粗鬆症について予防のコツをお伝えします。
出典:骨粗鬆症 検診・保健指導マニュアル第2版(ライフサイエンス出版2014年)
1. コツを押さえて「運動」
骨形成に関わる重要な栄養素はカルシウムですが、摂取したカルシウムのうち吸収されるのは約3割と言われています。カルシウムの吸収率を高めるためには、運動による適度な刺激が効果的です。加重負荷のかかるウォーキングやジョギング、階段の昇り降りなどを生活の中で無理なく取り入れましょう。
2. コツを押さえて「食事」
骨粗鬆症は肥満よりも低体重がリスクとなる生活習慣病です。若年期のダイエットは、エストロゲン分泌の低下や低体重による骨への負荷低下から骨形成を阻害し、将来的な骨粗鬆症リスクを高めます。予防のためには、適切なエネルギーの摂取、ビタミンDやカルシウムなどを不足なく摂ることが必要です。極端に食事量を減らすことや、不必要なダイエットは避けましょう。
骨密度は一度下がると元に戻すのがとても大変です。そのため今の骨密度を知り、維持していくことが重要になります。骨粗鬆症予防にはまだ早いと思われている方も、10~20歳でしっかり骨量を高められたかが確認できるので、一度骨密度の検査をしてみることをおすすめします。
聖隷予防検診センターでは、ドック受診の皆さまに『おいしく楽しく学べる食育レストラン』と題し、バランスのよいドック食を提供しています。骨代謝に必要な栄養素を不足なく摂るためには、主食・主菜・副菜をバランスよく食べることが重要です。ドック受診の際には、実際にお食事を召し上がっていただきながら、普段の食生活を振り返ってみてください。
2025年度人間ドック講話動画でも、こつこつ取り組む骨粗鬆症対策(骨活)について詳しく紹介しています。
受診の際には、こちらもぜひご覧ください。
聖隷予防検診センター 健診看護課
管理栄養士 伊熊 美紀
2025.6.23掲載
受診の際には、こちらもぜひご覧ください。
聖隷予防検診センター 健診看護課
管理栄養士 伊熊 美紀
2025.6.23掲載