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ノロウイルスによる食中毒にご注意ください


厳しい寒さが続きますが、体調を崩していませんか?
新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し、緊急事態宣言が再発令された地域が増えています。気温や湿度が低く乾燥しやすいため、新型コロナウイルス感染症以外にも風邪やノロウイルスによる感染症が流行する時期です。今シーズンのノロウイルス発生届出数は、過去10年と比較し低下傾向にあります。しかしながら静岡県では1月、仕出し弁当からノロウイルスが検出され、集団食中毒が発生しています。そこで今回は、ノロウイルスの基本についてご紹介します。

ウイルスの種類

ウイルスの種類は大きく分けて2種類あります。エンベロープという脂質やタンパク質からできている外膜の有無により、下記のように分けられます。

■エンベロープウイルス
ウイルス遺伝子の周りを外膜が覆っている状態。アルコール消毒剤などで容易に破壊することが可能。
例)新型コロナウイルス、インフルエンザウイルスなど

■ノンエンベロープウイルス
ウイルス遺伝子がむき出しになっている状態。凍結や乾燥、酸やエタノールなどへの抵抗性が強い。
例)ノロウイルス、アデノウイルスなど

ノロウイルスとは?

ノロウイルスは一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。ヒトの小腸の粘膜で増殖するノンエンベロープウイルスで、感染性胃腸炎や食中毒を引き起こします。

感染経路

ノロウイルスは食品を直接口に含むことや、汚染物の処理などで間接的に病原体が口に入ることで感染します。食品では、特に牡蠣を含む二枚貝の関与が指摘されており、感染した人の便や吐物に接触することにより二次感染を引き起こすことがあります。感染した人の手洗いが不十分なまま料理をすると、食品がウイルスに汚染され、その食品を食べることで感染してしまう恐れがあります。

症状

症状はおう吐、下痢、腹痛、微熱などです。潜伏期間は感染後24~48時間で、健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどは重症化する可能性があります。

対策

■食品の加熱
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。ノロウイルスに汚染する可能性がある二枚貝などの食品の場合は、中心温度85~90℃で90秒以上の加熱をすることが望まれます。

■手洗い、消毒
ノロウイルスは、エンベロープウイルスに比べ一般的なアルコール消毒液が
効きにくい傾向にあります。次亜塩素酸ナトリウム製剤や、ノロウイルス対応の
消毒剤などが有効です。次亜塩素酸濃度や対策について、厚生労働省のHPに
掲載されていますので、ぜひご活用ください。

厚生労働省|感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について
ノロウイルスについてはワクチンがなく、治療は水分補給や点滴などの対症療法に限られます。したがって、ご家族や周りの方々と一緒に感染症対策をすることが重要です。ウイルスの特徴を理解して、感染症から身体を守りましょう!

聖隷健康サポートセンターShizuoka 管理栄養士 松下信子