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ホーム >  管理栄養士コラム >  10月1日は何の日?~発酵食品の世界~

10月1日は何の日?~発酵食品の世界~


正解は日本を代表する発酵調味料「醤油の日」です。(日本醤油協会等の醤油関連団体が2003年に制定。)
四季がある日本では、昔から季節の変化に合わせた暮らしを営んできました。発酵食品に欠かせない米や大豆は、春に種を蒔き、秋口に収穫を行い、貯蔵・加工をして冬に備えました。秋のみのりを上手に保存していたんですね。昔は醤油造りも、その年にとれた大豆や小麦を使ってこの時期に新しいもろみを仕込んだともいわれているそうです。そこで今回は醤油をはじめとする「発酵食品」についてご紹介します。

発酵食品とは?

発酵とは、微生物の働きによって食物中の栄養分が分解され、人間にとって有益に作用することをいいます。こうして生まれた食品が「発酵食品」です。ところが同じ微生物の働きでも、食材の種類や温度などの環境条件によっては、食べられないものに変わってしまうことがあります。これを「腐敗」といいます。
発酵食品をつくる微生物は、主に3種類。カビ(麹菌)、酵母菌、細菌(乳酸菌・納豆菌・酢酸菌)が関わっています。醤油や味噌、日本酒、納豆、漬物、ヨーグルト、チーズなど私たちの生活に欠かせないものになっていますね。

健康に役立つ発酵食品のパワー!

●栄養価が高くなる
微生物が発酵過程で多量の栄養成分を作り出すため、食材自体の栄養価が高くなります。また同時に原料成分の栄養素が分解されるため吸収率も良くなります。
●腸内環境を整える
発酵食品には生きた菌がたくさん含まれています。腸内にすむ善玉菌の働きを助け、腸内環境を整え免疫力を高める効果が期待できます。
●生活習慣病を予防する
大豆の発酵食品は、血圧降下や抗酸化作用、コレステロール低下など、生活習慣病の予防に役立つ、様々な生理活性機能を持つことがわかっています。

発酵食品を上手に取り入れよう

発酵食品は健康に役立つ機能がありますが、塩分や糖分が多く含まれる食品もあり、食べ過ぎは逆効果になってしまいます。一度にたくさん食べるのではなく、毎日少しずつ取り入れることがポイントです。食品によって得られる効果も変わってくるため、様々な食品を取り入れましょう。

発酵食品大国と呼ばれる日本では、偶然から生まれた発酵食品を試行錯誤しながら改良し、文化として受け継いできました。肉眼では見えない微生物の働きが、豊かなうまみや、栄養成分をつくり出す発酵食品の世界は、不思議で面白いですね。微生物が私たちに与えてくれる大きな恵みを普段の食事に上手に取り入れて、健康を維持していきましょう。
原稿作成:聖隷健康診断センター 白柳友紀