ベテルてんかんセンター

診療責任者

ベテルてんかんセンター長
兼 てんかん・機能神経外科部長

山添 知宏
小児科医長
吉村 歩
精神科部長
西村 克彦

ベテルてんかんセンターについて

聖隷三方原病院は、2024年10月1日よりベテルてんかんセンターを新設いたします。
名称の由来は、ドイツにキリスト教系の「マラ病院ベーテルてんかんセンター (Mara Hospital, Bethel Epilepsy Center)」という施設があり、患者さんの障害に応じた医療サービスを提供し、QOLをより良く維持しようということで有名な施設です。『ベテル=神の家』との意味合いもあり、てんかん患者さんにとって『神の家』となれるようにと命名しました。

てんかんは1000人に5−8人と稀な病気ではありません。抗てんかん薬1剤で発作消失がえられる方から、様々な内服薬を試しても発作消失に至らない方、てんかん発作と類似する心因性非てんかん発作(PNES)を有する方まで様々な病態があります。てんかん発作は全身痙攣のみならず、ボーッとするような意識減損発作もあり、QOLを低下させます。このようなQOL低下がみられるてんかん患者さんへ治療・福祉サービス利用の助言等を提供し、周辺施設・組織と連携し、てんかん患者への社会・生活支援のサポートを充実させていきます。
また、正しい知識と理解を深めていただくよう、周囲の施設・組織に啓発活動をします。
今後、日本てんかん学会認定包括的てんかん専門医療施設認定を取得するため、てんかん診療支援コーディネーターの育成をし、さらに体制を整えていきます。

センターの特徴

1.複数診療科での連携診療

当センターは、てんかん・機能脳神経外科、脳神経外科、小児科、精神科、脳卒中科で連携しています。
小児てんかんに対しては小児科での内科的治療、成人てんかん・薬剤抵抗性てんかんに対する外科治療は てんかん・機能脳神経外科(脳神経外科)で診療を行います。精神症状を合併するてんかんに対しては、精神科との併診で診療を行います。

2.多職種連携でのてんかん患者さんへの支援

医療スタッフ(看護相談、医療福祉相談室など)からの医療福祉サービスに関するアドバイス等の提供体制を構築し、近隣医療機関とてんかん診療に対する連携を行うことを目標としています。
臨床検査技師は長時間脳波や術中モニタリング。リハビリスタッフは、言語能力評価や麻痺評価などを実施しており、様々な職種でカンファレンスを行っています。

てんかん診療支援コーディネーター

てんかん診療支援コーディネーターは、てんかんのある患者さんとご家族、医療者や関係機関を結ぶ役割を担う認定資格者です。診療や療養が途切れることなく、安心して継続できるよう支援しています。
 
当院における役割と体制
当院では、病棟・外来・検査室にててんかん診療支援コーディネーターを配置し、医師を中心とした医療チームの一員として活動しています。診療の各場面に関わり、患者さん一人ひとりの状況に応じた支援を行っています。
 
入院中の療養支援
外科的手術や長時間脳波検査のために入院される際には、重度心身障害などにより療養上の工夫が必要な患者さんを対象に、病棟看護師がご自宅での生活状況をうかがいます。その内容をもとに、可能な範囲で入院中の療養環境づくりを支援しています。
 
退院後・地域連携の支援
退院後、発作が安定している患者さんには、てんかん地域連携手帳「Epi Network」をお渡ししています。この手帳を活用し、地域のかかりつけクリニックと当院が連携しながら診療を継続します。手帳には緊急時に役立つ情報も掲載されており、常時携帯することをお勧めしています。
 
移行期・外来での支援
外来では、小児期から成人期への移行期にある患者さんを対象に、就学・就労・結婚などのライフイベントや服薬管理について確認しています。必要に応じて、地域の関係機関と連携し、切れ目のない支援を行っています。
 
配置状況
(2026年1月現在)
看護師:3名
臨床検査技師:3名

EpiNetwork手帳(てんかん地域連携手帳)の導入

当院を受診されている患者さんのうち、お薬によっててんかん発作が安定している方については、かかりつけ医(地域の医療機関)と連携した診療をお願いしています。その際、患者さん・かかりつけ医・当センターが診療情報を共有し、協力して診療を行うためのツールとして、「Epi Network手帳(てんかん地域連携手帳)」をお渡しします。
 
Epi Network手帳は、発作が安定している患者さんが、かかりつけ医(地域の医療機関)と聖隷三方原病院 ベテルてんかんセンター(連携施設)を上手に活用し、継続的で安心な診療を受けることを目的とした手帳です。地域の医療機関と専門施設が患者さんの情報を共有し、連携して診療を行うことで、より安全でスムーズな医療につなげていきます。
Epi Network手帳でできること
  • かかりつけ医と連携施設が、患者さんの情報を共有し、協力して診療を行います
  • 発作の有無やお薬の変更などを記録し、どの医療機関でも状況を把握しやすくなります
  • ご本人やご家族が、医師に伝えたいことや気になる症状を整理して記録できます
 
手帳の使い方
診察の際は、毎回この手帳をご持参ください。
以下の内容を記録・確認します。
 
  • 発作があったかどうか
  • 伝えたいこと・気になる症状など  (ご本人・ご家族が記入)
  • 処方されたお薬に変更があったかどうか  (医療機関記入欄)
  • 医師による診察内容の記録  (医療機関記入欄)
  
手帳表紙と抜粋ページ
  
定期的な専門施設での診察について
発作が安定している場合でも、半年~1年に1回は、専門の連携施設(ベテルてんかんセンター)で診察を受けてください。
必要に応じて、脳波検査などの専門的な評価を行い、現在の治療方針が適切かを確認します。
  
地域連携によるサポート体制
  • 地域の医療機関(かかりつけ医)
   普段の診察やお薬の管理を担当します
  • 連携施設(ベテルてんかんセンター)
   専門的な検査や評価を行います
両者が連携することで、患者さん一人ひとりに合った診療を継続的にサポートします。
 
手帳を活用することで
Epi Network手帳を活用することで、ご自身の状態を正しく医療者に伝えやすくなり、必要な検査や治療につなげやすくなります。安心して日常生活を送っていただくために、ぜひこの手帳をご活用ください。
関連リンク