循環器センター
診療科責任者

循環器センター長
若林 康
若林 康

循環器副センター長
兼 心臓血管外科部長
浅野 満
兼 心臓血管外科部長
浅野 満

循環器科部長
川口 由高
川口 由高
循環器センター長から一言
この度、2024年4月から、循環器センター長を拝命しました。
循環器センターは、心臓血管外科と循環器科の医師や、関連のパラメディカルを総称したものです。近年、心血管疾患の治療において、侵襲度の高い治療 (開胸手術)から、低い治療(小開胸、経カテーテル治療)への移行がおきています。心血管疾患の患者さんにおいて、心臓血管外科と循環器科が密接に連携することによって、安全で最適な治療を提供することができます。そこで、循環器センターを冠して、チームとして患者さんの治療にあたっていきたいと考えております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
循環器センターは、心臓血管外科と循環器科の医師や、関連のパラメディカルを総称したものです。近年、心血管疾患の治療において、侵襲度の高い治療 (開胸手術)から、低い治療(小開胸、経カテーテル治療)への移行がおきています。心血管疾患の患者さんにおいて、心臓血管外科と循環器科が密接に連携することによって、安全で最適な治療を提供することができます。そこで、循環器センターを冠して、チームとして患者さんの治療にあたっていきたいと考えております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
チーム編成
心臓血管外科スタッフ3名、循環器科スタッフ13名
ハートチーム
TAVI治療導入のため、2017年に設立しました。循環器科医師、心臓血管外科医師、麻酔科医師、看護師(一般病棟、集中治療室、手術室)、医療技術士、理学療法士、心エコー技師、放射線技師、薬剤師、栄養士、また事務部の多職種メンバーで構成されています。ハートチームカンファレンスはひと月に2回開催し、現在は主に大動脈弁狭窄症症例の治療方針について多職種間で活発な議論が行われています。
心不全チーム
循環器科医師、看護師(C3、A4)、理学療法士、作業療法士、薬剤師、栄養士の多職種メンバーで構成されています。心不全チームカンファレンスは週に1回開催し、入院中の心不全患者の治療方針や、退院支援に関して多職種間で話し合いを行っております。また、当院独自の心不全手帳を作成し、退院後の心不全診療に役立てています。
センターの特徴
24時間体制での診察
- 大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)
- 大動脈瘤のステントグラフト治療
- 弁膜症、冠動脈疾患に対する小切開心臓手術(MICS)
- 経皮的左心耳閉鎖システム(Watchman)を用いた心房細動患者の塞栓予防
- 心原性ショック、重症心不全に対するインペラ(IMPELLA)補助循環用ポンプカテーテル
- 冠動脈の高度石灰化病変に対するロータブレーター、衝撃波血管内砕石術(IVL)カテーテル
- 心房細動に対するクライオアブレーション
- 心房細動アブレーション前のMDCT、MRIを用いた非造影左心房形態評価
- 冠微小循環障害を診断するためのCoroFlow
- 320列MDCTを使用した冠動脈疾患の診断
- FFR-CTを用いた、非侵襲的機能的心筋虚血の評価
多職種連携で取り組む心不全ケア
2025年は65歳以上の人口が30.3%、75歳以上が13.0%に達するとされています。浜松市も例外ではなく、今後も高齢者人口が増加し、2050年には高齢化率が37.8%になると推測されています。これに比例し、心不全を含む心疾患にかかる人は増加し、全国の死亡順位の第1位はがん、第2位は心疾患となっています。
当院は、浜松市の北西部に位置しており、急性期医療を中心にこの地域の中核病院として、地域医療を支える役割があります。診療圏は、浜松市内の中央区北西エリアを中心に浜名区・天竜区まで広範囲をカバーし、特に広大な面積と少ない人口に北遠地域については、最終病院として、ドクターヘリを活用した医療を展開しています。地域柄高齢患者さんが多く、それに伴い増加の一途をたどる心不全患様を地域の医療機関と連携し支えていくことが求められていると感じています。
当院では、心不全患者さんの一人一人に合わせた治療や療養生活となるように、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士などの多職種による「心不全カンファレンス」で治療計画を検討しています。また、退院後も安心して療養生活を送れるように、当院オリジナルの「心不全ファイル」を用いて患者さんの生活に合わせた療養支援を行うとともに、支援が継続できるように入院病棟と循環器科外来やケアマネージャー、訪問看護師といった地域スタッフとの連携に力を入れています。心不全患者さんが疾患を抱えながらもその人らしい人生を全うできるように伴走者として寄り添っていけたらと考えています。
当院は、浜松市の北西部に位置しており、急性期医療を中心にこの地域の中核病院として、地域医療を支える役割があります。診療圏は、浜松市内の中央区北西エリアを中心に浜名区・天竜区まで広範囲をカバーし、特に広大な面積と少ない人口に北遠地域については、最終病院として、ドクターヘリを活用した医療を展開しています。地域柄高齢患者さんが多く、それに伴い増加の一途をたどる心不全患様を地域の医療機関と連携し支えていくことが求められていると感じています。
当院では、心不全患者さんの一人一人に合わせた治療や療養生活となるように、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士などの多職種による「心不全カンファレンス」で治療計画を検討しています。また、退院後も安心して療養生活を送れるように、当院オリジナルの「心不全ファイル」を用いて患者さんの生活に合わせた療養支援を行うとともに、支援が継続できるように入院病棟と循環器科外来やケアマネージャー、訪問看護師といった地域スタッフとの連携に力を入れています。心不全患者さんが疾患を抱えながらもその人らしい人生を全うできるように伴走者として寄り添っていけたらと考えています。
心不全カンファレンス
多職種で多くの視点から包括的なケア内容を検討している様子
心不全ファイル
心不全患者さんが効果的なセルフマネジメントできるように資料を提供しています。心不全ファイルには、患者さんご自身の体調を日々記録するページがあります。
この記録は、医師や看護師が体調の変化に気づき、より良い治療や生活のサポートを行うための大切な情報となります。
手帳の記録ページが終わった際は、下記の用紙を印刷して補充し、引き続きご利用ください。
PDFダウンロード
心不全ファイル 記録用紙(記録ページのみ)[PDF:203.8KB]

心臓リハビリテーション
心臓リハビリテーションとは
心臓リハビリテーション(以下:心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが快適な家庭生活や社会生活に復帰することを目標に、体力を回復し自信を取り戻すとともに、再発や再入院を防止することを目指して行う包括的プログラムのことです。急性心筋梗塞、心不全、心臓手術後などの患者さんは心臓の働きが低下し、入院生活を続けたことによる身体機能や身体の調節機能の低下が見られます。そのため、無事に退院できたからといって、退院後すぐに元の生活や活動はできません。また、「どのくらい活動しても大丈夫なのか?」といった疑問や動くことへの不安を持つ方もいらっしゃいます。さらに、心臓病の原因となる冠危険因子(糖尿病や脂質異常症)の是正や動脈硬化の進行を防ぐために、生活習慣の改善も重要です。
心臓リハビリでは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士などで構成されるチーム医療体制で運動療法を中心に患者教育(生活習慣の改善や疾患管理)などを行います。
心臓リハビリの効果
- 動能力が増加し、楽に動けるようになります
- 狭心症や心不全の症状が軽くなります
- 不安やうつ状態が改善し、快適な社会生活を送ることができるようになります
- 動脈硬化のもとになる危険因子が軽くなります(脂質異常症、高血圧、糖尿病、肥満)
- 自律神経が安定して不整脈が予防できます
- 心筋梗塞の再発や突然死が減り、死亡率が減少します
当院の特徴
- 専門性の高い心臓リハビリの提供
心臓リハビリ指導士5名、心不全療養指導士3名 在籍(2024年7月現在) - 作業療法士による心臓リハビリの実施
認知機能の評価や訓練、日常生活動作や家事動作を中心に入院早期から介入 - 退院や再発予防を見据え、継続的にリハビリテーションが行えるように支援
近隣のデイサービスや訪問看護と連携し、退院後もリハビリテーションが継続できるよう支援 - seirei-heart-connect-project:聖隷福祉事業団共通の心臓リハビリパンフレットを作成


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当院の心不全チームにおける、薬剤師としての関わり
心不全治療薬の内服は数が多くかつ長期にわたり、患者さんにとって大きな負担となっています。薬剤師は患者さんに内服を継続していただくため、患者さんへ直接お話に伺い、薬を飲む大切さを理解してもらえるように説明することを心掛けています。
また、患者さんの服薬に関する悩みなどを丁寧に伺い、一人一人に寄り添って問題点の解決と服薬のサポートをしています。
システマティックな関わりとして心筋梗塞後の脂質管理および心不全治療薬の均てん化への取り組みを行っています。心筋梗塞後の脂質、特にLDL-Cは70未満とすることが推奨されています。また、心不全は近年新たなエビデンスを有する治療薬が次々と発売され、心不全ガイドラインにおける推奨薬も大きく変更されました。これら2つの領域の治療において、医師の診療において薬剤師が1つの『目』として関わり必要に応じてアラートを出すことで診療のサポートを行っています。チームの一員として医師をはじめとした多職種と綿密に連携を取ることで、脂質管理や心不全治療の質を高いレベルで維持できるように努めています。
また、患者さんの服薬に関する悩みなどを丁寧に伺い、一人一人に寄り添って問題点の解決と服薬のサポートをしています。
システマティックな関わりとして心筋梗塞後の脂質管理および心不全治療薬の均てん化への取り組みを行っています。心筋梗塞後の脂質、特にLDL-Cは70未満とすることが推奨されています。また、心不全は近年新たなエビデンスを有する治療薬が次々と発売され、心不全ガイドラインにおける推奨薬も大きく変更されました。これら2つの領域の治療において、医師の診療において薬剤師が1つの『目』として関わり必要に応じてアラートを出すことで診療のサポートを行っています。チームの一員として医師をはじめとした多職種と綿密に連携を取ることで、脂質管理や心不全治療の質を高いレベルで維持できるように努めています。
栄養課~循環器疾患の患者さんへの管理栄養士の取り組み~
入院中
担当管理栄養士が、病院食の喫食量や栄養状態に応じて、ベッドサイドへお伺いし、食べやすい工夫や栄養状態改善に向けて相談しながら食事調整を行っています。心臓の手術後の患者さんへは術後早期に専任の管理栄養士が他職種とカンファレンスにて情報共有し回復に向けて栄養介入を行っています。
また、昨今の高齢化により、心不全患者さんの中には低栄養の方も多く、再入院率増加の懸念もあります。理学療法士と連携し、フレイル評価に基づき早期栄養介入につなげる取り組みも行っています。
退院に向けて
循環器科入院の患者さん、心臓の手術後の患者さんが退院後も食事療法を行えるよう入院中に栄養指導を行っています。循環器疾患は減塩の食事療法が一般的ですが、高齢・低栄養の方も多いことから、栄養状態・食事量・退院後の生活を考慮しながら、その患者さんに合わせた実施可能な内容を一緒に考え提案しています。循環器疾患の食事療法
- 適正エネルギー・蛋白質量の確保(糖尿病や腎臓病等あれば調整必要)
主食・主菜・副菜をそろえてバランスのよい食事をしましょう。

- 減塩(目標:塩分6.0g/日)
心臓に負担をかけないため、浮腫予防のためにも塩分制限は必要です。
減塩のポイント
- 食べ方を工夫する
「調味料はかける」より「つける」
「麺類、汁ものの頻度に気を付ける」
「中食、外食時のメニュー選択に注意する」等 - 味付けを工夫する
「酸味、香味、旨味」を利用する
「メリハリのある味付け」にする - 卓上に調味料を置かない
(減塩調味料の活用も◎) - おかずは適正量で食べる
(おかず量が多いと塩分量もUP)
減塩食の食事療法は一通りではありません。一人一人の食生活に合わせて実践できる内容であることが大切です。
