メッセージ
腎臓病の原因は糸球体腎炎や間質性腎炎、膠原病や血管炎など自己免疫疾患、糖尿病や高血圧など生活習慣病、薬剤性腎障害など多岐にわたり、初期症状が乏しい場合もあります。蛋白尿や血尿、腎機能低下（糸球体濾過値（GFR）の低下）を健診で指摘された、浮腫があるなど腎臓病を心配される方は、かかりつけ医の先生にご相談の上、お気軽に受診してください。腎臓病の有無や病態を評価して、適切な診療を提供したいと考えています。
部長 杉浦 剛
主な対象疾患
- 糸球体腎炎
- 慢性腎臓病
- 急性腎障害
- 水電解質酸塩基平衡異常
専門的な治療・活動の紹介
腎生検による病理診断
糸球体腎炎や間質性腎炎の診断には腎生検による組織診断が不可欠です。当科では適応がある症例に対して積極的に腎生検を実施して、病理診断に基づいた診断と治療を心掛けています。
慢性腎臓病の診療 ～保存期から透析治療まで～
慢性腎臓病は無症状の早期から透析治療を要する末期腎不全まで、長期的な視野からの診療を要します。病期の進行度に応じた適切な薬物治療をはじめとして、蓄尿検査に基づいた栄養指導、透析治療の選択と事前のアクセス作成、意志に基づいた透析非導入の合意と緩和療法の適応を検討するなど、基幹病院としての役割を果たしたいと考えます。
急性腎障害の診療 ～診断と急性血液浄化の適応まで～
急性腎障害は急激な尿量の減少や腎機能低下を呈する病態です。原因により腎前性・腎性・腎後性など鑑別診断を行って、適切な治療を計画します。また、高度な腎障害に対しては、急性血液浄化療法を適応して、腎障害の回復が得られるか評価をしながら、状況に応じて維持透析への移行を検討します。
水電解質酸塩基平衡の異常に対する診断と治療
水電解質異常や酸塩基平衡異常は腎臓病が原因となるほかに、他臓器の疾患や薬剤の影響などからも起こる異常です。当科では広い視点から病態を把握して、適切な診断と治療が実施できるように心掛けています。
