・聖隷三方原病院の初期臨床研修プログラムへようこそ！
当院の臨床研修センターでは、あなたの医師としてのキャリアを全面的にサポートします。医師になって最初の2年は、今後の旅路を方向づける最も重要な『瞬間』です。当院の臨床研修では診療能力の向上はもちろん、社会に対して善いプロフェッショナルを育てることをミッションとしています。ご自身の価値や人間力を全人的に高め、人生を豊かにする多くの学びを提供しています。

・コンピテンシーと教育機会
よい医師、よい人間とは曖昧な言葉では掴めません。そのように成長するためには、具体的要素としてコンピテンシー(Competencies)を意識することが重要です。グローバルに通用する人材育成を目標としているため、アメリカ卒後医学教育認定評議会(ACGME)が提唱しているものを参考に以下の要素を重視しています。
(1) 患者ケアを行う診療能力
(2) 専門家としての医学知識
(3) 診療の質管理と改善に関与する態度
(4) コミュニケーション・スキル
(5) プロフェッショナリズム
(6) 場やシステムに基づいた診療実践
(7) 医療の内外を見渡し、全体最適を追求できる視野
(8) 成長マインドと教育マインド
当院では研修医を診療から１日フリーにして学習に充てる贅沢な時間『レジデント・デイ』を、月に１回開催しています。レジデント・デイはこれらの要素を、講義よりディスカッションを通して学ぶ機会です。成人教育に参加するスキルもここで完成します。

・エビデンスを基盤とした教育
当院の教育は、医学教育の理論とエビデンスが基盤です。超人レースのランナーのようにがんばることも大いに有効であると信じていますが、持続と継続を可能にする環境こそがより重要です。
旧来の臨床教育がプロセス重視とするなら、現在に求められる臨床教育はアウトカム基盤型教育 (Outcome-based education; OBE)です。研修にあてる時間と労力が同じでも、目的意識によって習得できる経験値には倍率がかかります。
学習理論で重視しているのは、Kolbのラーニング・サイクルに基づく『らせん型学習モデル』です。つまり (1) 問題を経験し、(2) 省察し、 (3) 対処法を学び、 (4) 実践して次の経験に進むことを繰り返し、成長のスパイラルを大きくしていく考え方です。この学習スパイラルの上で経験する臨床は、手応えが違います。


・研修医満足度とウェル・ビーイング
当院の臨床研修では『研修医満足度』が最優先です。よい医療サービスは心身が満足した状態を前提に提供されると考えているからです。最高の利用者満足度を得るためには、最高の従業員満足度を達成するべきだと考えるビジネス理論(ES-CS理論)を応用しています。高密度な経験と学習がありながら、仲間同士でプライベートを遊ぶことを両立している環境を感じてください。
同時に若手の医師に影響しやすいバーン・アウト（燃え尽き症候群）を防ぐ取り組みをしています。これには自身でその兆候を認識することが重要であるため、すべての研修医を対象としてバーン・アウトについての知識を教育しています。この知識のネットワークは、仲間のバーン・アウトを防ぐセーフティ・ネットの役割を果たします。

・ブラザー制度（メンター）と他施設交流
当院ではすべての臨床研修医にメンターとなる上級医を設定する制度があります。これをブラザー制度と言います。ブラザーとなる上級医はキャリア形成について相談できる先輩であり、プライベートで楽しみを共有する友人のような存在です。
同様に知識や繋がりをミックスさせる仕組みとして、他施設との間で交流を強化しています。研修期間中に他病院での研修を受けたり、テクノロジーを活用した多施設勉強会を提供しています。地域を超えた広い人脈が形成できます。

・当院の歴史と強み
当院は創立以来、先駆と開拓精神に満ちています。日本で最初にホスピス病棟を開設した病院です。日本のドクターヘリ事業の最初期からドクターヘリを運航した3病院のうちの1つです。民間病院として国内初の高度救命救急センター指定を受けた病院です。身体合併症を有した精神科患者に入院対応できる精神科、院内助産所の開設、COVID-19パンデミックに対応するための重症専用病棟の新設など、多くの新しい課題に対して挑戦と実現を繰り返してきました。
当院は市中病院でありながら、大学病院に匹敵する37の診療科が揃っています。またドクターヘリを有する高度救命救急センターを備えてあらゆる重症度の急性期疾患に対応しており、広く研修のニーズに応えることができます。多数の学会認定の指導・教育施設となっており、専門分野の頂きを高く、横断分野の裾野を広く、スキルを身につけた人材を育成しています。
皆様がこの伝説に加わってくださることを願っています！

聖隷三方原病院での臨床研修は、医師として人として成長するための理想的なスタート地点です。