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心房中隔欠損症のカテーテル治療



心房中隔欠損症とは?

心房中隔欠損症(ASD:Atrial Septal Defect)とは、右心房と左心房の間の心房中隔という壁に先天的に穴(欠損孔)があいている疾患です。
正常心では、心臓から肺に送り出される血流量と心臓から動脈を通り全身に送り出される血流量は等しくなりますが、欠損孔があると左心房から右心房に血液が流れてしまい、右心房や右心室に過度の負担が生じます。しかしほとんどの場合、成長するまで自覚症状がなく(または軽く)、多くは成人になってから動悸や息切れ、心房細動などの症状があらわれます。

心房中隔欠損症の治療法

治療を行う時期としては、症状があらわれてからではなく、就学前後が一般です。
治療法には、次の2つの選択肢があります。開胸手術またはカテーテル治療です。

1. 開胸手術

開胸手術は、患者さんの胸部(前面または側面)を切開し心臓を開いて欠損孔を閉鎖する方法です。心房中隔欠損症に対する治療法としては古くからあり、実績のある治療法です。

2. アンプラッツァー閉鎖栓を用いたカテーテル治療

アンプラッツァー閉鎖栓を用いたカテーテル治療は心房中隔欠損症の治療としては比較的新しい方法です。
この方法を安全に行うためには、欠損孔の位置や大きさ、体重などが適していることが条件となります。

開胸手術と異なり、胸部を大きく切開することなく治療することができるので、胸に傷がのこらず、患者さんへの負担が少ないため短期間で退院することができます。

この治療法では、脚の付け根から静脈にカテーテルを挿入し、右心房側より欠損孔を通して左心房へ閉鎖栓[ ニッケル・チタン合金(ニチノール)製の細いワイヤーをメッシュ状に編み込んだ傘のようなもの ]を配置し、欠損孔を挟み込む形で閉鎖するものです。

心房中隔欠損症のカテーテル治療の手順

  1. 大腿静脈よりデリバリーシースを挿入して、右心房側より欠損孔(穴)を通し左心房側に近づけます。
  2. 左心房にあるカテーテルの先端までオクルーダ―(閉鎖栓)を進めて、左心房側のカサ状部を開きます。
  3. オクルーダ―(閉鎖栓)の中心部まで広げて欠損孔(穴)に近づけます。 オクルーダ―(閉鎖栓)中心部の位置に合わせます。
  4. 右心房のカサ状部を開きます。
  5. オクルーダ―(閉鎖栓)が確実に留置されたことを確認した後、接続を解除して治療が終了となります。

カテーテル治療に用いられる医療機器について

治療には、「アンプラッツァー心房中隔欠損閉鎖システム(オクルーダとデリバ リーシステムより構成)」を使用します。

カテーテル治療後に必要なこと

治療後は(もしくは治療前より)血液のかたまり(血栓)ができることを予防する薬(アスピリンなど)を約6ヶ月間服用します。
退院前には、胸部X線検査及び超音波心エコー検査などを行います。退院後は、定期的な経過観察が必要となります。

その他

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心房中隔欠損症の治療を勧められた場合

心房中隔欠損症の治療を勧められた場合、開胸手術を行うべきか、あるいはカテーテル治療に適しているかどうかは、詳細な検査の結果に基づいて、専門的に判断する必要があります。治療をご希望の方は、当院、循環器センター『小児循環器科(小児の方は小児科・心臓外来、成人の方は成人先天性心臓病外来)』にご相談ください。
その際は、紹介状を持参してくださることをお勧めいたします。


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