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臨床研究について



黄斑色素密度の測定

黄斑に存在するカロチノイド色素である黄斑色素と加齢黄斑変性との関連が指摘されています。当科では、各種の黄斑色素測定装置をそろえており、ルテインサプリメントの黄斑色素と視機能に及ぼす効果や白内障手術後の黄斑色素変化を研究しています。巷では、サプリメントが大きく宣伝され効能がうたわれていますが、サプリメントの効果に関する科学的な裏づけと副作用研究はいまだ十分とはいえません。当科の臨床試験は効果を科学的に研究するもので、多数の患者さんのご参加をお待ちしています。

皮膚カロテノイド量の測定

皮膚には紫外線などの光による老化を防ぐために色々な種類のカロテノイド色素があります。カロテノイドは野菜や果物に多く含まれ、食事から摂取しなければなりません。皮膚カロテノイド量測定装置ベジメータを使った当科の研究で、皮膚のカロテノイド量と網膜のカロテノイド量(黄斑色素量)に関係があることや、喫煙・食事などの生活習慣、肥満がカロテノイドの量に関係することがわかってきました。長寿時代にいつまでも若さを保つためには、目や皮膚のカロテノイド量を正確に知ったうえで、生活改善をすることが大事です。

緑内障性視野進行解析

緑内障の診療は、まず、視野進行の詳細な評価が最も重要です。そしてそのためには視野のプリントアウトを並べて読むだけでなく、Mean Deviation(MD)スロープなどによる進行速度の評価が欠かせません。しかしこの方法にも、解析に用いる視野の数が少ないと正確では
ないという欠点があります。我々は緑内障性視野の空間的、時系列的特徴をベイズ法(変分近似ベイズ線形回帰)を用いて勘案して解析し、この問題点を克服するアルゴリズムを開発しました。このアルゴリズムによる視野進行予測結果は、ビーライン社のGlaPre®やニデック社のNAVIS®に実装され臨床応用されています。これを基礎に、更なる予測精度向上を目指す研究を行っています。

視野測定アルゴリズム

視野測定は時間のかかる検査で、少しでも短時間で行うことが患者さんの負担軽減に重要です。ただし正確性を損なわないようにすることも重要です。我々は変分近似ベイズ線形回帰による視野感度予測を利用し、測定精度を落とすことなく視野測定時間を短縮できる方法を開発しました。この方法では、これまでの視野測定の標準法であるハンフリー視野検査のSITA standard法に比べ、正確性を落とすことなく視野測定時間を有意に短縮できることが確認されています。この測定法は現在、興和株式会社のAP7700視野計に標準装備され、臨床応用されています。我々は現在このアルゴリズムを更に改良する取り組みに取り組んでいます。

緑内障診療へのAI技術の応用

我々は5年以上前から、深層学習を始めとするAI技術を緑内障診療に応用する取り組みを行ってきました。この結果、例えば視野や光干渉断層計の測定結果、あるいは眼底写真を用いる場合に、より正確に緑内障診断を行えることが分かりました。このうち特に視野や光干渉断層計についての研究は世界でも最も早くその成果を論文報告しました。この成果を元に、更なる臨床的に有用性の高い技術を開発できるよう、研究を行っています。

緑内障における角膜生体力学特性の研究

緑内障の発症、進行には眼圧以外に角膜生体力学特性が関与していることが最近分かって来ました。我々はこのことについて早期から注目し、解析を行い、我が国の緑内障診療における角膜生体力学特性の重要性を解き明かす主導的な研究を行ってきました。現在でも更なる新知見を継続的に発信しています。

聖隷健診センターデータを用いた研究

我々は聖隷健診センターとの共同研究を行っています。この研究では、いわゆるビッグデータに、これまでに培った眼科領域におけるAI技術の応用を行い、健康増進・疾病予防のための様々な新しい技術・知見を獲得し、発信しています。

新世代緑内障手術の治療に関する研究

緑内障分野では、いわゆるMIGS(低侵襲緑内障手術)と呼ばれるような新しい手術の開発が最近盛んにおこなわれています。我々はこれらの最新の手術治療をいち早く導入し良好な成績を得ていますが、更なる成績向上を目指し、先進的な研究を行っています。

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