診療実績・学術業績
病院年報2022より
診療・手術実績
HART外来(女性)
2022年4月より不妊治療の基本的な部分が保険診療化された。2019年以降に基本方針を変更してからの3年間で基本的な治療方針が確立し、安定した妊娠成績が得られている。調節卵巣刺激(COS)を用いた排卵誘発では、複数の卵胞発育を誘導し全胚凍結を行い、別周期に凍結融解胚移植を行う。また、新たに導入した自然周期を中心とした自然周期採卵-新鮮胚移植(NCFET)でも良好な結果を得られている。
2019年以降の体制では採卵数、胚移植数ともに著増し、採卵周期は3倍以上、胚移植周期では2倍以上増加した。これは現状の体制(人員及び設備)におけるほぼ限界の水準である。浜松市域の高度生殖医療に対する治療需要があるため、診療については制限を行い対応することとなった。
2022年4月以降に実施された体外受精・胚移植(IVF-ET)、顕微鏡下精巣内精子採取(TESE) 人工授精(AIH) について要件を満たすものは保険診療である。人工授精(AIH) では81名175周期に施行し、13周期で妊娠成立した(妊娠率:対周期 16.0%、対人 7.4%)。2022年の体外受精(IVF)では、採卵は204周期(1,509個) でうち顕微受精(ICSI) は724個で実施(変性卵を除いた受精率62.8%)、凍結周期は124周期で351個の胚凍を行った。調節卵巣周期では全周期で全胚凍結を行った。凍結融解胚移植は239周期に行い、妊娠は96周期(妊娠率40.2%) だった。自然周期新鮮胚移植(NCFET)は14例に行い、妊娠は8周期(妊娠率57.1%) だった。妊孕性改善のため行った手術について婦人科手術実績を参照されたい。
2022年4月より不妊治療の基本的な部分が保険診療化された。2019年以降に基本方針を変更してからの3年間で基本的な治療方針が確立し、安定した妊娠成績が得られている。調節卵巣刺激(COS)を用いた排卵誘発では、複数の卵胞発育を誘導し全胚凍結を行い、別周期に凍結融解胚移植を行う。また、新たに導入した自然周期を中心とした自然周期採卵-新鮮胚移植(NCFET)でも良好な結果を得られている。
2019年以降の体制では採卵数、胚移植数ともに著増し、採卵周期は3倍以上、胚移植周期では2倍以上増加した。これは現状の体制(人員及び設備)におけるほぼ限界の水準である。浜松市域の高度生殖医療に対する治療需要があるため、診療については制限を行い対応することとなった。
2022年4月以降に実施された体外受精・胚移植(IVF-ET)、顕微鏡下精巣内精子採取(TESE) 人工授精(AIH) について要件を満たすものは保険診療である。人工授精(AIH) では81名175周期に施行し、13周期で妊娠成立した(妊娠率:対周期 16.0%、対人 7.4%)。2022年の体外受精(IVF)では、採卵は204周期(1,509個) でうち顕微受精(ICSI) は724個で実施(変性卵を除いた受精率62.8%)、凍結周期は124周期で351個の胚凍を行った。調節卵巣周期では全周期で全胚凍結を行った。凍結融解胚移植は239周期に行い、妊娠は96周期(妊娠率40.2%) だった。自然周期新鮮胚移植(NCFET)は14例に行い、妊娠は8周期(妊娠率57.1%) だった。妊孕性改善のため行った手術について婦人科手術実績を参照されたい。
人工授精(AIH)(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
実施件数 | 134 | 180 | 120 | 131 | 175 |
人数 | 60 | 81 | 58 | 73 | 81 |
妊娠例 | 10 | 16 | 6 | 17 | 13 |
妊娠率(/周期)% | 7.50% | 8.90% | 5.00% | 13.7% | 7.4% |
妊娠率(/人)% | 16.70% | 19.80% | 10.30% | 23.30% | 16.00% |
体外受精成績(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
採卵 | 採卵周期 | 61 | 77 | 137 | 169 | 204 |
採卵数 | 459 | 562 | 732 | 1,270 | 1,509 | |
顕微授精 | 施行周期数 | 53 | 55 | 93 | 124 | 141 |
施行卵数 | 247 | 194 | 371 | 562 | 720 | |
受精卵数 | 159(64.4%) | 134(69.1%) | 227(61.2%) | 349(62.1%) | 452(62.8%) | |
凍結 | 凍結周期 | 53 | 65 | 95 | 121 | 124 |
凍結胚数 | 141 | 184 | 223 | 404 | 351 |
胚移植(全体)成績(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
移植周期 | 99 | 114 | 134 | 185 | 239 |
妊娠※ | 40 (40.4%) | 38 (33.3%) | 44(32.8%) | 63(34.1%) | 96(40.2%) |
異所性妊娠 | 1(2.5%) | 2(5.3%) | 1(2.3%) | 0 | ー |
流産 | 12(30.3%) | 12(31.6%) | 14(31.8%) | 16(25.4%) | ー |
多胎 | 0 | 0 | 0 | 2 | ー |
生産 | 27(27.3%) | 24(21.1%) | 29(21.6%) | 47(25.4%) | ー |
※妊娠:異所性妊娠を含む
胚移植内訳(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
新鮮胚移植 | 自然周期移植 | 0 | 1 | 11 | 13 | 14 |
妊娠 | ー | 0 | 4(36.4%) | 4(30.8%) | 8(57.1%) | |
凍結融解胚移植 | 融解周期 | 99 | 113 | 123 | 172 | 227 |
融解胚数 | 101 | 115 | 126 | 176 | 230 | |
生存胚数(率) | 101(100%) | 115(100%) | 125(99.2%) | 175(99.4%) | 228(99.1%) | |
移植周期 | 99 | 113 | 123 | 172 | 225 | |
移植周期での妊娠数 | 40(40.4%) | 38(33.6%) | 40(32.5%) | 59(34.3%) | 88(39.1%) |
男性生殖関連手術件数(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
顕微鏡下精索静脈瘤手術 | 17 | 29 | 32 | 55 | 60 |
精巣上体精子吸引術(MESA) | 0 | 0 | 3 | 4 | 3 |
精巣精子採取術(simple TESE) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
顕微鏡下精巣精子採取術(micro-TESE) | 7 | 6 | 4 | 13 | 13 |
精路再建術 | 1 | 2 | 1 | 0 | 1 |
生殖配偶子凍結(がん生殖)(単位:件)
年度 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|---|---|
精子(人) | 3 | 4 | 5 | 3 | 5 |
卵子 | - | - | 3 | 1 | 3 |
胚 | - | - | 5 | 2 | 0 |
卵巣 | - | - | 0 | 0 | 0 |
※医学的適応の卵子、胚、卵巣凍結は2020年度より開始