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治療技術の紹介



定位放射線治療

小さな病巣に対し多方向から放射線を集中して当てる方法で、頭蓋内と肺や肝臓、前立腺を主体とした体幹部、転移性骨腫瘍・リンパ節転移などの孤立性病変に対して行われます。病巣にピンポイントで放射線を当て正常組織には当てないため、治療効果が高く短期間で終わるうえ、大きな副作用も見られません。
“サイバーナイフ”は定位放射線治療を得意とする装置です。

頭部(頭蓋内)定位放射線治療

(SRS: Stereotactic RadioSurgery)
(SRT: Stereotactic RadioTherapy )
頭蓋内にある非常に小さな病変に集中して放射線をあてる方法です。
同日に複数個の治療を行うことができるため、短期間で治療が終了します。外来で行うことも可能です。
サイバーナイフやマルチリーフコリメータ*を使った回転型強度変調放射線治療(VMAT)の技術と組み合わせてより副作用の少ない治療を行います。
*マルチリーフコリメータ:病巣の形に合わせて、照射口の形を調整する装置

体幹部定位放射線治療

(SBRT: Stereotactic Body Radiation Therapy)
小さな病巣に対して多方向から放射線を集中して当てる方法です。サイバーナイフによる非同一平面での追尾照射や回転型強度変調放射線治療(VMAT)の技術と組み合わせてより副作用の少ない治療を行います。肺、肝臓、前立腺、椎体などで利用されます。(適応条件あり)

強度変調放射線治療(IMRT)/回転強度変調放射線治療(VMAT)

IMRT: Intensity Modulated Radiation Therapy
VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy
複雑な形の病巣を治療する時に有効な方法です。コンピュータで制御された、強弱のついた放射線を多方向からあてることで、病巣には高い放射線量をあてつつ、隣接する正常組織にあてる線量を低く抑えます。
強度変調放射線治療の進化形が回転型強度変調放射線治療です。短時間(2-3分)での治療が可能となったうえ線量集中性が高いので、より副作用が少なく効果的な放射線治療が可能です。
当院では、全国的にも早くから強度変調放射線治療(IMRT)及び回転強度変調放射線治療(VMAT)に取り組み始め、前立腺・頭頸部を中心に全身ほとんどの領域で、積極的にこの技術を適応しています。

従来の照射

IMRTは凹状に照射ができるため、隣接する正常組織の線量を低く抑えることができる。(赤:前立腺、青:直腸)

IMRT/VMAT

画像誘導放射線治療(IGRT)

IGRT: Image-Guided RadioTherapy

画像誘導放射線治療(IGRT)は、高精度放射線治療を行うためには欠かせません。
肉眼では見ることのできない身体の中の病巣へ正確に照射するために「画像」を用いて精密な位置照合を行う技術です。
私たちはいくつかの方法の中から、患者さんに合った最適な方法を選択して利用しています。

三次元画像で腫瘍や骨の位置を合わせる方法(腫瘍の位置情報によるもの)

治療装置に搭載されたX線装置にてCTを撮影し、三次元画像で位置照合を行う方法です。
前立腺・骨盤・頭頚部など様々な部位で利用します。

二次元画像で骨や金属マーカーの位置を合わせる方法(骨構造の位置情報によるもの)

治療装置に搭載または放射線治療室に設置されたX線装置にて2方向からの撮影や透視をおこない、
二次元画像で位置照合を行う方法です。
当院では主にサイバーナイフでの頭部・椎体・前立腺などで利用します。

体表面画像でレーザー光を用いて身体の表面の位置を合わせる方法(体表面の位置情報によるもの)

乳房など形状に特徴がある部位に対し、体表面検出装置を用い3D体表面画像で位置照合を行う方法です。
乳房・頭頚部で利用します。当院ではVOXELAN(ボクセラン)を用いています。

呼吸管理照射

呼吸による病巣や臓器の動きを監視し、無駄の少ない治療範囲で治療を行う技術です。
肺がんや肝臓がんなどの呼吸性移動の大きい病巣に対しては、正常組織への放射線の影響を減少させるために、息を止めていただいた状態で照射する方法(息止め照射)、安静時呼吸の状態で照射する方法(追尾照射、同期照射)など患者さんにあわせた最適な呼吸管理方法を選択します。
また、心臓に近い左乳房への照射の際も、深吸気息止め照射に取り組んでいます。この方法は心臓への照射を最小限に抑えられ、将来の心疾患リスクの減少につながるため、当院では標準的な治療技術となっています。

左乳房への照射

十分な息止めが可能な方に対し、深吸気停止放射線治療に取り組んでいます。将来の心疾患リスクの減少につながるため、当院では標準的な治療技術となっています。
(ERD社製VOXELAN HEV-600M/RMS使用)

通常の呼吸
左乳房と心臓が近接しているため、
放射線が心臓にもあたる場合がある

深吸気呼吸
左乳房と心臓が離れるため、
放射線が心臓にはあたらない

肺の定位照射

深吸気停止放射線治療に取り組んでいます。広がった肺での照射となり、副作用の少ない放射線治療となります。
(VARIAN社製オプティカルイメージャーシステム使用)

サイバーナイフを用いた治療では自由呼吸下で追尾照射を行います。患者さんの呼吸リズムにあわせて装置側が追従するシステムです。照射範囲を小さく設定できることから副作用が軽減できます。
(ACCURAY社製TLS使用)

通常呼吸(赤色)の照射範囲と呼吸管理法を利用したとき(濃いピンク色)の照射範囲では大きな違いがある。小さいほうがより副作用を軽減できる

Irregular Surface Compensator(ISC)

表面が平らでない臓器全体に、均一に放射線を当てる技術です。脳全体や乳房全体に放射線を当てる場合に有用です。


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