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状況に合わせたさまざまな治療技術



定位放射線治療

小さな病巣に対し多方向から放射線を集中して当てる方法で、頭蓋内と肺や肝臓を主体とした体幹部、転移性骨腫瘍・リンパ節転移などの孤立性病変に対して行われます。
病巣にピンポイントで放射線を当て正常組織には当てないため、治療効果が高く短期間で終わるうえ、大きな副作用も見られません。
2020年5月に導入した“サイバーナイフ”は、定位放射線治療を得意とする装置です。

体幹部定位放射線治療

(SBRT: Stereotactic Body Radiation Therapy)
小さな病巣に対して多方向から放射線を集中して当てる方法です。サイバーナイフによる非同一平面での追尾照射や回転型強度変調放射線治療(VMAT)の技術と組み合わせてより副作用の少ない治療を行います。

頭部(頭蓋内)定位放射線治療

頭蓋内にある非常に小さな病変に集中して放射線をあてる方法です。
同日に複数個の治療を行うことができるため、短期間で治療が終了します。外来で行うことも可能です。
サイバーナイフや最狭マルチリーフコリメータ*を使った回転型強度変調放射線治療(VMAT)の技術と組み合わせてより副作用の少ない治療を行います。
*マルチリーフコリメータ:病巣の形に合わせて、照射口の形を調整する装置

強度変調放射線治療(IMRT)/回転強度変調放射線治療(VMAT)

IMRT: Intensity Modulated Radiation Therapy
VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy
複雑な形の病巣を治療する時に有効な方法です。コンピュータで制御された、強弱のついた放射線を多方向からあてることで、病巣には高い放射線量をあてつつ、隣接する正常組織にあてる線量を低く抑えます。
強度変調放射線治療の進化形が回転型強度変調放射線治療です。短時間(2-3分)での治療が可能となったうえ線量集中性が高いので、より副作用が少なく効果的な放射線治療が可能です。
当院では、全国的にも早くから強度変調放射線治療(IMRT)及び回転強度変調放射線治療(VMAT)に取り組み始め、前立腺・頭頸部を中心に全身ほとんどの領域で、積極的にこの技術を適応しています。

呼吸管理照射

呼吸による病巣や臓器の動きを監視し、無駄の少ない治療範囲で治療を行う技術です。
肺がんや肝臓がんなどの呼吸性移動の大きい病巣に対しては、正常組織への放射線の影響を減少させるために、息を止めていただいた状態で照射する方法(息止め照射)、安静時呼吸の状態で照射する方法(追尾照射、同期照射)など患者さんにあわせた最適な呼吸管理方法を選択します。
また、心臓に近い左乳房への照射の際も、深吸気息止め照射に取り組んでいます。この方法は心臓への照射を最小限に抑えられ、将来の心疾患リスクの減少につながるため、当院では標準的な治療技術となっています。

肺の定位照射

深吸気停止放射線治療に取り組んでいます。広がった肺での照射となり、副作用の少ない放射線治療となります。
(VARIAN社製オプティカルイメージャーシステム使用)

左乳房への照射

十分な息止めが可能な方に対し、深吸気停止放射線治療に取り組んでいます。将来の心疾患リスクの減少につながるため、当院では標準的な治療技術となっています。
(ERD社製VOXELAN HEV-600M/RMS使用)

全身照射

(TBI:total body irradiation)
専用の全身照射ベッドに仰向け、足を延ばした状態でアクリルペレットの袋詰に埋まって寝ていただきます。治療時間が長いため、お好みのDVDや音楽を視聴しながら安心して放射線治療を受けていただけるように配慮しています。

ハイブリッド放射線治療

病巣周辺の正常組織を回転強度変調放射線治療(VMAT)の手法で守りながら、同時に塊の病巣には定位放射線治療の要素でより多くの放射線を当てます。少ない副作用で局所制御をねらう方法です。

Irregular Surface Compensator(ISC)

表面が平らでない臓器全体に、均一に放射線を当てる技術です。脳全体や乳房全体に放射線を当てる場合に有用です。

画像誘導放射線治療

毎日の治療時に撮影するX線やCTなどの画像を利用して正確な位置合わせを行う技術です。高精度放射線治療に欠かせません。当院では病巣の位置により、下記のような最適な位置合わせ方法を選択して利用しています。

腫瘍の位置情報によるもの

放射線治療装置に搭載されたCT(コーンビームCT)を利用し、治療直前の腫瘍等の位置をCTによって確認する方法。

骨構造の位置情報によるもの

放射線治療装置に搭載または放射線治療室に設置されたX線装置にて撮影や透視をすることにより骨構造や体内に留置した金属マーカー等の位置を確認する方法。

体表面の位置情報によるもの

乳房など形状に特徴がある部位に対し、レーザー光を使った体表面三次元スキャナーを用い、リアルタイムに確認しながら位置合わせを行う方法

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