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Inspire〜ここからはじまる〜

浜北愛光園「ケアサポーター~専門職が専門業務に集中できる仕組みづくり~」


ケアサポーター制度のとりくみ

施設で働く専門職は、専門業務(介護等の直接ケア)に加え、掃除や洗濯など多くの周辺業務も担っているため、利用者との直接的関わりが減少していると感じていた。そこで本来の専門職としての楽しさ・やりがいが得られるよう、地域に住む高齢者や主婦を「ケアサポーター」として雇用し周辺業務を依頼。結果、業務の切り分けができ、専門職は専門業務に集中し、利用者に関わる時間の増加や業務負担の軽減にもつながった。令和元年度「静岡県優良介護事業所」職場改善部門で静岡県からも表彰された。

SDGsとの関連性

「ケアサポーター制度」と関連するSDGsの目標は…

8.働きがいも経済成長も
11.住み続けられるまちづくりを
17.パートナーシップで目標を達成しよう

上野 拓朗 (うえの たくろう)

浜北愛光園ケアサービス課 課長。
「ケアサポーター」の仕組みを導入した次世代。育成プロジェクトにファシリテーターとして参加。

渡邉 玲香 (わたなべ れいか)

浜北愛光園ケアサービス課 係長。
実働部隊として、次世代育成プロジェクトで「ケアサポーター」の仕組み導入を中心となって取り組んだ。
「ケアサポーター」の仕組みとは?
近隣地域を中心にお住まいの元気な方(年齢制限なし)を「ケアサポーター」として雇い、介護以外の業務(配膳、食器洗い、風呂掃除など人による)を担っていただく取り組み。1日2時間を朝と晩、1週間のうち都合の良い1日だけ出勤し業務を行うなど、フレキシブルな勤務が可能。

インタビュー

①この仕組みづくりを決めたきっかけは?

渡邉
この仕組みを導入する前は、漠然と現場に人がいないと感じていました。入浴介助をしたらすぐお風呂を掃除して、食事介助にばたばたと入る…。職員の技量によっては時間が押すこともあって、休憩時間をずらしたり、残業したりやりくりして。手と時間が足りないんです。介護以外の業務のことも常に気にかけていたので、利用者さん一人ひとりにもっと向き合いたいと思っていました。

上野
体制が整っていないと、個人が精一杯やっても限界があるんです。利用者さんと関わりたくて介護の仕事を選んだ職員が、介護以外の業務に追われ、利用者との関わりが少なくなってしまうというのはつらいことです。そんな様子をみた園長が前勤務地の聖隷カーネーションホームで実践していたケアサポーターという取り組みを紹介してくれ、チャレンジしてみようかと。園長からいくつかツールやヒントをもらい、チームリーダーを中心とした『次世代育成プロジェクト』を発足しました。

渡邉
全ての職場長に職員の24時間の動きを書き出してもらい、業務を見直しました。「これは介護職がやるべき業務、これは介護職以外でもできる…」と分析して初めて、ここまで業務を細分化できるのかと気が付きました。それまでは何の疑問も持たず、全部介護職員の仕事だと思っていましたから。

上野
今は“高齢者”と言われる人もバリバリ働く世の中ですし、そういう人材を活かす流れとも合致しました。プロジェクトを発足して、職場単位のプロジェクトではなく、様々な職種や経験をもつ職員が、垣根を越えて組織横断的に取り組めたのもスムーズに仕組みづくりができた一因かもしれません。

②導入にあたり利用者さんたちの反応は?

「ケアサポーター募集」チラシ

地域の回覧板にのせて配布した手製の「ケアサポーター募集」チラシ

上野
この仕組みを導入するに当たり、利用者さんやご家族から「介護の経験がない人を施設に入れて大丈夫?」という心配の声はありませんでした。むしろ、園内に掲示した求人広告を見て、面会に来たご家族が「私でもできる?」って声をかけてくれて。前向きな印象でした。個人的には、集まってくれるかな?って心配でしたけど(笑)求人広告も手作りして、地域の回覧板に出しました。

渡邉
今思えば、「食器洗い、配膳」というように具体的に書いたから、仕事内容をイメージしやすくて集まりやすかったのかも。ケアサポーターさん(以下、ケアサポさん)のおかげで介護職員の残業も減りました。

③ケアサポさんを仲間に迎えて変わったことは?

同じ茶葉でもケアサポさんが淹れる一杯は味わいが違う!

上野
ケアサポさんは、一つひとつすごく心をこめてやってくださるんです。お茶1ついれるにも色合いがきれいだし、おいしい。同じ茶葉なのに。

渡邉
お風呂掃除担当の、もと魚屋さんの男性は、自分でカスタマイズしたお掃除道具を持ってきてくれるんです。「この間落ちにくかった汚れ、今日はこれで掃除してみたよ。様子見てみて」とか。ワンランク上のお掃除をしてくれて、驚かされます。皆さん、やりがいとプライドを持って取り組んでくださっているように感じます。

上野
最年長のケアサポさんは80歳。「元気なうちは頑張るね」と、今年で働いて3年目になる頼もしい方です。今のケアサポさんは70歳以上の方が多く、利用者さんと年齢も近いから、利用者さんも話しやすいのかも。空き時間に利用者さんによく歌を披露してくれるケアサポさんもいます。昔流行った歌とか、利用者さんも嬉しそうで。

渡邉
地元の方が多いから、利用者さんと地元トークもできちゃうし。「あの辺りに昔〇〇があったね」、とか。

上野
ケアサポさんは人生の先輩。どなたを見ても学ぶこと、気づかされることが多いです。

渡邉
ケアサポさんのおかげで、私たち介護職員は利用者さんとじっくり向き合え、表情を見ながら落ち着いて介助ができるようになりました。残業も減ったから、仕事後に皆でご飯を食べに行ったりと、プライベートもより充実しました。今はコロナ禍でなかなか行けませんが…。

④上野さんが渡邉さんへアドバイスしたことはありますか?

上野
それが~、特にないんですよ(笑)。ただ必ずやったことが一つだけあって、採用面接で聴き取った応募者の想いや、やれることを現場の係長に伝えるようにしてました。ケアサポさんをただの便利屋にしたくなかったんで。仲間として、仕事のサポートをしてくださる方達の想いをちゃんと反映したかったんです。

渡邉
まずは、仕組みをどうすれば職員が正しく理解できるかをリーダー会で一番時間をかけて話し合いました。ユニット(※1)単位でケアサポさんと私たちが必要としている仕事とをマッチングさせていくのですが、ケアサポさんの思いや条件をひっくるめて、この方なら何ができてどんな働き方がいいのか、どうしたらケアサポさんの能力を最大限に発揮できるかをご本人と慎重に打合せしました。これがちゃんとできないと、皆が「こう思ってたのに違うじゃん!」となってしまうし、最悪、利用者さんへの事故にも繋がりますから。

⑤浜北愛光園を利用者・職員両者にとってさらに良い施設にしていくためにどう発展させていきたいですか?

ケアサポさんも職員も一つになってご利用者の支援をしています!

上野渡邉
地域のたくさんの方々にケアサポさんになってほしいです!
もともと地域の方々に声かけして納涼祭などに参加いただいてたんですが、仕組みが取り入れられてからは、ケアサポさんがお孫さんを納涼祭に連れてきてくれたり、休日に日課で愛光園周辺を散歩しているケアサポさんが「何か手伝えることある?」って様子を見に来てくれたり。今まで地域の防災訓練に参加して私たちが外に出ていくことはあったけれど、地域の方が愛光園に入ってくることはなかったので、仕組み導入が愛光園を知ってもらう良いきっかけになりました。地域に開けた、そして地域に支えていただいている施設になりつつあるのをグッと感じています。
それから、ケアサポさんの中には働いていくうちに、介護をしてみたいという方もいらっしゃいます。そういった方には、例えば「車いすの介助」や[更衣介助]など、介護の基礎知識の学びの場もつくっていきたい。あと、今はユニット型でこの仕組みを運用しているので従来(※2)型にも応用して取り入れていきたいですね。
浜北愛光園でも、ICTの導入により利用者・職員にとって、便利で快適な環境が進んでいます。そのなかでも、人でなくてもできる事や人でしかできないことがあります。ケアサポーターの存在は、人でしかできない仕事を更に充足させるために、欠かせない存在になると思います!
(※1)ユニット…「ユニット」と呼ばれる10名前後の少人数単位で介護をするスタイル。入居者は一人ひとり個室(準個室)を利用できます。施設に入っても環境変化が比較的小さいのが特徴です。
(※2)従来…数人で相部屋として使用する造りが中心になっています。このほかにも、食堂やリビングなどの共有部分は大人数で利用します。

出典:ジョブメドレーHPより

浜北愛光園 施設概要

所在地 〒434-0023
静岡県浜松市浜北区高薗208-2
電話番号 053-584-0700
FAX 053-585-6511
開設日 1999年4月
定員・定床数 150名+20名+20名
施設種別
  • 特別養護老人ホーム
  • 老人デイサービスセンター
  • 老人短期入所事業
  • 相談支援事業
  • 障害者相談支援事業
ホームページ こちらをご覧ください
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