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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事 日下部行宏(2021年11月号)有情活理-うじょうかつり-


理事 日下部行宏

私が好きな言葉、有情活理。理屈が正しくても情がなければ人は動かない。情があることで理屈は活きると言う意味です。情とは人の心のはたらき、つまり、私は信頼だと思います。しっかりと向き合い、お互いの理解と信頼を深めることが大切と考えています。

病院の現場リーダーと愛情と情熱をもって面談中の様子

病院の現場リーダーと愛情と情熱をもって面談中の様子

私は病院経営支援担当として、目的である『良質な医療の提供』を実現するために、最も重要となる”職員への動機付け”が私の役割だと感じています。特に現場のリーダーの意識とモチベーションが大事です。
私は病院で現場のリーダーと面談する際、組織のビジョンに現場のピントが合っているかを確認しています。具体的には自院の状況と課題を把握しているか、課題を解決するための道筋が考えられているかを問いかけるようにしています。リーダーには自分事と思ってもらうため、ついヒートアップしてしまう事もありますが、元プロ野球チームのリーダー(監督)野村克也氏の名言にもあるように”叱る”と”褒める”は同意語。ただ怒られていると捉えられないよう、愛情と情熱の両方の”情”をもって接することを心掛けています。
目の前の課題を発見し、課題解決の成功体験を積み重ね、経験や知識を結びつけることで新しい価値の創造ができるようになっていきます。チームのリーダーが誰よりも高い視点を持つことは組織の底上げとなります。

聖隷淡路病院黒田院長(左前)、長谷川特別顧問(右前)

聖隷淡路病院黒田院長(左前)、長谷川特別顧問(右前)らと共に自立した現場リーダーの育成に力を入れています

先日、私が参加したWebセミナーでタスクシフト/シェアについて議論しました。私は元々、診療放射線技師ですが、診療放射線技師が造影剤の注入確認、抜針、止血ができる時代に、そのスキルを身に付けようと一歩踏み出そうとしない技師が多いことを危惧しています。新たなことに挑戦する場合「仕事が増えるなら人員も増やさないと患者の安全が保たれない」という意見があります。私もこの発言自体を否定はしませんが、さらなる工夫をして安全管理をしつつ、変化に対応していく意識やスピード感が無ければ、病院が衰退していくことに気づいていないのではないでしょうか。できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを考える事が現場の自立に繋がります。人から言われてやるのではなく、自ら実行する自立した仕事人となってもらいたいと私は願っています。
先の見通しが立てにくい時代、過去の経験だけでは通用しません。一人ひとりが自立し、当事者意識をもって取り組まなければ生き残れません。自らが変わり、自身で考え行動することは不安であり、怖い事でもあります。だからこそリーダーは誰よりも高い視点で、情をもって職員に理を説き、背中を押してやらねばならないのです。これができるリーダーを一人でも多く輩出すべく、私は有情活理をもって動機付けに取り組んでいます。
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