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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事 津幡佳伸:在宅・福祉サービス事業部長(2021年12月)「彼等を愛する事を知った人達」


理事 津幡佳伸

数名の教会の青年達の働きから作られた聖隷福祉事業団は2020年で創立90年を経て、職員数も15000名を超える大きな組織になりました。自身も40年を聖隷で働き、先人の働きを神様の働きとして思い返すことが多くなりました。

『聖隷保養園創立40周年記念号』より (昭和45年5月20発行)

『聖隷保養園創立40周年記念号』より
(昭和45年5月20発行)

先日、聖隷創立40周年記念の機関紙を見る機会がありました。発行は昭和45年5月。
その中で創立40年記念事業として「聖隷福祉タウン建築計画」が描かれています。既に開設されていた十字の園、小羊学園、聖隷学園、わかば保育園に加えて、鳥瞰図には病院増築、看護婦宿舎、リハビリセンター、スポーツセンター、校舎、働く老人ホーム等が描かれ、福祉事業の在り方について大きな議論を呼びおこす構想になるとしています。
日本で初めてとなる有料老人ホームはこの構想の中で創られたのだと想いを巡らします。
福祉タウンへの思いはこんな言葉も添えられました。
「この町には、愛を受けなければ生きられない多くの人々が住んでいます。
 そして、その人々は多くの愛を受けて幸せに暮らしています。
 しかし、もっと幸せな人たちは、この町に住んで彼等を愛する事を知った人達です」

現在の聖隷三方原病院一帯(2017年撮影)

現在の聖隷三方原病院一帯(2017年撮影)

私はこの福祉タウンを見てから集められた者に過ぎません。しかし、聖隷の歴史は「もっとも弱い人達と共に苦しみ、もっとも不幸な人達にあらん限りの愛を尽くし、しかも周囲から筆舌に尽くし難い程の迫害を受け、『神よ、あなたは之でも我等を見捨てるのか』と絶句した祈りの中から、神に驚く程の奇跡を与えられて聖隷保養園は発展したのです」と語っています。
50年前では信じられない光景が三方原の地では実現しました。
その歴史は神の力を信じ生きた証人によって刻まれ、聖書を模範としながら歩まれて来ました。
今の恵まれた時代に生きる自分は「彼等」を愛することを知った者になりたいと願うものです。
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