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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事 荻野和功:聖隷三方原病院院長 (2022年6月号)七色の変化球


理事 荻野和功

プロ野球の世界では、160km/hの球速を誇るピッチャーでも直球ばかり投げていると打たれてしまう。相手もプロの打者なので、次第に慣れてタイミングが合ってくるらしい。同じ投球フォームから変幻自在に変化球を投げられると、自慢の直球がさらに生きてくるようで、相手打者も的が絞り辛くなるらしい。やはり、何事も体力勝負では限界が有り、投球術という頭脳プレーが投手生命を左右する。

人により色々なボール(コミュニケーション)が飛んできます

若い頃より私はいろいろな上司、教授に仕えてきた。何を考えているのかさっぱり分からない上司。手術が遅いと途中からいらいらしていることがすぐに分かる単純な外科部長。いつもにっこりと穏やかな振る舞いであるが、人事を見て恐ろしさに凍り付く教授。いろいろなところにそのお人柄は出てくるが、いつも直球ばかりの人間は、随所で相手とぶつかることが多くなる。その衝突を避ける得策は、現場での衝突は避けて、問題が表出しないように例えば主治医からはずすとか、次の人事でその人と同じ職場で仕事をしなくて済むように異動をさせれば話は早い。納得いかない人事は、いろいろな憶測を生じるが、異動に対する説明義務など人事部には存在せず、真相は闇に包まれたまま時間は過ぎてゆく。

教育も観察とフォローが大事

私は自分が外科の責任者となり、科員へ教育をする立場になってからは、なるべく分り易く、なぜ怒られたのかを説明するように心がけた。そこを改めるか、頑固に貫くかは本人次第であるが、過小評価を受ける理由を説明することなく、その疾患の主治医からはずすような行為は、その人間から復活の機会を奪うとの考えからであった。知らん顔をして、変化球を投げておけば、現場には波風は立たないであろうが、私の不器用な性格は簡単には治らない。
一方評価を受ける側も、私からの指摘に、「このようにはっきりと言われたことは今までなかった。言われて、自分の欠点が分かった」と感謝して頂けることも多かったが、他の施設でも同様の指摘を受けたことがある科員にとっては、分かっていても修正できない部分への指摘となり、さらに落ち込ませる結果となった。この場合、指摘後の注意深い観察や、その後のフォローには特に労力を要した。振り返って、自分は変化球を投げる技術も持ち合わせず、また投げたいと思ったこともなかったが、変化球が操れる人間のほうが処世術には長けているように感じている。
ところで無限の可能性を秘めている阪神の藤浪晋太郎は、どこかでもう一度開花するのだろうか?可能性を秘めたまま、埋もれてしまうのだろうか。誰か教えて!

一投入魂!
直球で分かりやすく伝えます

所在地 〒433-8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
電話番号 053-436-1251
FAX 053-438-2971
開設日 1942年12月24日
定員・定床数 940床(一般816床〔コロナ特例病床6床含む〕)、結核20床、精神104床)
施設種別
  • 医療保護施設
  • 助産施設
  • 居宅療養管理指導事業
  • 訪問看護事業
ホームページ こちらをご覧ください

「聖隷三方原健康福祉タウン」の中核施設として、多面的に関係機関と連携し、地域住民の方々の健康を守っています。

2021年7月に正式運用されたドクターヘリ格納庫

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