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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事 彦坂浩史:(2025年2月)心のバリアフリー


以前から聖隷福祉事業団では「海外の福祉事情に直接触れ、新たな知見を提案する」ことを目的として、定期的に医療・福祉の役職員を対象とした海外研修を実施してきました。他国の文化や生活様式を自分の目で見て肌で感じることは大変有意義です。特に福祉分野では先進的とされる北欧諸国へ訪問していましたが、多文化共生やノーマライゼーションの定着を直接感じることによって、日本や自分たちの仕事を客観視できます。海外研修はコロナ禍の影響により2020年から中断していましたが、2024年9月にようやく復活できました。

研修に参加したメンバー

今回は、「障がい者就労の質の向上と新たなサービスの創出」をテーマに障がい者就労支援事業所のメンバー5名がデンマーク・スウェーデンを訪問しました。今回は学校・地域活動センター・障がい者就労企業等を視察しましたが、参加者はみな「本人がやりたい事を見つけ、可能性を探る。支援者も一緒に考えるという価値観」に感銘を受け刺激となったとのことでした。

研修について詳細はこちらをご覧ください▶2024年北欧視察研修【デンマーク・スウェーデン】
日本では障がい者就労を福祉施策として捉えがちですが、欧米では労働施策、すなわち「社会に貢献する労働力」の一部となっています。労働力不足が課題となっている現代日本社会でも「外国人雇用」とともにシフトチェンジすべきテーマです。障がいを医学(個人)モデルとして捉える風潮の日本は、駅や道路のバリアフリーなど物理的障壁は欧米よりも解消されていると感じますが、社会全体が障がいを社会モデルとして捉えていかなくてはなりません。すでに「障害者基本法」は、社会モデルの考え方を基盤としています。

参照:改正障害者基本法の概要​​(2)定義(法第2条関係)内閣府
参照:「障害者権利条約」外務省

在園生を囲んで記念撮影

2022年に静岡県から移譲された浜松学園は今後の事業団障がい者就労の中核となる施設です。その浜松学園で初めてとなる「浜学祭」が2024年11月に開催され、地域の方々を中心として約1,500名にご来場いただきました。プログラムの中では「卒園生による報告会」があり、発表者はみな「仕事のやりがいと今後のステップアップ」を報告してくれました。

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利用者に寄り添い自立と社会参加を支援しています

今後も障がい者就労の支援として、「職業訓練とスキルアップ機会の提供」を拡大するために新たな事業や業務分野を開拓していきます。特にITに関連した業務の開発に注力しています。デジタルは若い世代に親和性があり、また本来ハンデをカバーするためのものでもあるからです。
そして障がい者の可能性を見つけ、育成し、活躍の場を提供するシステムを構築していければと考えます。
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