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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事長: 青木善治(2026年4月)新年度を迎えて ~震災から15年、あの経験を胸に~


春の訪れとともに、新年度がスタートいたしました。
本年度も聖隷福祉事業団には、451名の新入職員を迎えることができ、新たな一歩を踏み出す節目の時期となっています。新たな仲間となっていただいたことを、心より嬉しく思います。

2026年度辞令交付式 新入職員代表による抱負

現在、医療・福祉の現場は人材不足という大きな課題に直面しています。そのような中で、「聖隷で働きたい」「誰かの力になりたい」という志を持って仲間となっていただいた皆さんに、心から感謝いたします。皆さんは単なる人員ではなく、私たちにとってかけがえのない存在です。新入職員の皆さんには、それぞれの志を大切にしながら、これからの歩みを進めていただきたいと思います。

こうした新たなスタートの時期は、これまでの歩みを振り返る機会でもあります。
本年は、東日本大震災から15年という節目の年にあたります。尊い命を失われた多くの方々に、改めて心より哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

東日本大震災から15年

津波被害

15年前のあの日、聖隷福祉事業団の執行役員会が東京・品川で開催され、私は品川駅から会場へ向かう途中でした。突然の大きな揺れに見舞われ、当初は地震とは気づかず、眩暈かと思ったことを覚えています。ふと空を見上げると、周囲の高層ビルが大きく揺れ、今にも倒れてくるのではないかという不安に襲われました。山手線は停止し、その後テレビで目にした津波の映像は、現実とは思えない光景でした。阪神・淡路大震災の記憶と重なり、ただ事ではない事態であることを実感しました。その日は浜松へ戻ることもできず、都心には帰宅を急ぐ多くの人があふれていました。携帯電話の警報が鳴り続ける中、ホテルのシングルルームに男性三人で身を寄せ合うように一夜を明かすこととなりました。慣れない状況に落ち着かない時間が続く中、すぐ隣では当時の某院長が穏やかに休んでおられ、その落ち着きぶりに驚かされたことを覚えています。

浦安地区の聖隷施設 深刻な液状化

一方で、聖隷の施設も大きな被害を受けました。佐倉、浦安、藤沢などでは施設の損害や機能の一部を失うなど、深刻な状況に直面しました。そのような中、浜松地区から多くの応援職員が非常用物資の搬送とともに、現地の支援に赴きました。
また、現地における相互支援も行われ、聖隷の総合力と職員の「何とか支援したい」という強い思いに、深い感銘を受けたことを思い出します。
震災から15年が経過し、国はもちろん、私たちも多くを学び、防災体制は大きく前進してきました。
聖隷においても、以下のような取り組みを進めてまいりました。
・被災地域へ人的・物的支援を行う広域防災体制の整備(災害時に各地域と迅速につながる専用回線の導入など)
・災害時の安否確認および緊急連絡手段としての「ANPIC」の導入
・食料や災害用備品の充実
・各施設におけるBCP(事業継続計画)の整備・強化
・災害派遣医療チーム(DMAT)の移動用車両の導入

また、外部との連携として、
・災害拠点病院を中心とした救護体制への参画(DMATの活動を含む)
・DWAT、DCAT、DC-CAT、JRATの活動
・災害医療協力病院や福祉避難所の整備
など、地域全体での支援体制の構築にも取り組んでいます。

※DMAT〈災害派遣医療チーム〉、DWAT・DCAT〈災害派遣福祉チーム〉
 DC-CAT〈災害地域ケア支援チーム〉、JRAT〈災害リハビリテーション支援協会〉

2024年能登半島地震被災地におけるDMAT第1次隊

2021年熱海市伊豆山土石流災害における静岡DWATの活動様子

今後の課題としては、各地域における行政や医療機関、福祉施設などの関係機関との連携をさらに深め、より実践的な訓練を重ねていくことが重要であると考えています。

こうした取り組みや課題に向き合ううえでも、私たちが大切にすべき考え方があります。
派遣される職員だけが支援するのではなく、職場を守る職員も含め、全員で支援していることを忘れてはなりません。
あの経験と教訓は、15年を経た今もなお、私たちの原点であり続けています。
災害はいつ、どこで起こるか分かりません。だからこそ、日頃からの備えと、いざという時に行動できる組織力が求められています。
新たな仲間を迎えた本年度、私たちは改めてこの原点に立ち返り、それぞれの役割を果たしながら、地域に一層信頼される存在を目指してまいります。

職員一人ひとりが力を発揮し、支え合いながら前進していく一年となることを期待しています。
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