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ホーム > Ⅱ消化器症状  >  D.吃逆

D.吃逆

ページの目次


Overview

原因:(1)、(2)のいずれかのことが多く、まれに(3)のことがあります。
(1)神経の刺激(縦隔・脳腫瘍での横隔神経の圧迫、横隔膜の直接の刺激)
(2)消化管の拡張からの迷走神経刺激への入力(肝腫大・胃癌による胃の拡張不全、胃小腸の拡張)
(3)代謝性要因(肝不全や腎不全、薬物)

眠気の出る薬が多いので、全身状態が悪い時は「眠気をどこまで許容するか」の相談が必要なことが多いです。

上部の完全閉塞の場合は、胃内容物がドレナージされないと薬物療法では難しい場合がほとんどです。

神経の刺激を抑える手段


処方例
内服してい(柿のへたのせんじ薬)眠くはなりませんが、飲むのが大変です。
リオレサール2~4T 分2~4
発作時:1~2T
やや眠くなることがあります。
リボトリール1~2T 寝前
発作時:1T
数日すると蓄積して眠くなることが多いです。
コントミン5~12.5mg 寝前
発作時:1回分
眠気は強いです。少量から調節すると良いです。
内服以外ワコビタール坐薬、または フェノバール注、皮下注50~100mg、寝前
発作時:50~100mg
痙攀の時に使う程度に眠くなります。3~5日後に血中濃度をはかって調節してください。
ポララミン1~3A/日 持続静注
発作時:ポララミン1A静注
眠気の度合いは人によってかなり違います。全くない人からすごく眠くなる人までいます。
コントミン0.1~0.2A(2.5mg~5mg)・生食100mL 寝る前
点滴静注
確実に眠くなるので、使用するときは寝前に投与してください。

消化管内容を減らす手段

→ 「II-AB消化管閉塞」を参照してください。



まとめ

原因によりけりですが、おおよそ下記のような対処をしてみることが多いです

1.まずNG、X線などで胃に溜まっているかを検討する

2.消化管閉塞ならその治療を強化(上部閉塞ならNGや嘔吐などで内容物が減少しないかぎり減らないことが多い)

薬物を使うなら:
コントミン0.1~0.2A・生食100mL 寝る前、点滴静注
※ 確実に眠くなるので、使用するときは寝前に投与してください。


全身状態が良い場合コントミン、リボトリール、リオレサールなど
全身状態が良くない場合眠気が出ることが許容できるのかどうかを患者さんに聞いて薬物を選択する。
日中に眠気が出てもOKならば、持続投与。
日中に眠気はいけない場合は、夜間にかぎって投与。
日中はプリンペラン、ポララミン頓用程度。