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睡眠時無呼吸外来(耳鼻咽喉科)


2022年5月から、睡眠時無呼吸外来を開始しました

睡眠ポリグラフ検査のうち、入院でできる精密(無呼吸)検査ができる病院・施設は限られています。
当院では、週末に検査(土曜日入院&検査 日曜日退院)を行っています。
平日は仕事で忙しく、検査の機会が得られなかった方はぜひご相談ください。
また、治療を導入後、近隣の診療所へのご紹介等病診連携も積極的に勧めていきます。

睡眠時無呼吸症候群:sleep apnea syndrome(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome,SAS)とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう状態が繰り返される病気です。
睡眠時無呼吸は、睡眠中の無呼吸の原因によって 「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」と 「中枢性睡眠時無呼吸(CSA)」の大きく2つに分類されます。

閉塞性睡眠時無呼吸:OSA

睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなったり、一時的に閉塞したりすることによって発症します。主な原因は、肥満による首や喉の周りの脂肪です。仰向けの状態で横になると重力にしたがって気道を圧迫するため、上気道のスペースが狭くなるのです。その他、生まれつき舌や扁桃、アデノイドが大きかったり、顎自体が小さかったりすることで、仰向けになると舌の根元が喉に垂れ下がることなどが原因となります。 また、慢性鼻炎や鼻中隔弯曲症など、鼻の病気によって、空気の通り道が狭くなることも原因として挙げられます。

中枢性睡眠時無呼吸:CSA

脳、神経の中で呼吸をつかさどる延髄の呼吸中枢の異常によって、正常な呼吸運動ができなくなり発症するタイプです。はっきりとした原因が分からないことも多いですが、心不全や腎不全を発症しているケース、脳梗塞や脳出血の後遺症、生まれつき脳に奇形があるケースなどで発症しやすいとされています。

一般的に睡眠時無呼吸というと、「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」のことになり、その診療において、上気道を専門としている耳鼻咽喉科の果たす役割は大きいと考えています。

症状

このような症状はありませんか?
・いびき
・日中の眠気
・起床時の頭痛や倦怠感
・不眠(夜中に目が覚める)
・夜間頻尿 など

検査から診断・治療の流れ

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中の強いいびきと、夜間の無呼吸状態を繰り返すことで、睡眠が浅くなり、日中の眠気・起床時の頭痛などを引き起こします。また、症状が長期間にわたると、日中の倦怠感や集中力や注意力が散漫となり、居眠りなどによって思わぬ事故を起こしやすくなります。さらに、成人の睡眠時無呼吸症候群では、高血圧や脳卒中、心筋梗塞が起こる危険性が通常より上昇することが分かっています。できるだけ早く、原因となる肥満の改善や、治療を行うことが必要です。

検査・診断

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、次のような検査が行われます。

睡眠ポリグラフ検査

(左)装着時 (右)夜間検査実施中  

睡眠の質や睡眠中の呼吸の状態を調べる検査ですが、自宅で実施可能な簡易検査と、入院が必要な精密検査があります。
一般的には簡易検査を行って、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強い場合に精密検査が行われます。

簡易検査(在宅)
携帯用の医療機器を用いていびきの状態や空気の流れを感知するセンサーを鼻の下に、血液中の酸素濃度を測る機器を指に装着した状態で眠り、睡眠中の呼吸状態や上気道の狭窄の有無を評価する検査です。

精密検査(入院ポリソムノグラフィー:PSG)
医療機関に入院した上で、脳波や心電図、眼球や胸の動き、口と鼻の空気の流れ、血液中の酸素濃度を測るセンサーを装着した状態で眠り、睡眠中の姿勢やいびきの音などを調べます。簡易検査よりも睡眠の質や呼吸状態をより詳しく評価することができますが、簡易検査より費用や時間がかかります。

画像検査

睡眠時無呼吸症候群は喉や鼻、舌の異常によって引き起こされることもあるため、喉頭内視鏡検査の他、X線検査・CT検査などが行われることもあります。

治療

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、病態や重症度に応じて、次のような治療が行われます。

経鼻的持続陽圧呼吸療法:CPAP

※画像はイメージです

睡眠ポリグラフ検査で睡眠時1時間あたりに無呼吸や低呼吸になった回数が、精密検査で20回以上の中等症~重症のケースでは、睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げる経鼻的持続陽圧呼吸療法が行われます。この治療を行うことで、心筋梗塞や脳卒中などを発症する危険性を通常と同程度まで低下させることが分かっているため、全国的にも広く行われている、標準的な治療です。

歯科装具:ORAP

顎が小さい、舌が大きいなどの原因で睡眠時無呼吸症候群を発症している場合で、軽症~中等症のケースでは、下顎を前方へ移動させるような歯科装具、マウスピースを歯科口腔外科に依頼して、作成・装着していただくことがあります。

手術

小児などに多いアデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症などの器質的な異常が原因となっており、手術での改善が見込まれる場合は、アデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術、鼻中隔矯正術などの鼻閉改善手術などを行います。また、成人例で必要があれば、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術を行います。

生活指導

睡眠時無呼吸症候群の多くは肥満によるものであるため、たとえCPAPなどを行っていたとしても、減量を目指した食生活の改善や運動習慣の定着などの生活指導が行われるのが一般的です。

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