グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ


精巣に対する治療


男の子のお子さん、“たまたま”(精巣・睾丸)ちゃんと袋の中にありますか?

はじめに

お母さんたちの中には、息子さんの“たまたま”について、あまりマジマジと見たことがないという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
近隣の先生方による検診で精巣の異常に気づかれ、当院小児外科である私のところへ紹介となる場合が多いですが、普段の様子はいつも一緒にいるご家族が一番良くわかると思います。
「あれ、、、?なんか変だな、、、」と思ったら、お気兼ねなく小児外科へご相談ください。

停留精巣ってなぁに?

男の子の精巣は元々お腹の中にあり、お母さんのお腹の中で生まれてくる過程で少しずつおちんちんの近くまで降りてくるようになります。最終的には「陰嚢」と呼ばれる袋の中に収まっていくべきものですが、中にはこの精巣の降りてくるステップが途中で停止し、どちらか、もしくは両方の精巣が袋の中の本来の場所より高い場所にある、もしくはそもそも見つからないことがあります。これらを「停留精巣」と呼びます。

精巣が降りて来ないと何が問題なの?

精巣は、あまり暖かい環境にいると正常な働きができなくなってしまい、その成長自体も影響を受けます。人間の体の温度は中心に近ければ近いほど高く、離れれば離れるほど低くなります。男の子のおちんちんの袋は体の中心よりさらに下に垂れ下がっており、その中に精巣を保管しているため都合よく出来ています。
停留精巣であまりにも長い時間、本来のあるべき場所よりも暖かい場所で放置されていたら精巣は健康的な成長を邪魔されてしまいます。また少数ですが暖かいところにずっとさらされた精巣が将来的にがん化したということも言われています。

治療はどのようにして行うの?

停留精巣のお子さんは、なるべくはやく手術をしてあげることが大切です。
手術は全身麻酔で行います。精巣が袋の上の方くらいまで降りてきているタイプの場合、陰嚢の下の部分を1cmほど切開し片側15~20分ほどの手術で終わります。その場合は日帰り手術も可能です。ただし、精巣がそれより上のところで停まってしまっている場合は、さらに下腹部も2cmほど切開し上の方から引き下ろしてあげないといけないため、その分手術の時間がかかります。

遊走精巣ってどんな病気?

遊走精巣とは前述しました精巣下降は完了しているものの、「精巣挙筋」と言われる筋肉の過剰反射と精巣の固定不良により、精巣が鼠径部に挙上する病態です。
停留精巣は1歳前後で必ず手術が計画されますが、遊走精巣は必ずしも手術が必要とはなりません。それは成長とともにある程度挙上が目立たなくなっていくからです。
遊走精巣を手術するべきかどうか、また手術するとしたら何歳で手術するべきなのかという点は議論がわかれるところです。結果的に手術が不要になるケースも多いですが、定期的な受診をしながら手術の必要はないか慎重に評価をしていくことが極めて大切です。
「袋の中に“たまたま”があるときもあるんだけど、ないときもあるんだよなぁ」というお子さんは、なるべく早く当科へご相談ください。


PAGETOP