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早期関節炎外来(リウマチセンター)


2024年4月から、早期関節炎外来を開始しました

関節リウマチでは関節破壊が一度進行してまうと 、残念ながら関節を元の状態に戻すことはできません。
関節リウマチの患者さんが一人でも多く関節破壊が進まない状態(寛解)を達成するためには、治療のタイミングを逃さないことが重要です。
発症早期に十分な治療を行えるよう早期関節炎外来では、一人でも多くのリウマチ患者さんが寛解を達成できるよう、診療します。

関節リウマチとは?

Annu Rev of Immuno. 1996; 14:397-440の引用

関節リウマチは、関節の炎症(関節炎)を中心とした全身性の炎症を来す自己免疫性疾患です。無治療だと関節の炎症により徐々に関節構造が破壊され、関節に変形を来し、身体の機能が障害され就労や日常生活が困難になります。日本では約60~80万人が罹患しており、約0.5~1.0 %に発症する稀ではない疾患で、浜松市でも4000~8000人が罹患していると推定されています。
このような症状はありませんか?
・関節の腫れや痛み
・朝のこわばり など

症状としては上記にありますとおり関節の腫れや痛み、朝のこわばりが特徴的で、発症年齢は40~50歳に多く、女性が約80%を占めると報告されています。発症原因は明らかにはなっていませんが、感染症や遺伝、喫煙、歯周病など複合的な要素が関連していると報告されています。

当院の早期関節炎外来の特徴

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断は、関節の腫れや圧痛をみる触診に加えて、血液検査でのリウマチ因子や抗CCP抗体陽性、炎症反応陽性、6週間以上症状が持続していることなどが必要となります。

関節リウマチの新分類基準(2010)

関節超音波検査

しかしながら近年、リウマチ因子や抗CCP抗体陰性の高齢の関節リウマチ患者さんが増加しています。当院でも新規発症の関節リウマチ患者さんの平均年齢は67歳で、30~40%はリウマチ因子や抗CCP抗体陰性でした。このような患者さんだと他の疾患も鑑別になるため診断が難しいケースもあります。
当院では問診や診察に加えてレントゲン検査や超音波検査などによる画像的な評価を組み合わせることで関節リウマチの早期診断が可能になっています。

手関節超音波検査画像

結果として、関節リウマチで当院通院中の患者さんでは症状出現から治療までの期間は約3ヵ月となっており、発症早期に治療が開始できている患者さんがほとんどでした。

早期治療の重要性

関節リウマチでは一度関節破壊が進行してしまうと、残念ながら関節を元の状態に戻すことはできません。特に関節リウマチは発症から2年以内の破壊が進むとされており、この時期に十分な治療を行うことが非常に重要です。
当院では前述のとおり、発症早期に治療を行うことができている患者さんが非常に多いです。
また、近年、関節リウマチは治療薬の進歩により、メトトレキサートを含めた抗リウマチ薬、生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用されるようになり、現在の治療目標はほとんど症状のない状態、関節破壊が進まない状態(いわゆる寛解)を目指し、維持することとなっています。当院における治療開始半年後の治療成績においても70%以上の患者さんが寛解を達成できています。

当院での新規関節リウマチ患者におけるDAS28CRPの疾患性活動性変化

この高い寛解率は、早期診断と治療によるものが大きいと考えられます。一方で、当院でも生物学的製剤、JAK阻害薬を使用している患者さんは20~30%程度いらっしゃいます。しかし、生物学的製剤やJAK阻害薬は高額であり、また感染症などの副作用の問題があり長期投与はなるべく避けたい薬剤です。その一方で発症早期に寛解に至った患者さんでは、このような治療を減量もしくは中止できるとの報告もあります。当院ではこのような薬剤を数年間使用した患者さんにおいて、寛解を達成した後に減量や中止することを積極的に勧めています。
(寛解達成後の薬剤減量や中止の推奨をしています)

受診方法

外来は原則紹介予約制です。受診を希望される場合はかかりつけ医の紹介状が必要となります。
毎週水曜 午前 大村晋一郎医師が診察

対象となる患者さん

  • リウマチ因子や抗CCP抗体陽性の関節リウマチの患者さん
  • リウマチ因子や抗CCP抗体が陰性だが関節痛や関節炎を認めるもしくはCRPが陽性であり、診断に迷うような患者さん
  • 慢性炎症性の関節痛や筋肉痛が持続しており、リウマチ性多発筋痛症などの膠原病疾患が疑われるような患者さん
  • 関節リウマチの診断で治療を行っているが、治療強化が必要な患者さん
  • 肺病変や腎障害などの合併症を認めており、治療強化が難しい関節リウマチの患者さん
  • 治験に興味がある関節リウマチの患者さん


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