理事 岡俊明:聖隷浜松病院院長 (2022年8月号)医は話術
医師になって35年となりますが、これまで先輩医師から多くのことを学び成長できたと思っています。知識・技術ともに完璧で恐ろしく優秀な先生、パワハラ全開で指導する先生、最後まで何を考えているか理解できなかった先生、など個性的な先輩に恵まれ育ててもらいました。
毎朝循環器病棟のカンファレンスに出て
若い人から刺激をもらっています
そのなかで印象強く残っている言葉が、『お前ひとりのスキルで治療できるのは何か?』と問われ、理解できないでいると、『治療で使っているカテーテルも処方している薬も他人が開発したもので、自分一人の力で成し遂げた治療ではない、言うなれば他人のふんどしで相撲を取っているようなものだ』と言われ、『自分一人の力で出来ることは、患者さんに安心してもらえるように説明できるスキルだ』と教わりました。
医師になって4年目くらいであった自分に、患者さんを安心させるような説明ができるほどのスキルはなく、その時は質より量でいこうと考えました。受け持ちの入院患者さんの血液検査結果が出たらベッドサイドに行き説明、レントゲン検査が終わったら結果を説明、心電図モニターで1日不整脈がでなければ夕方にそのことを説明、薬の変更があればその前に説明するなど、1日に何回もベッドサイドに行くことが習慣となりました。その結果、患者さんがどのようなことを不安に思うのか、どのように話すと安心して喜んでもらえるかなどが徐々に見えてくるようになりました。
保育園の子供たちの訪問を受けました
子供の話術には勝てません
知識や技術を学び臨床に活かすことは重要でありますが、『医は話術』であると考え、そのスキルを高めることも臨床医として必要であると教わった気がします。これは単純に話術に長けているということではなく、相手が何を思っているかを考え、どのように伝えたら理解してもらえるかを洞察する力ではないでしょうか。
あと何年臨床の現場に立っていられるかわかりませんが、『医は話術』であることを意識してもう少し頑張ってみようと思います。
あと何年臨床の現場に立っていられるかわかりませんが、『医は話術』であることを意識してもう少し頑張ってみようと思います。
所在地 | 〒430-8558 静岡県浜松市中区住吉2-12-12 |
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電話番号 | 053-474-2222 |
FAX | 053-471-6050 |
開設日 | 1962年3月5日 |
定員・定床数 | 750床 |
施設種別 | ・医療施設 ・助産施設 |
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