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役員がつづるコラム「膠漆之心」

理事 平川健二:高齢者公益事業部長(2022年9月)「座右の銘をお聞かせください」


小学生の頃、「あなたの座右の銘をお聞かせください」と言われたら何と答えればよいのだろうと、聞かれたことも無いのに密かにドキドキしていました。

私の座右の銘遍歴は
この頃から始まっていたようです

悩んだ末にその時選んだのは「立って半畳、寝て一畳」。”人間は足るを知ることが肝要”のような高尚な考え方に共感したというより、語呂が良くて、今で言うところのミニマリスト的なカッコ良さに惹かれたのだと思います。
中学生の頃、親友が「俺の座右の銘は、”継続は力なり” だな。小さなことでも続けることで大きな目標を達成できるってなんか良いよね」と語るのを聞き、そっちの方がちゃんとした感じがするなあと感化され、座右の銘は「継続は力なり」にあっさり変更。
しかし、「継続は力なり」は座右の銘界ではスーパースター、ランキングがあれば必ずトップ10入りするであろう存在。それでは面白みがないと他を探し求め、大学生の頃に「失敗すればするほど成功に近づいている(by トーマス・エジソン)」の言葉に、これは人生の真理を見い出したのではないか、という気になり、座右の銘に昇格。もっとも就職活動の際は、面接官に”こいつは失敗ばかりしながら自分を正当化する厄介な奴ではないか” と思われるのを回避するため「”一念天に通ず”です」などと恥ずかしげもなく答えたこともありました。

ほとんど聞かれることも無いのに、座右の銘は一体何と答えたら良いだろうかと、半世紀あまり密かに悩み続けています。そしてあまり聞かれることもなく、披露しても大概は”ああそうですか・・・”で終わっているのに。しかし、振り返れば名言やことわざと自分の思いや経験、なりたい自分と照らし合わせて、これから自分の行うべきこと、進むべき道、生き方を考える素晴らしい機会を得ていたのだと、最近無理やりですが感じています。結果、現在の私の座右の銘は「人生に無駄なこと無し」。

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