理事 山本貴道:聖隷三方原病院 院長 (2026年9月号)看護師の未来

現代の医療は多職種で成り立っており、どの職種が欠けても成り立たないが、特に看護師は人数が揃わない場合は病院経営にも深刻な影響を及ぼす。そのような時代にあって、学校法人聖隷学園が運営する聖隷クリストファー大学は、聖隷福祉事業団にとって必要不可欠な存在となっている。他病院の院長の方々と話をすると、いつでも「聖隷はいいね」と言われる。そのような時は、とても誇らしく嬉しい気持ちになる。
さて、7月27日付の日本経済新聞に『消える看護学生、10年で3割減』という記事が掲載された。看護専門学校は宮城・沖縄以外で定員割れ、大学の看護学部も19府県で定員割れの状況である。一方で主要国では看護師のなり手は増えているという。OECD(経済協力開発機構)のデータでは、2023年までの10年でオーストラリアは1.5倍、米国は1.15倍に増加している。

ニューヨーク大学 (NYU) 病院に勤務していた頃、看護師は様々な国から来ていた。特にフィリピンや中国は多かった。言語が英語というのもプラスに作用している。彼女達は母国に戻る意思は毛頭無く、ひたすらキャリアアップのために努力していた。給与面での待遇はやはり良いようであった。NP (診療看護師) の資格を取得すると、昇格もあり給与も上がり、努力が報われるシステムができていた。NYUでは院内でのユニフォームも違い、RN (正看護師) はスクラブ、NPは医師と同じ白衣を着ていた。NPはRNと比較して、仕事の内容が明らかに異なっており、周術期の患者管理、術後のフォローアップの電話連絡など、むしろ我々医師より患者の把握は正確にできていた。

ニューヨーク大学病院はイースト・サイドを南北に走る1番街に沿って建物が並ぶ。土地の面積は狭いので、病院も上に伸びている。この北側に国連ビルがある。(当時の写真)

エンパイア・ステート・ビルディングから眺めたニューヨーク大学病院。 ビルの向こうがイースト・リバーであり、病院からの眺望は素晴らしかった。現在では再開発が終わり更に巨大化している。米国では富裕層からの巨額の寄付金が入ってくるため、病院の再建築はスケールが違う。(当時の写真)
最近では当院でもNPの資格を取得した看護師が少しずつではあるが出てきている。何年か看護師として勤務した後、大学院に進学して課程を修了しなければ取得はできない。学生に戻るので、当然学費も払う。その志は極めて尊く、今後当院での医療の質向上に多大な貢献をしてくれるものと期待している。これからはNPもその一つではあるが、看護師を志す若い人々に様々な看護の可能性を提示していくことが必要であろう。そしてもう一歩踏み込んで、米国のような努力が報われるシステム構築は病院経営が困難な時代であっても必須であり、努力を続ける若手の声にも傾聴していきたいと考えている。
診療看護師として、専門性を生かして活躍する4名
<高度救命救急センター・画像外来で実践を重ねる2名>

クリティカル領域で活躍するAさん

クリティカル領域で活躍するSさん
<本年3月に大学院課程を修了し新たな一歩を踏み出した2名>

プライマリ・ケア領域での活躍が期待されるTさん

クリティカル領域で新たな一歩を踏み出したSさん
聖隷三方原病院の紹介
| 所在地 | 〒433-8558 静岡県浜松市中央区三方原町3453 |
| 電話番号 | 053-436-1251 |
| FAX | 053-438-2971 |
| 開設日 | 1942年12月24日 |
| 定員・定床数 | 934床〈一般810床、精神104床、結核20床〉 |
| 施設種別 | ・医療保護施設 ・助産施設 ・居宅療養管理指導事業 ・訪問看護事業 |
| ホームページ | こちらをご覧ください |
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