治療法は3つです。
① 発作の頻度が少ない、起こっても患者さんにあまり負担にならない場合、外来で経過観察のみします。
② 発作頻度が頻回である、頻度が少なくても発作中かなりつらいという場合には積極的な治療介入が必要です。現在、最初におすすめするのはカテーテルアブレーションです。カテーテルアブレーション治療は心臓の中にカテーテルを挿入し、発作の原因となっている組織を同定(房室結節リエントリー性頻拍の場合は遅伝導路、房室回帰性頻拍の場合は副伝導路)し、そこを焼灼する治療です。カテーテルアブレーションでは完治が望めます。
③ カテーテルアブレーションを希望されない場合には内服薬でコントロールします。薬の内服の仕方には2種類あります。発作が起こったときに、発作を止めるために頓用で内服する方法と、毎日お薬を内服し発作が起こらなくする方法です。いずれにしろ、発作の原因を除去しているわけではなく、発作を抑えているだけなので、この場合完治は望めません。
心室性期外収縮は、洞結節からの電気信号より早いタイミングで、心室から電気信号が出て心室が収縮するという現象です。この心室性期外収縮が三連発以上みられた場合、心室頻拍と呼ばれます。通常、心臓病を合併していない方でも日に数発は心室性期外収縮がみられることはあります。学校検診や軽度の症状で、小児期に心室性期外収縮が通常より多い回数で出現し、病院受診をすすめられる場合があります。ほとんどの場合は治療介入の必要はなく、約半数の方は思春期前後で消退することも知られています。しかし、中に死に至るような不整脈(致死性頻拍)を発症してくる前兆である場合がありますので、経過観察や精査が必要な患者さんがおられます。心室性期外収縮が、下の4つの複数またはいずれかを満たしている場合、注意が必要です。
① 頻発している
② 連発がある
③ 運動で抑制されない
④ 多形性である