2023/06/01
一人ひとりに合った車いすシーティングを~効果的なリハビリのために~
2017年当時、浜松市リハビリテーション病院では標準型の車いすが多く、患者さん一人ひとりに合う適切な車いすや車いすクッションが不足していたため、車いすでの姿勢崩れや、長時間座ることによる褥瘡※1が発生していた。そこで、①「入院時から適切な車いすシーティング※2を行い、正しい姿勢を保つことでリハビリを効果的に進めること」②「車いすによる褥瘡発生を減らすこと」を目的とし、2017年度にポジショニング・シーティング・アシスタンス・プロジェクト(以下、PSAP:Positioning Seating Assistance Projectの略)の活動を開始した。患者さん一人ひとりに合わせた調整ができるモジュール型※3車いすや車いすクッションの適正な導入、スタッフへの教育を計画的に進めた結果、適切なシーティングが院内に定着し、車いすによる褥瘡が減少した。
2023/02/28
地域包括支援センター和合 「地域でつながるケアマネネットワーク ~圏域内における居宅介護支援事業所間の相互支援体制を構築~」
地域包括支援センター和合では、地域の課題に取り組み、「包括的・継続的ケアマネジメント支援業務」を行っている。そのため特に法人内外問わず圏域内の居宅介護支援事業所とは勉強会や事例検討会などを定期的に開催し、ケアマネジメント力の向上に繋げている。定期的に居宅介護支援事業所との関わりを持っているため、お互いに顔の見える関係ができている。その中でコロナ禍において小規模な居宅介護支援事業所では事業継続に対して不安の声が度々聞かれるようになった。新型コロナウイルス感染症等による居宅介護支援事業所休業時に利用者の不利益を最小限にするため、圏域内の居宅介護支援事業所で助け合える体制を確立した。
2022/09/14
結いホーム宝塚 「居室ベッドに見守りセンサーを導入~入居者の安全確保と良好な睡眠の両立~」
介護付有料老人ホーム 結いホーム宝塚には、要支援1~要介護5の様々な状態の方が入居している。夜間の安否確認巡視は業務として必要であるが、一定の業務時間を要し、時には入居者の睡眠の妨げにもなっている。そのため2020年度より、ICT機器として見守りセンサーの導入を進め、2021年度に全床整備が完了した。体調等に問題のない入居者はモニターによる巡視としたことで、夜間巡視時間を4分の1に短縮することができ、入居者からも、職員の立入り音で起きることが無いことや、状態把握の安心感から好評を得ている。また、看取り期の入居者において、ご家族への説明や声掛けする時期がデータから分かるなどの効果も出ている。
2022/06/13
聖隷カーネーションホーム 聖隷在宅介護支援センター淡路 「コロナ禍での認知症サポーター養成講座の普及活動」
淡路市では、全国平均より高い水準で少子高齢化が進んでおり「認知症、みんなで支える、やさしいまち」を市のスローガンとして、まち全体で認知症サポーター講座に取り組んでいる。当事業所は、2013年から町内会や学校などを中心に「地域で支えあおう」をテーマに認知症サポーター養成講座を開始し、①認知症の理解 ②認知症の方への関わり方 ③グループワーク(みんなで考える)を実践することで、地域住民の意識や支えあいに成果をもたらしている。 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、開催回数や場所、感染予防策に考慮しながら取り組んだ。
2022/02/28
聖隷浜松病院 医療クラーク室 CQIサークル活動「ももいろ基本カード直そうZ」
医療クラーク室は、医師がスムーズに診察できるよう診療補助や事務処理をしている。しかし診察後の事務処理(主に診療報酬を請求するための基本カードやコスト伝票の記入)に時間がかかり、待ち時間につながっていた。事務処理の時間短縮には記入書類の修正が必要と考え、関連する他部署と話し合いを重ねた。具体的には基本カードにコスト伝票を組み込み、手書きしていたコスト算定項目も印字するなどの改善を行い、事務処理の時間短縮や用紙削減、待ち時間短縮につなげた。
※CQI:Continuous Quality Improvementとは、継続的な質改善のこと
2021/10/12
浦安愛光園「無資格・未経験者育成プログラム~働き続けられる仕組みを~」
浦安高洲地区は2020年度にフィールドイノベーション(現場の革新)プロジェクトを発足し、課題の一つとして、無資格・未経験者に特化した育成システムを構築する取り組みを浦安高洲地区人材育成チーム※1で行った。同じ新人でも、専門学校卒業生とは専門知識の量に違いがあるため、それを短期間で補うべく通信教育の受講とOJT※2を組み合わせ、100時間プログラムを作成、運用を開始した。その結果、現在2020年11月採用者はユニットの早番・遅番業務を一人で行い、夜勤業務に向けて着実に成長しており、また2020年1月採用の無資格・未経験者も追加でこのプログラムを履修することで、介護テクニカルラダー※3のレベル1の認定を受けることができた。このプログラムを通し、異分野から介護を志してくれた無資格・未経験の方にも安心して介護の専門職としてのキャリアをスタートしてもらう環境が整った。
2020/11/24
浜北愛光園「ケアサポーター~専門職が専門業務に集中できる仕組みづくり~」
施設で働く専門職は、専門業務(介護等の直接ケア)に加え、掃除や洗濯など多くの周辺業務も担っているため、利用者との直接的関わりが減少していると感じていた。そこで本来の専門職としての楽しさ・やりがいが得られるよう、地域に住む高齢者や主婦を「ケアサポーター」として雇用し周辺業務を依頼。結果、業務の切り分けができ、専門職は専門業務に集中し、利用者に関わる時間の増加や業務負担の軽減にもつながった。令和元年度「静岡県優良介護事業所」職場改善部門で静岡県からも表彰された。